座標平面上の円 $C: x^2 + y^2 - 6y - 7 = 0$ と直線 $l: y = ax - 6a + 7$ について、以下の問いに答えます。 (1) 円 $C$ の中心の座標と半径を求め、直線 $l$ が定数 $a$ の値に関わらず通る点を求めます。 (2) 円 $C$ と直線 $l$ が異なる2点で交わるときの、定数 $a$ の取り得る値の範囲を求めます。 (3) 点 $(0, -5)$ を通り、円 $C$ に接する直線を $m$ と $n$ とします (ただし、傾きが正の直線を $m$ とし、傾きが負の直線を $n$ とします)。直線 $m$ と円 $C$ の接点を $P$ とし、直線 $n$ と円 $C$ の接点を $Q$ とします。 (i) 直線 $m$ の方程式と点 $Q$ の座標を求めます。 (ii) 円 $C$ の弧 $PQ$ のうち、線分 $PQ$ の下側にある方の弧と直線 $m, n$ で囲まれた図形の面積 $S$ を求めます。

1. 問題の内容

座標平面上の円 $C: x^2 + y^2 - 6y - 7 = 0$ と直線 $l: y = ax - 6a + 7$ について、以下の問いに答えます。

(1) 円 $C$ の中心の座標と半径を求め、直線 $l$ が定数 $a$ の値に関わらず通る点を求めます。

(2) 円 $C$ と直線 $l$ が異なる2点で交わるときの、定数 $a$ の取り得る値の範囲を求めます。

(3) 点 $(0, -5)$ を通り、円 $C$ に接する直線を $m$ と $n$ とします (ただし、傾きが正の直線を $m$ とし、傾きが負の直線を $n$ とします)。直線 $m$ と円 $C$ の接点を $P$ とし、直線 $n$ と円 $C$ の接点を $Q$ とします。

(i) 直線 $m$ の方程式と点 $Q$ の座標を求めます。

(ii) 円 $C$ の弧 $PQ$ のうち、線分 $PQ$ の下側にある方の弧と直線 $m, n$ で囲まれた図形の面積 $S$ を求めます。

2. 解き方の手順

(1)

円 $C$ の方程式を平方完成すると、

$x^2 + (y-3)^2 - 9 - 7 = 0$

$x^2 + (y-3)^2 = 16$

よって、円 $C$ の中心の座標は $(0, 3)$ 、半径は $4$ です。

直線 $l$ の方程式 $y = ax - 6a + 7$ を変形すると、

$y = a(x - 6) + 7$

これは $a$ の値に関わらず、$x - 6 = 0$ かつ $y = 7$ を満たす点、つまり点 $(6, 7)$ を通ります。

(2)

円 $C$ の中心 $(0, 3)$ と直線 $l: ax - y - 6a + 7 = 0$ の距離 $d$ は、

$d = \frac{|a(0) - 3 - 6a + 7|}{\sqrt{a^2 + (-1)^2}} = \frac{|-6a + 4|}{\sqrt{a^2 + 1}}$

円 $C$ と直線 $l$ が異なる2点で交わる条件は、$d < r$ 、つまり

$\frac{|-6a + 4|}{\sqrt{a^2 + 1}} < 4$

$|-6a + 4| < 4\sqrt{a^2 + 1}$

両辺を2乗すると、

$(-6a + 4)^2 < 16(a^2 + 1)$

$36a^2 - 48a + 16 < 16a^2 + 16$

$20a^2 - 48a < 0$

$4a(5a - 12) < 0$

よって、 $0 < a < \frac{12}{5}$

(3)

点 $(0, -5)$ を通り、円 $C$ に接する直線を $y = kx - 5$ とします。

円 $C$ の中心 $(0, 3)$ と直線 $kx - y - 5 = 0$ の距離が $4$ に等しいので、

$\frac{|k(0) - 3 - 5|}{\sqrt{k^2 + (-1)^2}} = 4$

$\frac{|-8|}{\sqrt{k^2 + 1}} = 4$

$8 = 4\sqrt{k^2 + 1}$

$2 = \sqrt{k^2 + 1}$

$4 = k^2 + 1$

$k^2 = 3$

$k = \pm \sqrt{3}$

傾きが正の直線を $m$ とするので、$m: y = \sqrt{3}x - 5$ 、傾きが負の直線を $n$ とするので、$n: y = -\sqrt{3}x - 5$ です。

直線 $n: y = -\sqrt{3}x - 5$ と円 $C: x^2 + (y-3)^2 = 16$ の接点 $Q$ を求めます。

$x^2 + (-\sqrt{3}x - 5 - 3)^2 = 16$

$x^2 + (-\sqrt{3}x - 8)^2 = 16$

$x^2 + 3x^2 + 16\sqrt{3}x + 64 = 16$

$4x^2 + 16\sqrt{3}x + 48 = 0$

$x^2 + 4\sqrt{3}x + 12 = 0$

$(x + 2\sqrt{3})^2 = 0$

$x = -2\sqrt{3}$

$y = -\sqrt{3}(-2\sqrt{3}) - 5 = 6 - 5 = 1$

よって、点 $Q$ の座標は $(-2\sqrt{3}, 1)$ です。

円 $C$ の中心を $O$ とします。三角形 $OPQ$ は点 $O$ から直線 $m$と$n$へ引いた線とそれぞれの接点で作られるので、$OP \perp m, OQ \perp n$ です。よって、四角形$OPXQ$ (Xは点(0, -5))は$m\perp OP$と$n \perp OQ$より、$\angle OPX = \angle OQX = 90^\circ$です。$\angle POQ = 120^{\circ}$なので、求める扇形の面積は$\frac{120}{360}\pi4^2 = \frac{1}{3} \pi 16 = \frac{16\pi}{3}$となります。また三角形 $OPQ$ の面積は、$\frac{1}{2} PQ \cdot OA = 8\sqrt{3}$です。よって、求める面積$S$は $S = \frac{16}{3} \pi - 8\sqrt{3}$

3. 最終的な答え

(1) 円 $C$ の中心の座標は $(0, 3)$ 、半径は $4$ です。

直線 $l$ が通る点は $(6, 7)$ です。

(2) 円 $C$ と直線 $l$ が異なる2点で交わる $a$ の範囲は $0 < a < \frac{12}{5}$ です。

(3) (i) 直線 $m$ の方程式は $y = \sqrt{3}x - 5$ です。

点 $Q$ の座標は $(-2\sqrt{3}, 1)$ です。

(ii) 面積 $S$ は $8\sqrt{3} - \frac{16}{3}\pi$です。