A地点から出発し、B地点をゴールとする。コインを投げて表が出たら北へ、裏が出たら東へ1区画進む。進めない場合は動かない。コインの表裏が出る確率はそれぞれ $\frac{1}{2}$ である。 (a) コインを6回投げた結果、ちょうどB地点に到達する確率を求める。 (b) コインを9回投げてもB地点に到達できない確率を求める。

確率論・統計学確率二項分布場合の数
2025/8/8

1. 問題の内容

A地点から出発し、B地点をゴールとする。コインを投げて表が出たら北へ、裏が出たら東へ1区画進む。進めない場合は動かない。コインの表裏が出る確率はそれぞれ 12\frac{1}{2} である。
(a) コインを6回投げた結果、ちょうどB地点に到達する確率を求める。
(b) コインを9回投げてもB地点に到達できない確率を求める。

2. 解き方の手順

(a) A地点からB地点へ行くには、北に3回、東に3回進む必要がある。6回のコイン投げでちょうどB地点に到達するには、表が3回、裏が3回出ればよい。
6回のうち表が3回出る確率は、二項分布で計算できる。
6C3(12)3(12)3=6!3!3!(12)6=6×5×43×2×1×164=20×164=2064=516{}_6 C_3 (\frac{1}{2})^3 (\frac{1}{2})^3 = \frac{6!}{3!3!} (\frac{1}{2})^6 = \frac{6 \times 5 \times 4}{3 \times 2 \times 1} \times \frac{1}{64} = 20 \times \frac{1}{64} = \frac{20}{64} = \frac{5}{16}
(b) 9回のコイン投げでB地点に到達するには、北に3回、東に3回進む必要がある。残りの3回は、すでにB地点に到達しているので、北にも東にも進めず、その場にとどまる。つまり、北に3回、東に3回、それ以外(北にも東にも進めない)に3回となる。
B地点に到達するためには、少なくとも北に3回、東に3回出る必要がある。
9回のコイン投げでB地点に到達できる確率を求める。
北に3回、東に3回以上出る確率を求める。
少なくとも3回表と少なくとも3回裏が出る確率を求める。
9回投げてB地点に到達するには、表が3回以上かつ裏が3回以上出ればよい。到達できない場合は、表が2回以下または裏が2回以下の場合である。
到達できる確率を直接計算する代わりに、到達できない確率を計算する。
9回中、表が0, 1, 2回の場合と、裏が0, 1, 2回の場合の確率を計算する。
P(表が0回)=9C0(12)9=1512P(\text{表が0回}) = {}_9 C_0 (\frac{1}{2})^9 = \frac{1}{512}
P(表が1回)=9C1(12)9=9512P(\text{表が1回}) = {}_9 C_1 (\frac{1}{2})^9 = \frac{9}{512}
P(表が2回)=9C2(12)9=36512P(\text{表が2回}) = {}_9 C_2 (\frac{1}{2})^9 = \frac{36}{512}
同様に、
P(裏が0回)=9C0(12)9=1512P(\text{裏が0回}) = {}_9 C_0 (\frac{1}{2})^9 = \frac{1}{512}
P(裏が1回)=9C1(12)9=9512P(\text{裏が1回}) = {}_9 C_1 (\frac{1}{2})^9 = \frac{9}{512}
P(裏が2回)=9C2(12)9=36512P(\text{裏が2回}) = {}_9 C_2 (\frac{1}{2})^9 = \frac{36}{512}
到達できない確率は、P(表が0,1,2回)+P(裏が0,1,2回)=1+9+36512+1+9+36512=46512+46512=92512=23128P(\text{表が0,1,2回}) + P(\text{裏が0,1,2回}) = \frac{1+9+36}{512} + \frac{1+9+36}{512} = \frac{46}{512} + \frac{46}{512} = \frac{92}{512} = \frac{23}{128}

3. 最終的な答え

(a) 516\frac{5}{16}
(b) 23128\frac{23}{128}

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