原点を端点とする半直線上の2点P($x$, $y$)とQ($X$, $Y$)が$OP \cdot OQ = 1$を満たしている。このとき、以下の各場合について点Qの軌跡を求めよ。 (1) 点Pが原点を通る直線$ax+by=0$上を動くとき (2) 点Pが円$(x+1)^2+(y-2)^2=5$上を動くとき (3) 点Pが原点を通らない円$(x-a)^2+(y-b)^2=r^2$上を動くとき。ただし、$r > 0$とする。

幾何学軌跡逆数直線
2025/8/14

1. 問題の内容

原点を端点とする半直線上の2点P(xx, yy)とQ(XX, YY)がOPOQ=1OP \cdot OQ = 1を満たしている。このとき、以下の各場合について点Qの軌跡を求めよ。
(1) 点Pが原点を通る直線ax+by=0ax+by=0上を動くとき
(2) 点Pが円(x+1)2+(y2)2=5(x+1)^2+(y-2)^2=5上を動くとき
(3) 点Pが原点を通らない円(xa)2+(yb)2=r2(x-a)^2+(y-b)^2=r^2上を動くとき。ただし、r>0r > 0とする。

2. 解き方の手順

まず、OPOPOQOQの関係から、x,y,X,Yx, y, X, Yの関係を導く。OP=x2+y2OP = \sqrt{x^2 + y^2}OQ=X2+Y2OQ = \sqrt{X^2 + Y^2}なので、OPOQ=1OP \cdot OQ = 1より、x2+y2X2+Y2=1\sqrt{x^2+y^2} \sqrt{X^2+Y^2} = 1である。また、PとQは原点を端点とする半直線上にあるので、x=kXx = kX, y=kYy = kY (kkは正の実数)と表せる。
OP=x2+y2=k2X2+k2Y2=kX2+Y2OP = \sqrt{x^2 + y^2} = \sqrt{k^2X^2 + k^2Y^2} = k\sqrt{X^2+Y^2}.
OPOQ=kX2+Y2X2+Y2=k(X2+Y2)=1OP \cdot OQ = k\sqrt{X^2+Y^2} \cdot \sqrt{X^2+Y^2} = k(X^2+Y^2) = 1
したがって、k=1X2+Y2k = \frac{1}{X^2+Y^2}
よって、x=XX2+Y2x = \frac{X}{X^2+Y^2}, y=YX2+Y2y = \frac{Y}{X^2+Y^2}が成り立つ。
(1) 点Pが直線ax+by=0ax+by=0上を動くとき
aXX2+Y2+bYX2+Y2=0a \frac{X}{X^2+Y^2} + b \frac{Y}{X^2+Y^2} = 0
aX+bY=0aX+bY=0
よって、点Qの軌跡は直線aX+bY=0aX+bY=0である。
(2) 点Pが円(x+1)2+(y2)2=5(x+1)^2+(y-2)^2=5上を動くとき
(XX2+Y2+1)2+(YX2+Y22)2=5(\frac{X}{X^2+Y^2} + 1)^2 + (\frac{Y}{X^2+Y^2} - 2)^2 = 5
(X+X2+Y2X2+Y2)2+(Y2X22Y2X2+Y2)2=5(\frac{X+X^2+Y^2}{X^2+Y^2})^2 + (\frac{Y-2X^2-2Y^2}{X^2+Y^2})^2 = 5
(X+X2+Y2)2+(Y2X22Y2)2=5(X2+Y2)2(X+X^2+Y^2)^2 + (Y-2X^2-2Y^2)^2 = 5(X^2+Y^2)^2
X2+(X2+Y2)2+2X(X2+Y2)+Y2+4(X2+Y2)24Y(X2+Y2)=5(X2+Y2)2X^2 + (X^2+Y^2)^2 + 2X(X^2+Y^2) + Y^2 + 4(X^2+Y^2)^2 - 4Y(X^2+Y^2) = 5(X^2+Y^2)^2
X2+Y2+2X(X2+Y2)4Y(X2+Y2)=0X^2 + Y^2 + 2X(X^2+Y^2) - 4Y(X^2+Y^2) = 0
X2+Y2+2X(X2+Y2)4Y(X2+Y2)=0X^2 + Y^2 + 2X(X^2+Y^2) - 4Y(X^2+Y^2) = 0
(X2+Y2)(1+2X4Y)=0(X^2 + Y^2)(1+2X-4Y) = 0
X2+Y2=0X^2+Y^2 = 0 または 1+2X4Y=01+2X-4Y = 0
X2+Y2=0X^2+Y^2 = 0は原点のみを表すので、1+2X4Y=01+2X-4Y = 0
2X4Y+1=02X - 4Y + 1 = 0
よって、点Qの軌跡は直線2X4Y+1=02X - 4Y + 1 = 0である。
