数列 $\{a_n\}$ が漸化式 $a_1 = 1$, $a_2 = 3$, $a_{n+2} + a_{n+1} - 2a_n = 0$ $(n = 1, 2, ...)$ で定義されているとき、一般項 $a_n$ を求める。

## 問題 1 (1)

1. 問題の内容

数列 $\{a_n\}$ が漸化式 $a_1 = 1$, $a_2 = 3$, $a_{n+2} + a_{n+1} - 2a_n = 0$ $(n = 1, 2, ...)$ で定義されているとき、一般項 $a_n$ を求める。

2. 解き方の手順

与えられた漸化式は線形2項間漸化式である。

特性方程式を $x^2 + x - 2 = 0$ とおく。

これを解くと、$(x+2)(x-1) = 0$ より、$x = 1, -2$ となる。

したがって、$a_n = c_1(1)^n + c_2(-2)^n = c_1 + c_2(-2)^n$ と表せる。

初期条件 $a_1 = 1$ と $a_2 = 3$ を代入すると、

$c_1 - 2c_2 = 1$

$c_1 + 4c_2 = 3$

この連立方程式を解くと、

$6c_2 = 2$ より、$c_2 = \frac{1}{3}$

$c_1 = 1 + 2c_2 = 1 + \frac{2}{3} = \frac{5}{3}$

よって、$a_n = \frac{5}{3} + \frac{1}{3}(-2)^n$

3. 最終的な答え

$a_n = \frac{5}{3} + \frac{1}{3}(-2)^n$

## 問題 1 (2)

1. 問題の内容

数列 $\{a_n\}$ が漸化式 $a_1 = 1$, $a_2 = 3$, $a_{n+2} - 6a_{n+1} + 8a_n = 0$ $(n = 1, 2, ...)$ で定義されているとき、一般項 $a_n$ を求める。

2. 解き方の手順

与えられた漸化式は線形2項間漸化式である。

特性方程式を $x^2 - 6x + 8 = 0$ とおく。

これを解くと、$(x-2)(x-4) = 0$ より、$x = 2, 4$ となる。

したがって、$a_n = c_1(2)^n + c_2(4)^n$ と表せる。

初期条件 $a_1 = 1$ と $a_2 = 3$ を代入すると、

$2c_1 + 4c_2 = 1$

$4c_1 + 16c_2 = 3$

この連立方程式を解くと、

$4c_1 + 8c_2 = 2$ より、$8c_2 = 1$。よって、$c_2 = \frac{1}{8}$

$2c_1 = 1 - 4c_2 = 1 - \frac{4}{8} = \frac{1}{2}$ より、$c_1 = \frac{1}{4}$

よって、$a_n = \frac{1}{4}(2)^n + \frac{1}{8}(4)^n = \frac{2^n}{4} + \frac{4^n}{8} = 2^{n-2} + 2^{2n-3}$

3. 最終的な答え

$a_n = 2^{n-2} + 2^{2n-3}$

## 問題 2 (3)

1. 問題の内容

自然数 $n$ に対して、等式 $1 \cdot 3 + 2 \cdot 4 + 3 \cdot 5 + \cdots + n(n+2) = \frac{1}{6}n(n+1)(2n+7)$ が成り立つことを数学的帰納法を用いて証明する。

2. 解き方の手順

(i) $n=1$ のとき

左辺 $= 1 \cdot 3 = 3$

右辺 $= \frac{1}{6} \cdot 1 \cdot (1+1) \cdot (2 \cdot 1 + 7) = \frac{1}{6} \cdot 2 \cdot 9 = 3$

