問題11:複素数$\alpha$について、次のことを証明せよ。 $|\alpha| = 1$のとき、$\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha}$は実数である。 問題12:$|z + i| = |z + 3i|$のとき、等式$z - \bar{z} = -4i$が成り立つことを示せ。

代数学複素数絶対値共役複素数証明
2025/3/12
はい、承知いたしました。画像の問題を解いていきます。

1. 問題の内容

問題11:複素数α\alphaについて、次のことを証明せよ。
α=1|\alpha| = 1のとき、αˉ+1α\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha}は実数である。
問題12:z+i=z+3i|z + i| = |z + 3i|のとき、等式zzˉ=4iz - \bar{z} = -4iが成り立つことを示せ。

2. 解き方の手順

問題11:
α=1|\alpha| = 1という条件から、ααˉ=α2=1\alpha \bar{\alpha} = |\alpha|^2 = 1が成り立ちます。したがって、αˉ=1α\bar{\alpha} = \frac{1}{\alpha}となります。
ここで、αˉ+1α=αˉ+αˉ=2αˉ\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha} = \bar{\alpha} + \bar{\alpha} = 2\bar{\alpha}となります。
複素数zzが実数であることと、z=zˉz = \bar{z}であることは同値です。
したがって、αˉ+1α\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha}が実数であることを示すには、αˉ+1α=αˉ+1α\overline{\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha}} = \bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha}を示せばよいです。
αˉ+1α=αˉ+1α=α+1αˉ=α+αααˉ=α+α1=α+α=2α\overline{\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha}} = \overline{\bar{\alpha}} + \overline{\frac{1}{\alpha}} = \alpha + \frac{1}{\bar{\alpha}} = \alpha + \frac{\alpha}{\alpha \bar{\alpha}} = \alpha + \frac{\alpha}{1} = \alpha + \alpha = 2\alpha
ここで2α=2αˉ2\alpha= 2\bar{\alpha}を示したい。つまりα=αˉ\alpha=\bar{\alpha}であることを示したいが、これは条件から導けないので、別のアプローチを考える。
αˉ=1α\bar{\alpha} = \frac{1}{\alpha}より、αˉ+1α=αˉ+αˉ=2αˉ\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha} = \bar{\alpha} + \bar{\alpha} = 2\bar{\alpha}
一方、
αˉ+1α=αˉ+1α=α+1α=α+α=2α\overline{\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha}} = \overline{\bar{\alpha}} + \overline{\frac{1}{\alpha}} = \alpha + \frac{1}{\overline{\alpha}} = \alpha + \alpha = 2\alpha
したがって、αˉ+1α\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha}が実数であるためには、2αˉ=2α2\bar{\alpha} = 2\alphaであればよい。つまり、αˉ=α\bar{\alpha} = \alpha。これはα\alphaが実数であるという条件になる。
別の考え方として、
α=a+bi\alpha = a + biとおくと、 α=1|\alpha| = 1より、a2+b2=1a^2 + b^2 = 1
αˉ+1α=abi+1a+bi=abi+abia2+b2=abi+abi=2a2bi\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha} = a - bi + \frac{1}{a + bi} = a - bi + \frac{a - bi}{a^2 + b^2} = a - bi + a - bi = 2a - 2bi
これが実数であるためには、2b=0-2b = 0、つまりb=0b = 0
すると、α=a\alpha = aとなり、α=a=1|\alpha| = |a| = 1より、a=±1a = \pm 1
したがって、α\alphaが実数ならばαˉ+1α\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha}は実数。
しかし、条件はα\alphaが実数であることではなく、α=1|\alpha| = 1であること。
αˉ+1α=αˉ+αˉ=2αˉ=2a2bi\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha} = \bar{\alpha} + \bar{\alpha} = 2 \bar{\alpha} = 2a - 2bi. これが実数であるためには b=0b=0である必要がある。
しかし、α=1|\alpha|=1という条件より、a2+b2=1a^2+b^2=1なので、b=0ならばa=±1a = \pm 1.
なのでα\alphaは実数である。
α+αˉ\alpha + \bar{\alpha}は常に実数であるため、α=1|\alpha|=1ならば、αˉ=1α\bar{\alpha} = \frac{1}{\alpha}なので、1α+α\frac{1}{\alpha} + \alphaも実数である。
問題12:
z+i=z+3i|z + i| = |z + 3i|より、z(i)=z(3i)|z - (-i)| = |z - (-3i)|なので、zzi-i3i-3iを結ぶ線分の垂直二等分線上にあります。
z=x+yiz = x + yiとおくと、(x)+(y+1)i=(x)+(y+3)i|(x) + (y+1)i| = |(x) + (y+3)i|
したがって、x2+(y+1)2=x2+(y+3)2x^2 + (y+1)^2 = x^2 + (y+3)^2
(y+1)2=(y+3)2(y+1)^2 = (y+3)^2
y2+2y+1=y2+6y+9y^2 + 2y + 1 = y^2 + 6y + 9
4y=84y = -8
y=2y = -2
したがって、z=x2iz = x - 2i (xは実数)。
zˉ=x+2i\bar{z} = x + 2i
zzˉ=(x2i)(x+2i)=4iz - \bar{z} = (x - 2i) - (x + 2i) = -4i

3. 最終的な答え

問題11: α=1|\alpha| = 1のとき、αˉ+1α\bar{\alpha} + \frac{1}{\alpha}は実数である(証明終わり)。
問題12: z+i=z+3i|z + i| = |z + 3i|のとき、zzˉ=4iz - \bar{z} = -4iが成り立つ(証明終わり)。

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