点 $P(\sqrt{c}, 0)$ ($c \ge 0$) を通り、楕円 $\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$ ($a>0, b>0$) に接する直線が、$y \ge 0$ で $y$ 軸と交わる点を $Q$ とするとき、線分 $PQ$ の長さを求める問題です。

幾何学楕円接線距離座標
2025/8/12

1. 問題の内容

P(c,0)P(\sqrt{c}, 0) (c0c \ge 0) を通り、楕円 x2a2+y2b2=1\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1 (a>0,b>0a>0, b>0) に接する直線が、y0y \ge 0yy 軸と交わる点を QQ とするとき、線分 PQPQ の長さを求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、点 P(c,0)P(\sqrt{c}, 0) を通る直線を y=m(xc)y = m(x - \sqrt{c}) とおく。この直線が楕円 x2a2+y2b2=1\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1 に接するので、連立させて yy を消去した式
x2a2+m2(xc)2b2=1\frac{x^2}{a^2} + \frac{m^2(x - \sqrt{c})^2}{b^2} = 1
が重解を持つ条件を考える。これを整理すると、
b2x2+a2m2(x22cx+c)=a2b2b^2x^2 + a^2m^2(x^2 - 2\sqrt{c}x + c) = a^2b^2
(b2+a2m2)x22a2m2cx+a2m2ca2b2=0(b^2 + a^2m^2)x^2 - 2a^2m^2\sqrt{c}x + a^2m^2c - a^2b^2 = 0
この2次方程式が重解を持つ条件は、判別式 D=0D = 0 であるから、
D/4=(a2m2c)2(b2+a2m2)(a2m2ca2b2)=0D/4 = (a^2m^2\sqrt{c})^2 - (b^2 + a^2m^2)(a^2m^2c - a^2b^2) = 0
a4m4c(b2+a2m2)(a2m2ca2b2)=0a^4m^4c - (b^2 + a^2m^2)(a^2m^2c - a^2b^2) = 0
a4m4ca2b2m2c+a2b4a4m4c+a4b2m2=0a^4m^4c - a^2b^2m^2c + a^2b^4 - a^4m^4c + a^4b^2m^2 = 0
a4b2m2a2b2cm2+a2b4=0a^4b^2m^2 - a^2b^2cm^2 + a^2b^4 = 0
a2m2cm2+b2=0a^2m^2 - cm^2 + b^2 = 0
(a2c)m2+b2=0(a^2 - c)m^2 + b^2 = 0
m2=b2a2cm^2 = \frac{-b^2}{a^2 - c}
yy 軸との交点 QQ は、x=0x = 0 のときの yy の値であるから、y=m(0c)=mcy = m(0 - \sqrt{c}) = -m\sqrt{c} となる。条件より y0y \ge 0 なので、m0m \le 0
m=b2ca2=b1ca2m = -\sqrt{\frac{b^2}{c - a^2}} = -b\sqrt{\frac{1}{c - a^2}}
QQyy 座標は yQ=mc=bcca2y_Q = -m\sqrt{c} = b\sqrt{\frac{c}{c - a^2}}
PQPQ の長さは、PQ=(c0)2+(0bcca2)2=c+b2cca2=c(1+b2ca2)=c(ca2+b2ca2)=c(ca2+b2)ca2PQ = \sqrt{(\sqrt{c} - 0)^2 + (0 - b\sqrt{\frac{c}{c - a^2}})^2} = \sqrt{c + b^2\frac{c}{c - a^2}} = \sqrt{c\left(1 + \frac{b^2}{c - a^2}\right)} = \sqrt{c\left(\frac{c - a^2 + b^2}{c - a^2}\right)} = \sqrt{\frac{c(c - a^2 + b^2)}{c - a^2}}
ただし、c>a2c>a^2が必要。
PQ=yQ=bcca2cPQ = |y_Q| = b\sqrt{\frac{c}{c-a^2}}\sqrt{c}
直線はP(c\sqrt{c},0)を通るので、
y=m(xc)y=m(x-\sqrt{c})
x2a2+y2b2=1\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2} = 1に代入して、
b2x2+a2m2(xc)2=a2b2b^2x^2+a^2m^2(x-\sqrt{c})^2 = a^2b^2
(b2+a2m2)x22a2cm2x+a2(cm2b2)=0(b^2+a^2m^2)x^2 - 2a^2\sqrt{c}m^2x + a^2(cm^2-b^2) = 0
接するので、D=0
D/4=a4cm4(b2+a2m2)a2(cm2b2)=0D/4 = a^4cm^4 - (b^2+a^2m^2)a^2(cm^2-b^2) = 0
a2cm2(b2+a2m2)(cm2b2)=0a^2cm^2 - (b^2+a^2m^2)(cm^2-b^2) = 0
a2cm2(b2cm2b4+a2cm4a2b2m2)=0a^2cm^2-(b^2cm^2-b^4+a^2cm^4-a^2b^2m^2) = 0
a2b2m2b2cm2+b4a2cm4+a2cm4=0a^2b^2m^2 - b^2cm^2 + b^4 - a^2cm^4+a^2cm^4 = 0
(a2c)m2+b2=0(a^2-c)m^2+b^2=0
m2=b2a2c=b2ca2m^2 = \frac{-b^2}{a^2-c} = \frac{b^2}{c-a^2}
y=m(xc)y = m(x-\sqrt{c})とy軸の交点は(0,-mc\sqrt{c}) y0y \ge 0よりm<0m<0
m=b/ca2m = -b/\sqrt{c-a^2}
Qは(0,bcca2\frac{b\sqrt{c}}{\sqrt{c-a^2}}
PQ = c+b2cca2=c2ca2+cb2ca2=c(c+b2a2)ca2\sqrt{c+\frac{b^2c}{c-a^2}}=\sqrt{\frac{c^2-ca^2+cb^2}{c-a^2}}=\sqrt{\frac{c(c+b^2-a^2)}{c-a^2}}
一方、
PQ=mc=bcca2PQ = -m\sqrt{c} = \frac{b\sqrt{c}}{\sqrt{c-a^2}}

