$m$ を実数とする。放物線 $y = x^2 - 4x + 4$ (①) と直線 $y = mx - m + 2$ (②) について、以下の問いに答える。 (1) 直線②は $m$ の値にかかわらず定点を通る。この点を求めよ。 (2) 放物線①と直線②は異なる2点で交わることを示せ。 (3) 放物線①と直線②の交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$) とするとき、放物線①と直線②で囲まれた部分の面積 $S$ を $\alpha, \beta$ で表せ。 (4) 面積 $S$ を $m$ で表し、$S$ の最小値とそのときの $m$ の値を求めよ。

1. 問題の内容

$m$ を実数とする。放物線 $y = x^2 - 4x + 4$ (①) と直線 $y = mx - m + 2$ (②) について、以下の問いに答える。

(1) 直線②は $m$ の値にかかわらず定点を通る。この点を求めよ。

(2) 放物線①と直線②は異なる2点で交わることを示せ。

(3) 放物線①と直線②の交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$) とするとき、放物線①と直線②で囲まれた部分の面積 $S$ を $\alpha, \beta$ で表せ。

(4) 面積 $S$ を $m$ で表し、$S$ の最小値とそのときの $m$ の値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 直線 $y = mx - m + 2$ は、$m$ について整理すると $m(x-1) + (2-y) = 0$ となる。これが $m$ の値にかかわらず成立するためには、$x-1 = 0$ かつ $2-y = 0$ でなければならない。

したがって、$x = 1$ かつ $y = 2$ となる。

(2) 放物線①と直線②の交点の $x$ 座標を求めるには、$x^2 - 4x + 4 = mx - m + 2$ を解けば良い。

$x^2 - (4+m)x + (2+m) = 0$

この判別式を $D$ とすると、

$D = (4+m)^2 - 4(2+m) = m^2 + 8m + 16 - 8 - 4m = m^2 + 4m + 8 = (m+2)^2 + 4 > 0$

$D > 0$ より、放物線①と直線②は異なる2点で交わる。

(3) 放物線①と直線②で囲まれた部分の面積 $S$ は、

$S = \int_{\alpha}^{\beta} (x^2 - 4x + 4 - (mx - m + 2)) dx = \int_{\alpha}^{\beta} (x^2 - (4+m)x + (2+m)) dx$

ここで、$x^2 - (4+m)x + (2+m) = (x - \alpha)(x - \beta)$ なので、

$S = \int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx = - \frac{1}{6} (\beta - \alpha)^3$

(4) $x^2 - (4+m)x + (2+m) = 0$ の解 $\alpha, \beta$ について、解と係数の関係より、

$\alpha + \beta = 4+m$

$\alpha \beta = 2+m$

$(\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha \beta = (4+m)^2 - 4(2+m) = m^2 + 4m + 8 = (m+2)^2 + 4$

$\beta - \alpha = \sqrt{(m+2)^2 + 4}$

$S = - \frac{1}{6} (\beta - \alpha)^3 = \frac{1}{6} (\sqrt{(m+2)^2 + 4})^3 = \frac{1}{6} ((m+2)^2 + 4)^{\frac{3}{2}}$

$S$ が最小となるのは $(m+2)^2 = 0$ のとき、つまり $m = -2$ のときである。

このとき、$S = \frac{1}{6} (4)^{\frac{3}{2}} = \frac{1}{6} \cdot 8 = \frac{4}{3}$

3. 最終的な答え

(1) (1, 2)

(2) 略 (判別式が正であることを示す)

(3) $S = \frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3$

(4) $S = \frac{1}{6}((m+2)^2 + 4)^{\frac{3}{2}}$, 最小値は $\frac{4}{3}$ ($m = -2$ のとき)