ある飲料メーカーが新商品を開発し、256人に試飲してもらい、どちらを好むか調査したところ、142人が新商品を好んだ。有意水準5%で、新商品を好む人が多いと判断してよいか検定し、適切な選択肢を選ぶ。

確率論・統計学仮説検定比率の検定有意水準p値正規分布
2025/4/6

1. 問題の内容

ある飲料メーカーが新商品を開発し、256人に試飲してもらい、どちらを好むか調査したところ、142人が新商品を好んだ。有意水準5%で、新商品を好む人が多いと判断してよいか検定し、適切な選択肢を選ぶ。

2. 解き方の手順

この問題は、比率の検定を用いて解きます。
(1) 帰無仮説と対立仮説を設定します。
* 帰無仮説 (H0): 新商品を好む人の割合は50%である。
* 対立仮説 (H1): 新商品を好む人の割合は50%より大きい。
(2) 標本比率を計算します。
標本比率 p^\hat{p} は、新商品を好む人の割合であり、p^=1422560.5547\hat{p} = \frac{142}{256} \approx 0.5547 です。
(3) 検定統計量を計算します。
検定統計量 zz は、以下の式で計算されます。
z=p^p0p0(1p0)nz = \frac{\hat{p} - p_0}{\sqrt{\frac{p_0(1-p_0)}{n}}}
ここで、p0p_0 は帰無仮説における母比率(0.5)、nn はサンプルサイズ(256)です。
z=0.55470.50.5(10.5)256=0.05470.25256=0.05470.516=0.05470.031251.75z = \frac{0.5547 - 0.5}{\sqrt{\frac{0.5(1-0.5)}{256}}} = \frac{0.0547}{\sqrt{\frac{0.25}{256}}} = \frac{0.0547}{\frac{0.5}{16}} = \frac{0.0547}{0.03125} \approx 1.75
(4) p値を計算します。
z=1.75z = 1.75に対応するp値を正規分布表から求めます。
正規分布表から、P(Z1.75)=0.4599+0.5=0.9599P(Z \le 1.75) = 0.4599 + 0.5 = 0.9599 です。
有意水準は5%なので、片側検定の閾値は10.05=0.951 - 0.05 = 0.95となります。
0.9599>0.950.9599 > 0.95より、有意水準5%で帰無仮説を棄却できます。
z=1.75z=1.75 から、10.9599=0.04011-0.9599 = 0.0401なので、p値は0.0401です。
p=0.0401<0.05p = 0.0401 < 0.05 より、有意水準5%で帰無仮説を棄却します。
(5) 結論を導き出します。
p値が有意水準よりも小さいので、帰無仮説を棄却し、対立仮説を支持します。つまり、新商品を好む人の割合は50%より大きいと判断できます。

3. 最終的な答え

① 新商品を好む人の方が多いと判断できる。

「確率論・統計学」の関連問題

$x$ と $y$ の相関係数が $-0.9$ の散布図として適切なものを、選択肢の 1 から 4 の中から選びます。

相関係数散布図相関
2025/4/11

7人の生徒の英語のテストの得点が、6, 7, 8, 4, 5, 2, 10である。7人の得点の平均点は6点であることが与えられている。このとき、英語の得点の分散を求める。

分散統計平均データの分析
2025/4/11

20本のくじの中に当たりくじが5本入っています。A, Bの2人がこの順に1本ずつくじを引きます。引いたくじは元に戻しません。 このとき、以下の確率を求めます。 * Aが当たる確率 * Aが外れ、Bが当...

確率条件付き確率くじ引き
2025/4/10

袋Aには赤玉3個、白玉5個が入っており、袋Bには赤玉4個、白玉4個が入っている。それぞれの袋から玉を1個ずつ取り出すとき、両方とも赤玉が出る確率を求める問題です。

確率事象独立事象組み合わせ
2025/4/10

20本のくじの中に当たりくじが5本ある。A, Bの2人がこの順に1本ずつくじを引く。引いたくじは元に戻さない。このとき、Aが当たる確率、Aが外れてBが当たる確率、そしてBが当たる確率をそれぞれ求める。

確率条件付き確率くじ引き
2025/4/10

1つのサイコロを5回続けて投げるとき、奇数の目がちょうど4回出る確率と、4回以上出る確率を求める問題です。

確率二項分布サイコロ
2025/4/10

袋Aには赤玉3個、白玉5個が、袋Bには赤玉4個、白玉4個が入っている。それぞれの袋から玉を1個ずつ取り出すとき、両方とも赤玉が出る確率を求める問題です。

確率独立事象確率の乗法定理
2025/4/10

(1) 1から4までの整数が書かれた4枚のカードから2枚を同時に引くとき、引いたカードに書かれた数の和が3の倍数になる確率を求める。 (2) 袋の中に1, 1, 2, 3, 3, 4の数字が書かれた6...

確率組み合わせ条件付き確率
2025/4/10

赤球5個と白球3個が入った袋から、3個の球を同時に取り出すとき、取り出した3個の球が全て同じ色である確率を求める。

確率組み合わせ場合の数
2025/4/10

2科目の小テストに関する5人の生徒の得点データが与えられています。それぞれの科目の得点を変量 $x$ , $y$ とするとき、変量 $x$ , $y$ の相関係数を求める問題です。

相関係数統計データ分析標準偏差共分散
2025/4/10