関数 $f(x)$ が以下のように定義されています。 $f(x) = \begin{cases} x^2 \sin(\frac{1}{x}) & (x \neq 0) \\ 0 & (x = 0) \end{cases}$ (1) $f(x)$ が微分可能であることを示してください。 (2) $f(x)$ の導関数 $f'(x)$ が $x=0$ で連続でないことを示してください。

1. 問題の内容

関数 $f(x)$ が以下のように定義されています。

$f(x) = \begin{cases}

x^2 \sin(\frac{1}{x}) & (x \neq 0) \\

0 & (x = 0)

\end{cases}$

(1) $f(x)$ が微分可能であることを示してください。

(2) $f(x)$ の導関数 $f'(x)$ が $x=0$ で連続でないことを示してください。

2. 解き方の手順

(1) $f(x)$ が微分可能であることを示す

$x \neq 0$ のとき、積の微分法と合成関数の微分法を用いて、

$f'(x) = 2x \sin(\frac{1}{x}) + x^2 \cos(\frac{1}{x}) \cdot (-\frac{1}{x^2}) = 2x \sin(\frac{1}{x}) - \cos(\frac{1}{x})$

となります。

$x=0$ での微分可能性を調べるために、微分係数の定義に従って考えます。

$f'(0) = \lim_{h \to 0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to 0} \frac{h^2 \sin(\frac{1}{h}) - 0}{h} = \lim_{h \to 0} h \sin(\frac{1}{h})$

$-1 \leq \sin(\frac{1}{h}) \leq 1$ より、 $-|h| \leq h \sin(\frac{1}{h}) \leq |h|$

$\lim_{h \to 0} -|h| = 0$ かつ $\lim_{h \to 0} |h| = 0$ なので、挟みうちの原理より $\lim_{h \to 0} h \sin(\frac{1}{h}) = 0$

したがって、$f'(0) = 0$ となり、$f(x)$ は $x=0$ で微分可能です。

以上より、$f(x)$ はすべての $x$ で微分可能です。

(2) $f'(x)$ が $x=0$ で連続でないことを示す

(1)より、$f'(x)$ は以下のように表せます。

$f'(x) = \begin{cases}

2x \sin(\frac{1}{x}) - \cos(\frac{1}{x}) & (x \neq 0) \\

0 & (x = 0)

\end{cases}$

$f'(x)$ が $x=0$ で連続であるためには、$\lim_{x \to 0} f'(x) = f'(0)$ である必要があります。

$f'(0) = 0$ なので、$\lim_{x \to 0} f'(x) = 0$ を示す必要があります。

$\lim_{x \to 0} f'(x) = \lim_{x \to 0} (2x \sin(\frac{1}{x}) - \cos(\frac{1}{x}))$

$\lim_{x \to 0} 2x \sin(\frac{1}{x}) = 0$ は(1)と同様に示せますが、$\lim_{x \to 0} \cos(\frac{1}{x})$ は振動して極限値を持ちません。

したがって、$\lim_{x \to 0} f'(x)$ は存在しません。

よって、$f'(x)$ は $x=0$ で連続ではありません。

3. 最終的な答え

(1) $f(x)$ は微分可能である。

(2) $f'(x)$ は $x=0$ で連続でない。