関数 $y = |x|$ の $x=0$ における微分可能性を調べる問題で、右側極限を計算する際に絶対値記号がつく理由について質問しています。右側極限は$\lim_{h \to +0} \frac{|0+h|-|0|}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{|h|}{h}$ で与えられています。

解析学微分可能性絶対値関数極限右側極限左側極限
2025/4/7

1. 問題の内容

関数 y=xy = |x|x=0x=0 における微分可能性を調べる問題で、右側極限を計算する際に絶対値記号がつく理由について質問しています。右側極限はlimh+00+h0h=limh+0hh\lim_{h \to +0} \frac{|0+h|-|0|}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{|h|}{h} で与えられています。

2. 解き方の手順

まず、x=0x=0 における微分可能性を調べるために、右側極限と左側極限を計算します。
* **右側極限の計算**:
h+0h \to +0 のとき、h>0h > 0 なので、h=h|h| = h となります。したがって、
limh+0hh=limh+0hh=limh+01=1\lim_{h \to +0} \frac{|h|}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{h}{h} = \lim_{h \to +0} 1 = 1
* **左側極限の計算**:
h0h \to -0 のとき、h<0h < 0 なので、h=h|h| = -h となります。したがって、
limh0hh=limh0hh=limh01=1\lim_{h \to -0} \frac{|h|}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{-h}{h} = \lim_{h \to -0} -1 = -1
右側極限と左側極限が一致しないため、x=0x=0 で微分可能ではありません。
右側極限を計算する際に絶対値記号がつく理由は、関数が絶対値関数 y=xy = |x| であるためです。x|x| は、x0x \ge 0 のとき xxx<0x < 0 のとき x-x となる関数です。x=0x=0 における右側極限を計算する場合、hh は正の方向に0に近づくため、0+h0+h は正の値をとります。したがって、0+h=h=h|0+h| = |h| = h となります。同様に、x=0x=0 における左側極限を計算する場合、hh は負の方向に0に近づくため、0+h0+h は負の値をとります。したがって、0+h=h=h|0+h| = |h| = -h となります。

3. 最終的な答え

関数 y=xy = |x|x=0x=0 における右側極限は1です。
絶対値記号がつく理由は、絶対値関数の定義によるものです。hh が正のとき h=h|h| = h となるからです。

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