問1:実数 $x$、$y$ に対して、不等式 $|x| + |y| \ge |x + y|$ が成り立つことを示し、等号が成り立つ条件を求める。 問2:$n$ を2以上の自然数とする。$n$ 個の実数 $x_1, x_2, \dots, x_n$ に対して、不等式 $|x_1| + |x_2| + \dots + |x_n| \ge |x_1 + x_2 + \dots + x_n|$ が成り立つことを、数学的帰納法を用いて示す。なお、等号が成り立つ条件は答えなくてよい。
2025/8/12
はい、承知いたしました。問題を解いていきます。
1. 問題の内容
問1:実数 、 に対して、不等式 が成り立つことを示し、等号が成り立つ条件を求める。
問2: を2以上の自然数とする。 個の実数 に対して、不等式 が成り立つことを、数学的帰納法を用いて示す。なお、等号が成り立つ条件は答えなくてよい。
2. 解き方の手順
問1:
不等式 を示す。これは三角不等式として知られています。
両辺が非負なので、両辺を2乗して比較します。
したがって、 を示すことになります。
これは と同値であり、 となります。
は常に成立します。なぜならば、 のとき であり、 のとき となるからです。
したがって、 が成り立ちます。
次に、等号が成り立つ条件を求めます。
等号が成り立つのは、 のときです。これは、 と同値です。
問2:
数学的帰納法を用いて、不等式 を示す。
(i) のとき:これは問1で示されている と同じです。
(ii) で不等式が成り立つと仮定する。すなわち、
が成り立つと仮定します。
(iii) のとき:
(帰納法の仮定)
ここで、問1の結果を用いると、
したがって、
これにより、 のときも不等式が成り立つことが示されました。
(i), (ii), (iii) より、数学的帰納法によって、すべての2以上の自然数 に対して不等式が成り立つことが示されました。
3. 最終的な答え
問1:
不等式 が成り立つ。
等号が成り立つ条件は である。
問2:
を2以上の自然数とするとき、不等式 が成り立つ。