三角形ABCにおいて、$AB=8$, $BC=10$, $CA=12$とする。角Aの二等分線と辺BCの交点をDとする。 (1) $\cos C$ を求めよ。 (2) 線分BDの長さ、線分ADの長さを求めよ。 (3) 三角形ABCの面積S、三角形ACDの面積Tを求めよ。 (4) 三角形ABCの内接円の半径$r_1$と三角形ACDの内接円の半径$r_2$の比 $\frac{r_1}{r_2}$ を求めよ。

幾何学三角形余弦定理角の二等分線面積内接円
2025/8/13

1. 問題の内容

三角形ABCにおいて、AB=8AB=8, BC=10BC=10, CA=12CA=12とする。角Aの二等分線と辺BCの交点をDとする。
(1) cosC\cos C を求めよ。
(2) 線分BDの長さ、線分ADの長さを求めよ。
(3) 三角形ABCの面積S、三角形ACDの面積Tを求めよ。
(4) 三角形ABCの内接円の半径r1r_1と三角形ACDの内接円の半径r2r_2の比 r1r2\frac{r_1}{r_2} を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 余弦定理を用いて cosC\cos C を求める。
cosC=BC2+CA2AB22BCCA \cos C = \frac{BC^2 + CA^2 - AB^2}{2 \cdot BC \cdot CA}
(2) 角の二等分線の性質より、BD:DC=AB:AC=8:12=2:3BD:DC = AB:AC = 8:12 = 2:3
BC=10BC=10より、BD=22+310=2510=4BD = \frac{2}{2+3} \cdot 10 = \frac{2}{5} \cdot 10 = 4
三角形ABDにおいて、余弦定理より
AD2=AB2+BD22ABBDcosB AD^2 = AB^2 + BD^2 - 2 \cdot AB \cdot BD \cdot \cos B
cosB\cos Bを求める。
cosB=AB2+BC2CA22ABBC=82+1021222810=64+100144160=20160=18 \cos B = \frac{AB^2 + BC^2 - CA^2}{2 \cdot AB \cdot BC} = \frac{8^2 + 10^2 - 12^2}{2 \cdot 8 \cdot 10} = \frac{64+100-144}{160} = \frac{20}{160} = \frac{1}{8}
AD2=82+4228418=64+168=72 AD^2 = 8^2 + 4^2 - 2 \cdot 8 \cdot 4 \cdot \frac{1}{8} = 64 + 16 - 8 = 72
AD=72=362=62AD = \sqrt{72} = \sqrt{36 \cdot 2} = 6\sqrt{2}
(3) ヘロンの公式を用いて三角形ABCの面積Sを求める。
s=AB+BC+CA2=8+10+122=302=15s = \frac{AB+BC+CA}{2} = \frac{8+10+12}{2} = \frac{30}{2} = 15
S=s(sAB)(sBC)(sCA)=15(158)(1510)(1512)=15753=53753=157 S = \sqrt{s(s-AB)(s-BC)(s-CA)} = \sqrt{15(15-8)(15-10)(15-12)} = \sqrt{15 \cdot 7 \cdot 5 \cdot 3} = \sqrt{5 \cdot 3 \cdot 7 \cdot 5 \cdot 3} = 15\sqrt{7}
三角形ACDの面積Tは、三角形ABCの面積SのDCBC\frac{DC}{BC}倍である。
DC=BCBD=104=6DC = BC - BD = 10 - 4 = 6
T=DCBCS=610157=35157=97 T = \frac{DC}{BC} \cdot S = \frac{6}{10} \cdot 15\sqrt{7} = \frac{3}{5} \cdot 15\sqrt{7} = 9\sqrt{7}
(4) 三角形ABCの内接円の半径r1r_1S=12r1(AB+BC+CA)S = \frac{1}{2}r_1 (AB+BC+CA) より 157=12r13015\sqrt{7} = \frac{1}{2}r_1 \cdot 30
r1=7r_1 = \sqrt{7}
三角形ACDの内接円の半径r2r_2T=12r2(AC+CD+AD)T = \frac{1}{2}r_2 (AC+CD+AD) より 97=12r2(12+6+62)9\sqrt{7} = \frac{1}{2}r_2 (12+6+6\sqrt{2})
187=r2(18+62)18\sqrt{7} = r_2 (18+6\sqrt{2})
r2=18718+62=373+2=37(32)(3+2)(32)=37(32)92=37(32)7r_2 = \frac{18\sqrt{7}}{18+6\sqrt{2}} = \frac{3\sqrt{7}}{3+\sqrt{2}} = \frac{3\sqrt{7}(3-\sqrt{2})}{(3+\sqrt{2})(3-\sqrt{2})} = \frac{3\sqrt{7}(3-\sqrt{2})}{9-2} = \frac{3\sqrt{7}(3-\sqrt{2})}{7}
r1r2=737(32)7=73(32)=7(3+2)3(92)=7(3+2)37=3+23 \frac{r_1}{r_2} = \frac{\sqrt{7}}{\frac{3\sqrt{7}(3-\sqrt{2})}{7}} = \frac{7}{3(3-\sqrt{2})} = \frac{7(3+\sqrt{2})}{3(9-2)} = \frac{7(3+\sqrt{2})}{3 \cdot 7} = \frac{3+\sqrt{2}}{3}

3. 最終的な答え

(1) cosC=712\cos C = \frac{7}{12}
(2) BD=4BD = 4, AD=62AD = 6\sqrt{2}
(3) S=157S = 15\sqrt{7}, T=97T = 9\sqrt{7}
(4) r1r2=3+23\frac{r_1}{r_2} = \frac{3+\sqrt{2}}{3}

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