点 $A(p, q)$ が円 $(x-2)^2 + y^2 = 3$ 上を動き、点 $B(u, v)$ が円 $(x-6)^2 + y^2 = 9$ 上を動くとき、$pu + qv$ の最大値と最小値を求める問題です。

幾何学ベクトル内積最大値最小値コーシー・シュワルツの不等式
2025/8/14

1. 問題の内容

A(p,q)A(p, q) が円 (x2)2+y2=3(x-2)^2 + y^2 = 3 上を動き、点 B(u,v)B(u, v) が円 (x6)2+y2=9(x-6)^2 + y^2 = 9 上を動くとき、pu+qvpu + qv の最大値と最小値を求める問題です。

2. 解き方の手順

ベクトル a=(pq)\vec{a} = \begin{pmatrix} p \\ q \end{pmatrix}b=(uv)\vec{b} = \begin{pmatrix} u \\ v \end{pmatrix} を考えます。
すると、pu+qvpu + qva\vec{a}b\vec{b} の内積 ab\vec{a} \cdot \vec{b} で表されます。
(x2)2+y2=3(x-2)^2 + y^2 = 3 は、中心が (2,0)(2, 0) で半径が 3\sqrt{3} の円です。
したがって、
a=(2+3cosθ3sinθ)\vec{a} = \begin{pmatrix} 2 + \sqrt{3}\cos\theta \\ \sqrt{3}\sin\theta \end{pmatrix} と表すことができます。
同様に、円 (x6)2+y2=9(x-6)^2 + y^2 = 9 は、中心が (6,0)(6, 0) で半径が 33 の円です。
したがって、
b=(6+3cosϕ3sinϕ)\vec{b} = \begin{pmatrix} 6 + 3\cos\phi \\ 3\sin\phi \end{pmatrix} と表すことができます。
ab=(2+3cosθ)(6+3cosϕ)+(3sinθ)(3sinϕ)\vec{a} \cdot \vec{b} = (2 + \sqrt{3}\cos\theta)(6 + 3\cos\phi) + (\sqrt{3}\sin\theta)(3\sin\phi)
=12+6cosϕ+63cosθ+33cosθcosϕ+33sinθsinϕ= 12 + 6\cos\phi + 6\sqrt{3}\cos\theta + 3\sqrt{3}\cos\theta\cos\phi + 3\sqrt{3}\sin\theta\sin\phi
=12+6cosϕ+63cosθ+33cos(θϕ)= 12 + 6\cos\phi + 6\sqrt{3}\cos\theta + 3\sqrt{3}\cos(\theta - \phi)
ここで、ベクトル OA=(pq)\vec{OA} = \begin{pmatrix} p \\ q \end{pmatrix}OB=(uv)\vec{OB} = \begin{pmatrix} u \\ v \end{pmatrix} とすると、a=(pq)=OA\vec{a} = \begin{pmatrix} p \\ q \end{pmatrix} = \vec{OA}b=(uv)=OB\vec{b} = \begin{pmatrix} u \\ v \end{pmatrix} = \vec{OB} です。
pu+qv=OAOB=OAOBcosψpu + qv = \vec{OA} \cdot \vec{OB} = |\vec{OA}||\vec{OB}|\cos\psi (ただし、ψ\psiOA\vec{OA}OB\vec{OB} のなす角)
この式を使う代わりに、コーシー・シュワルツの不等式を用いることを考えます。
コーシー・シュワルツの不等式より、
(pu+qv)2(p2+q2)(u2+v2)(pu + qv)^2 \le (p^2 + q^2)(u^2 + v^2)
円の中心をそれぞれ OA=(2,0)O_A = (2, 0), OB=(6,0)O_B = (6, 0) とすると、
OA=OOA+OAA\vec{OA} = \vec{OO_A} + \vec{O_AA}
OB=OOB+OBB\vec{OB} = \vec{OO_B} + \vec{O_BB}
OAOOA+OAA=2+3|\vec{OA}| \le |\vec{OO_A}| + |\vec{O_AA}| = 2 + \sqrt{3}
OBOOB+OBB=6+3=9|\vec{OB}| \le |\vec{OO_B}| + |\vec{O_BB}| = 6 + 3 = 9
ここで、OOA\vec{OO_A}OAA\vec{O_AA}OOB\vec{OO_B}OBB\vec{O_BB} が同一直線上にあるとき(同じ向き)、
OA\vec{OA}OB\vec{OB} も同一直線上にあるとき、pu+qvpu + qv は最大値または最小値を持ちます。
このとき、pu+qv=OAOB=OAOB=(2+3)×9=18+93pu + qv = \vec{OA} \cdot \vec{OB} = |\vec{OA}||\vec{OB}| = (2 + \sqrt{3}) \times 9 = 18 + 9\sqrt{3}
または
pu+qv=OAOB=OAOB=(2+3)×9=1893pu + qv = \vec{OA} \cdot \vec{OB} = -|\vec{OA}||\vec{OB}| = -(2 + \sqrt{3}) \times 9 = -18 - 9\sqrt{3}
しかし、OOA=(20)\vec{OO_A} = \begin{pmatrix} 2 \\ 0 \end{pmatrix}OOB=(60)\vec{OO_B} = \begin{pmatrix} 6 \\ 0 \end{pmatrix} は同じ方向を向いているため、
pu+qvpu+qv が最大となるのは、OA\vec{OA}OB\vec{OB} が同じ方向を向いているとき、
pu+qvpu+qv が最小となるのは、OA\vec{OA}OB\vec{OB} が反対方向を向いているときです。
pu+qvpu + qv の最大値は、OA\vec{OA}OB\vec{OB} が同じ方向を向いているときで、
(2+3)×(6+3)=18+93(2 + \sqrt{3}) \times (6 + 3) = 18 + 9\sqrt{3}
pu+qvpu + qv の最小値は、OA\vec{OA}OB\vec{OB} が反対方向を向いているときで、
((20)2+(00)2+3)×((60)2+(00)2+3)=(2+3)×(6+3)=1893-(\sqrt{(2 - 0)^2 + (0 - 0)^2} + \sqrt{3}) \times (\sqrt{(6 - 0)^2 + (0 - 0)^2} + 3) = -(2 + \sqrt{3}) \times (6 + 3) = -18 - 9\sqrt{3}

3. 最終的な答え

最大値:18+9318 + 9\sqrt{3}
最小値:1893-18 - 9\sqrt{3}

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