よって、$n=1$ のとき等式は成り立つ。

(ii) $n=k$ のとき等式が成り立つと仮定すると、

$1 \cdot 3 + 2 \cdot 4 + 3 \cdot 5 + \cdots + k(k+2) = \frac{1}{6}k(k+1)(2k+7)$

$n=k+1$ のとき、

$1 \cdot 3 + 2 \cdot 4 + 3 \cdot 5 + \cdots + k(k+2) + (k+1)(k+3)$

$= \frac{1}{6}k(k+1)(2k+7) + (k+1)(k+3)$

$= \frac{1}{6}(k+1)[k(2k+7) + 6(k+3)]$

$= \frac{1}{6}(k+1)(2k^2 + 7k + 6k + 18)$

$= \frac{1}{6}(k+1)(2k^2 + 13k + 18)$

$= \frac{1}{6}(k+1)(k+2)(2k+9)$

$= \frac{1}{6}(k+1)(k+2)[2(k+1)+7]$

これは $n=k+1$ のときの右辺である。

よって、$n=k+1$ のときも等式は成り立つ。

(i), (ii) より、すべての自然数 $n$ に対して与えられた等式は成り立つ。

3. 最終的な答え

証明完了

## 問題 2 (4)

1. 問題の内容

$n \geq 3$ のとき、不等式 $2^n > 2n+1$ が成り立つことを数学的帰納法を用いて証明する。

2. 解き方の手順

(i) $n=3$ のとき

左辺 $= 2^3 = 8$

右辺 $= 2 \cdot 3 + 1 = 7$

よって、$n=3$ のとき不等式は成り立つ。

(ii) $n=k$ ($k \geq 3$) のとき不等式が成り立つと仮定すると、$2^k > 2k+1$

$n=k+1$ のとき、

$2^{k+1} = 2 \cdot 2^k > 2(2k+1) = 4k+2$

$2(k+1)+1 = 2k+3$

$4k+2 > 2k+3$ を示す。

$2k > 1$

$k > \frac{1}{2}$

$k \geq 3$ より、$4k+2 > 2k+3$ は成り立つ。

したがって、$2^{k+1} > 4k+2 > 2k+3 = 2(k+1)+1$

よって、$n=k+1$ のときも不等式は成り立つ。

(i), (ii) より、$n \geq 3$ を満たすすべての自然数 $n$ に対して与えられた不等式は成り立つ。

3. 最終的な答え

証明完了

## 問題 3 (5)

1. 問題の内容

漸化式 $a_1 = \frac{1}{2}, a_{n+1} = \frac{1}{2} a_n + \frac{1}{2^n}$ $(n = 1, 2, ...)$ で定義された数列 $\{a_n\}$ について、$a_2, a_3, a_4$ を求め、一般項 $a_n$ を類推し、その類推が正しいことを数学的帰納法で示す。

2. 解き方の手順

$a_1 = \frac{1}{2}$

$a_2 = \frac{1}{2} a_1 + \frac{1}{2^1} = \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} + \frac{1}{2} = \frac{1}{4} + \frac{1}{2} = \frac{3}{4}$

$a_3 = \frac{1}{2} a_2 + \frac{1}{2^2} = \frac{1}{2} \cdot \frac{3}{4} + \frac{1}{4} = \frac{3}{8} + \frac{1}{4} = \frac{5}{8}$

$a_4 = \frac{1}{2} a_3 + \frac{1}{2^3} = \frac{1}{2} \cdot \frac{5}{8} + \frac{1}{8} = \frac{5}{16} + \frac{1}{8} = \frac{7}{16}$

$a_n = \frac{2^n-1}{2^n}$ と類推できる。

これを数学的帰納法で示す。

(i) $n=1$ のとき

$a_1 = \frac{2^1 - 1}{2^1} = \frac{1}{2}$

よって、$n=1$ のとき成り立つ。

(ii) $n=k$ のとき成り立つと仮定すると、$a_k = \frac{2^k-1}{2^k}$

$n=k+1$ のとき

$a_{k+1} = \frac{1}{2} a_k + \frac{1}{2^k}$

$= \frac{1}{2} \cdot \frac{2^k - 1}{2^k} + \frac{1}{2^k}$

$= \frac{2^k - 1}{2^{k+1}} + \frac{2}{2^{k+1}}$

$= \frac{2^k + 1}{2^{k+1}} = \frac{2^{k+1} - 1}{2^{k+1}}$

これは $n=k+1$ のときの類推した式である。

よって、$n=k+1$ のときも成り立つ。

(i), (ii) より、$a_n = \frac{2^n-1}{2^n}$ はすべての自然数 $n$ について成り立つ。

3. 最終的な答え

$a_2 = \frac{3}{4}, a_3 = \frac{5}{8}, a_4 = \frac{7}{16}$

$a_n = \frac{2^n-1}{2^n}$

## 問題 3 (6)

1. 問題の内容

$5^n - 4n$ ($n = 1, 2, ...$) は16で割ると1余ることを示す。

2. 解き方の手順

数学的帰納法で示す。

(i) $n=1$ のとき

$5^1 - 4 \cdot 1 = 5 - 4 = 1$

16で割ると1余る。よって、$n=1$ のとき成り立つ。

(ii) $n=k$ のとき成り立つと仮定すると、$5^k - 4k = 16m + 1$ (m は整数)

$n=k+1$ のとき

$5^{k+1} - 4(k+1) = 5 \cdot 5^k - 4k - 4 = 5(5^k - 4k + 4k) - 4k - 4$

$= 5(16m + 1 + 4k) - 4k - 4 = 80m + 5 + 20k - 4k - 4$

$= 80m + 16k + 1 = 16(5m + k) + 1$

$5m + k$ は整数であるから、$5^{k+1} - 4(k+1)$ は16で割ると1余る。

よって、$n=k+1$ のときも成り立つ。

(i), (ii) より、$5^n - 4n$ は16で割ると1余る。

3. 最終的な答え

証明完了