(3) 点Pが円(xa)2+(yb)2=r2(x-a)^2+(y-b)^2=r^2上を動くとき
(XX2+Y2a)2+(YX2+Y2b)2=r2(\frac{X}{X^2+Y^2}-a)^2 + (\frac{Y}{X^2+Y^2}-b)^2=r^2
(Xa(X2+Y2)X2+Y2)2+(Yb(X2+Y2)X2+Y2)2=r2(\frac{X-a(X^2+Y^2)}{X^2+Y^2})^2 + (\frac{Y-b(X^2+Y^2)}{X^2+Y^2})^2 = r^2
(Xa(X2+Y2))2+(Yb(X2+Y2))2=r2(X2+Y2)2(X-a(X^2+Y^2))^2 + (Y-b(X^2+Y^2))^2 = r^2(X^2+Y^2)^2
X22aX(X2+Y2)+a2(X2+Y2)2+Y22bY(X2+Y2)+b2(X2+Y2)2=r2(X2+Y2)2X^2 - 2aX(X^2+Y^2) + a^2(X^2+Y^2)^2 + Y^2 - 2bY(X^2+Y^2) + b^2(X^2+Y^2)^2 = r^2(X^2+Y^2)^2
X2+Y22aX(X2+Y2)2bY(X2+Y2)+(a2+b2)(X2+Y2)2=r2(X2+Y2)2X^2 + Y^2 - 2aX(X^2+Y^2) - 2bY(X^2+Y^2) + (a^2+b^2)(X^2+Y^2)^2 = r^2(X^2+Y^2)^2
(X2+Y2)[12aX2bY+(a2+b2)(X2+Y2)r2(X2+Y2)]=0(X^2+Y^2)[1 - 2aX - 2bY + (a^2+b^2)(X^2+Y^2) - r^2(X^2+Y^2)] = 0
X2+Y2=0X^2+Y^2 = 0または12aX2bY+(a2+b2r2)(X2+Y2)=01 - 2aX - 2bY + (a^2+b^2-r^2)(X^2+Y^2) = 0
12aX2bY+(a2+b2r2)(X2+Y2)=01 - 2aX - 2bY + (a^2+b^2-r^2)(X^2+Y^2) = 0
(a2+b2r2)(X2+Y2)2aX2bY+1=0(a^2+b^2-r^2)(X^2+Y^2) - 2aX - 2bY + 1 = 0
X2+Y22aa2+b2r2X2ba2+b2r2Y+1a2+b2r2=0X^2+Y^2 - \frac{2a}{a^2+b^2-r^2}X - \frac{2b}{a^2+b^2-r^2}Y + \frac{1}{a^2+b^2-r^2} = 0
(Xaa2+b2r2)2+(Yba2+b2r2)2=a2(a2+b2r2)2+b2(a2+b2r2)21a2+b2r2(X - \frac{a}{a^2+b^2-r^2})^2 + (Y - \frac{b}{a^2+b^2-r^2})^2 = \frac{a^2}{(a^2+b^2-r^2)^2} + \frac{b^2}{(a^2+b^2-r^2)^2} - \frac{1}{a^2+b^2-r^2}
(Xaa2+b2r2)2+(Yba2+b2r2)2=a2+b2(a2+b2r2)(a2+b2r2)2(X - \frac{a}{a^2+b^2-r^2})^2 + (Y - \frac{b}{a^2+b^2-r^2})^2 = \frac{a^2+b^2 - (a^2+b^2-r^2)}{(a^2+b^2-r^2)^2}
(Xaa2+b2r2)2+(Yba2+b2r2)2=r2(a2+b2r2)2(X - \frac{a}{a^2+b^2-r^2})^2 + (Y - \frac{b}{a^2+b^2-r^2})^2 = \frac{r^2}{(a^2+b^2-r^2)^2}
よって、点Qの軌跡は中心(aa2+b2r2,ba2+b2r2)(\frac{a}{a^2+b^2-r^2}, \frac{b}{a^2+b^2-r^2}), 半径ra2+b2r2\frac{r}{|a^2+b^2-r^2|}の円である。

3. 最終的な答え

(1) aX+bY=0aX+bY=0
(2) 2X4Y+1=02X-4Y+1=0
(3) (Xaa2+b2r2)2+(Yba2+b2r2)2=r2(a2+b2r2)2(X - \frac{a}{a^2+b^2-r^2})^2 + (Y - \frac{b}{a^2+b^2-r^2})^2 = \frac{r^2}{(a^2+b^2-r^2)^2}

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