関数 $f(t)$ が積分 $f(t) = \int_0^2 |x-t| dx$ で定義されているとき、区間 $0 \le t \le 2$ における $f(t)$ の最大値を求める問題です。

解析学積分絶対値最大値2次関数
2025/4/7

1. 問題の内容

関数 f(t)f(t) が積分 f(t)=02xtdxf(t) = \int_0^2 |x-t| dx で定義されているとき、区間 0t20 \le t \le 2 における f(t)f(t) の最大値を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、xt|x-t| の絶対値を外します。0x20 \le x \le 2 の範囲で、xxtt の大小関係によって場合分けが必要です。
x<tx < t のとき xt=(xt)=tx|x-t| = -(x-t) = t-x
xtx \ge t のとき xt=xt|x-t| = x-t
積分範囲を 00 から 22 までなので、積分を分割することを考えます。
0t20 \le t \le 2 のとき、積分範囲を 00 から tt までと、tt から 22 までに分割します。
したがって、
f(t)=0t(tx)dx+t2(xt)dxf(t) = \int_0^t (t-x) dx + \int_t^2 (x-t) dx
それぞれの積分を計算します。
0t(tx)dx=[txx22]0t=t2t22=t22\int_0^t (t-x) dx = \left[tx - \frac{x^2}{2}\right]_0^t = t^2 - \frac{t^2}{2} = \frac{t^2}{2}
t2(xt)dx=[x22tx]t2=(422t)(t22t2)=22t+t22\int_t^2 (x-t) dx = \left[\frac{x^2}{2} - tx\right]_t^2 = \left(\frac{4}{2} - 2t\right) - \left(\frac{t^2}{2} - t^2\right) = 2 - 2t + \frac{t^2}{2}
したがって、
f(t)=t22+22t+t22=t22t+2f(t) = \frac{t^2}{2} + 2 - 2t + \frac{t^2}{2} = t^2 - 2t + 2
次に、f(t)f(t) の最大値を求めます。f(t)f(t)tt の2次関数なので、平方完成して頂点を求めます。
f(t)=(t1)2+1f(t) = (t-1)^2 + 1
f(t)f(t) は下に凸な放物線であり、t=1t=1 で最小値 11 をとります。区間 0t20 \le t \le 2 における最大値は、t=0t=0 または t=2t=2 のいずれかでとります。
f(0)=022(0)+2=2f(0) = 0^2 - 2(0) + 2 = 2
f(2)=222(2)+2=44+2=2f(2) = 2^2 - 2(2) + 2 = 4 - 4 + 2 = 2
区間 0t20 \le t \le 2 における f(t)f(t) のグラフを考えると、頂点が t=1t=1 にあり、区間の端点 t=0t=0t=2t=2 で同じ値 22 をとることがわかります。したがって、区間内の最大値は22ではなく、最大値を取るのは区間の端点ではなく、f(t)=(t1)2+1f(t)=(t-1)^2+1 を微分して導関数を求めます。f(t)=2t2f'(t) = 2t - 2
f(t)=0f'(t)=0 となるのは t=1t=1 のときです。
また、t=0t=0 の時、f(0)=2f(0) = 2
t=2t=2 の時、f(2)=2f(2) = 2
グラフは下に凸であり、最小値はt=1t=1の時に11になります。最大値になるのはt=0t=0t=2t=2の時で、22になります。

3. 最終的な答え

2

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