$a$ を実数とし、座標平面上の曲線 $C: y = x^3 + (a+2)x^2 + 2ax + 2$ を考える。 (1) $a$ がどのような値をとっても $C$ は2つの定点を通る。その2点の座標を求めよ。 (2) (1) で求めた2点のうち、$x$ 座標の小さい方を点 A、もう一方を点 B とし、その2点を通る直線を $l$ とする。$C$ と $l$ が異なる3点で交わり、その交点がすべて線分 AB 上にあるような $a$ の値の範囲を求めよ。 (3) $a$ が (2) で求めた範囲を動くとき、$C$ と (2) で定めた $l$ で囲まれた部分の面積 $S(a)$ の最小値を求めよ。

解析学積分3次関数定点面積
2025/8/8
はい、承知いたしました。問題を解いていきましょう。

1. 問題の内容

aa を実数とし、座標平面上の曲線 C:y=x3+(a+2)x2+2ax+2C: y = x^3 + (a+2)x^2 + 2ax + 2 を考える。
(1) aa がどのような値をとっても CC は2つの定点を通る。その2点の座標を求めよ。
(2) (1) で求めた2点のうち、xx 座標の小さい方を点 A、もう一方を点 B とし、その2点を通る直線を ll とする。CCll が異なる3点で交わり、その交点がすべて線分 AB 上にあるような aa の値の範囲を求めよ。
(3) aa が (2) で求めた範囲を動くとき、CC と (2) で定めた ll で囲まれた部分の面積 S(a)S(a) の最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) aa の値に関わらず曲線 CC が通る定点を求める。
y=x3+(a+2)x2+2ax+2=x3+2x2+2+a(x2+2x)y = x^3 + (a+2)x^2 + 2ax + 2 = x^3 + 2x^2 + 2 + a(x^2 + 2x)
aa について整理すると、
y=x3+2x2+2+a(x2+2x)y = x^3 + 2x^2 + 2 + a(x^2 + 2x)
これが任意の aa について成り立つためには、
x2+2x=0x^2 + 2x = 0 かつ y=x3+2x2+2y = x^3 + 2x^2 + 2 である必要がある。
x2+2x=x(x+2)=0x^2 + 2x = x(x+2) = 0 より、x=0x = 0 または x=2x = -2
x=0x = 0 のとき、y=03+2(0)2+2=2y = 0^3 + 2(0)^2 + 2 = 2
x=2x = -2 のとき、y=(2)3+2(2)2+2=8+8+2=2y = (-2)^3 + 2(-2)^2 + 2 = -8 + 8 + 2 = 2
したがって、曲線 CCaa の値に関わらず、点 (0,2)(0, 2)(2,2)(-2, 2) を通る。
(2) (1)で求めた定点A, Bはそれぞれ A(2,2),B(0,2)A(-2, 2), B(0, 2)となる。
直線 ll は2点 A(2,2),B(0,2)A(-2, 2), B(0, 2) を通るので、 y=2y=2
CCll の交点の xx 座標を求める。
x3+(a+2)x2+2ax+2=2x^3 + (a+2)x^2 + 2ax + 2 = 2
x3+(a+2)x2+2ax=0x^3 + (a+2)x^2 + 2ax = 0
x(x2+(a+2)x+2a)=0x(x^2 + (a+2)x + 2a) = 0
x(x+2)(x+a)=0x(x+2)(x+a) = 0
x=0,2,ax = 0, -2, -a
CCll が異なる3点で交わるので、a0,2a \neq 0, 2
交点は (0,2),(2,2),(a,2)(0, 2), (-2, 2), (-a, 2)
これらの交点が線分 ABAB 上にある条件は、2a0-2 \leq -a \leq 0
よって、0a20 \leq a \leq 2
a0,2a \neq 0, 2 より、0<a<20 < a < 2
(3) S(a)S(a) を求める。S(a)=a2(2(x3+(a+2)x2+2ax+2))dx+20(2(x3+(a+2)x2+2ax+2))dxS(a) = \int_{-a}^{-2} (2 - (x^3 + (a+2)x^2 + 2ax + 2)) dx + \int_{-2}^0 (2 - (x^3 + (a+2)x^2 + 2ax + 2))dx
S(a)=a2(x3(a+2)x22ax)dx+20(x3(a+2)x22ax)dxS(a) = \int_{-a}^{-2} (-x^3 - (a+2)x^2 - 2ax) dx + \int_{-2}^0 (-x^3 - (a+2)x^2 - 2ax)dx
S(a)=a0(x3(a+2)x22ax)dxS(a) = \int_{-a}^{0} (-x^3 - (a+2)x^2 - 2ax)dx
S(a)=[14x4a+23x3ax2]a0=0(14a4+a+23a3a3)=14a4a432a33+a3S(a) = [-\frac{1}{4}x^4 - \frac{a+2}{3}x^3 - ax^2]_{-a}^{0} = 0 - (-\frac{1}{4}a^4 + \frac{a+2}{3}a^3 - a^3) = \frac{1}{4}a^4 - \frac{a^4}{3} - \frac{2a^3}{3} + a^3
S(a)=3a44a412+3a32a33=a412+a33=a4+4a312=a3(4a)12S(a) = \frac{3a^4 - 4a^4}{12} + \frac{3a^3 - 2a^3}{3} = -\frac{a^4}{12} + \frac{a^3}{3} = \frac{-a^4 + 4a^3}{12} = \frac{a^3(4-a)}{12}
S(a)=3a2(4a)a312=12a23a3a312=12a24a312=4a2(3a)12=a2(3a)3S'(a) = \frac{3a^2(4-a) - a^3}{12} = \frac{12a^2 - 3a^3 - a^3}{12} = \frac{12a^2 - 4a^3}{12} = \frac{4a^2(3-a)}{12} = \frac{a^2(3-a)}{3}
S(a)=0S'(a) = 0 となるのは、a=0,3a=0, 3
0<a<20 < a < 2 において、S(a)>0S'(a) > 0 なので、S(a) は単調増加する。
したがって、S(a) は a0a \rightarrow 0 に近づくほど小さくなるが、a=0 は範囲に含まれないので、最小値は存在しない。
ただし、a=2a=2 では S(2)=23(42)12=8212=1612=43S(2) = \frac{2^3(4-2)}{12} = \frac{8 \cdot 2}{12} = \frac{16}{12} = \frac{4}{3}

3. 最終的な答え

(1) (0, 2), (-2, 2)
(2) 0<a<20 < a < 2
(3) 最小値は存在しない。ただし aa0<a<20 < a < 2 の範囲で 22 に限りなく近いとき、S(a)S(a)4/34/3 に限りなく近づく。

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