3. 最終的な答え

PQ=bcca2PQ = \frac{b\sqrt{c}}{\sqrt{c-a^2}}

「幾何学」の関連問題

円に内接する四角形ABCDにおいて、$AB=3$, $BC=4$, $CD=5$, $DA=6$ のとき、以下の値を求めます。 (1) ACの長さ (2) $\cos{B}$ の値 (3) 四角形の面...

円に内接する四角形余弦定理正弦定理面積三角比
2025/8/12

座標平面上の2点 $A(3, 2)$ と $B(1, -2)$ を通る円 $C: x^2 + y^2 - 8x + ay + b = 0$ について、以下の問いに答える問題です。 (1) $a$ と ...

接線座標平面最大・最小連立方程式
2025/8/12

正五角形 ABCDE が与えられており、その一辺の長さは1です。ACとBEの交点をFとし、BEの長さを $x$ とします。 (1) ∠BAE, ∠CAD, BF, $x$ を求める。 (2) cos∠...

正五角形角度相似余弦定理面積黄金比
2025/8/12

円 $x^2 + y^2 = 4$ をCとします。以下の条件を満たす円の方程式を求めます。 (1) 中心が点(3, 4)で、円Cに外接する円 $C_1$ (2) 中心が点($\sqrt{2}$, -1...

方程式外接内接距離
2025/8/12

2つの円があり、半径はそれぞれ3と6である。2つの円の中心間の距離は15である。共通接線ABの長さを求める。

接線ピタゴラスの定理
2025/8/12

平面上に2点A, Bがあり、$AB = x$ ($x > 0$)とする。点Aを中心とした半径4の円と、点Bを中心とした半径6の円が共有点をもたないとき、$x$のとり得る値の範囲を求めよ。

距離不等式共有点
2025/8/12

平面上に2点A, Bがあり、線分ABの長さは$x$($x > 0$)である。点Aを中心とした半径3の円と、点Bを中心とした半径7の円が共有点を持たないとき、$x$の取り得る値の範囲を求める。

距離不等式
2025/8/12

2つの円があり、それぞれ半径が3と5である。2つの円の中心間の距離は12である。直線ABは2つの円の共通接線であり、AとBはそれぞれ接点である。このとき、線分ABの長さを求める。

接線三平方の定理図形問題
2025/8/12

2つの円があり、直線ABはその共通接線である。AとBはそれぞれの円の接点である。小さい円の半径は4、大きい円の半径は13、2つの円の中心間の距離は15である。線分ABの長さを求める。

接線ピタゴラスの定理相似三平方の定理
2025/8/12

2つの円があり、直線ABが2つの円の共通接線で、AとBは接点である。2つの円の中心をそれぞれO, O'とする。円Oの半径は3、円O'の半径は8、中心間の距離OO'は13である。線分ABの長さを求める。

接線ピタゴラスの定理幾何
2025/8/12