$0 < x < 2\pi$ のとき、以下の不等式が成り立つことを示す問題です。 (1) $\sin x < x$ (2) $x - \frac{1}{6}x^3 < \sin x$

1. 問題の内容

$0 < x < 2\pi$ のとき、以下の不等式が成り立つことを示す問題です。

(1) $\sin x < x$

(2) $x - \frac{1}{6}x^3 < \sin x$

2. 解き方の手順

(1) $\sin x < x$ の証明

関数 $f(x) = x - \sin x$ を考えます。

$f'(x) = 1 - \cos x$

$0 < x < 2\pi$ において、$-1 \le \cos x \le 1$ であるため、$0 \le 1 - \cos x \le 2$ となります。

したがって、$f'(x) \ge 0$ となり、$f(x)$ は単調増加関数です。

$f(0) = 0 - \sin 0 = 0$ であるため、$0 < x < 2\pi$ において $f(x) > 0$ となります。

つまり、$x - \sin x > 0$ なので、$\sin x < x$ が成り立ちます。

(2) $x - \frac{1}{6}x^3 < \sin x$ の証明

関数 $g(x) = \sin x - x + \frac{1}{6}x^3$ を考えます。

$g'(x) = \cos x - 1 + \frac{1}{2}x^2$

$g''(x) = -\sin x + x$

(1)より、$0 < x < 2\pi$ において $\sin x < x$ であるため、$g''(x) > 0$ です。

したがって、$g'(x)$ は単調増加関数です。

また、$g'(0) = \cos 0 - 1 + \frac{1}{2}(0)^2 = 1 - 1 + 0 = 0$ です。

$0 < x < 2\pi$ において、$g'(x) > 0$ となり、$g(x)$ は単調増加関数です。

$g(0) = \sin 0 - 0 + \frac{1}{6}(0)^3 = 0$ であるため、$0 < x < 2\pi$ において $g(x) > 0$ となります。

つまり、$\sin x - x + \frac{1}{6}x^3 > 0$ なので、$x - \frac{1}{6}x^3 < \sin x$ が成り立ちます。

3. 最終的な答え

(1) $0 < x < 2\pi$ のとき、$\sin x < x$ が成り立つ。

(2) $0 < x < 2\pi$ のとき、$x - \frac{1}{6}x^3 < \sin x$ が成り立つ。