ある点において関数が微分可能かどうかを調べるとき、左右両側からの微分係数が一致することを調べることと、左右両側からの極限を調べることは同じ意味なのか、という質問です。
2025/4/8
1. 問題の内容
ある点において関数が微分可能かどうかを調べるとき、左右両側からの微分係数が一致することを調べることと、左右両側からの極限を調べることは同じ意味なのか、という質問です。
2. 解き方の手順
微分可能性の定義と極限の定義を理解する必要があります。
* 微分可能性:関数 が点 で微分可能であるとは、極限
\lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(a)}{h}
が存在することです。この極限が存在するためには、右側極限と左側極限が一致する必要があります。すなわち、
\lim_{h \to +0} \frac{f(a+h) - f(a)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{f(a+h) - f(a)}{h}
が成り立つ必要があります。これらの極限はそれぞれ右側微分係数、左側微分係数と呼ばれます。
* 極限:関数 の が に近づくときの極限が存在するためには、右側極限と左側極限が一致する必要があります。すなわち、
\lim_{x \to a+0} f(x) = \lim_{x \to a-0} f(x)
が成り立つ必要があります。
微分可能性を調べる際には、左右の微分係数の極限を調べる必要があります。
関数が微分可能であるためには、まずその点で連続である必要があります。関数が連続であるためには、その点で極限が存在する必要があります。つまり、左右からの極限が一致している必要があります。
ただし、左右からの極限が一致していても、その点で微分可能であるとは限りません。微分可能性は、左右の微分係数が一致している必要があり、連続性よりも強い条件です。
3. 最終的な答え
いいえ、左右両側からの極限を調べることと、左右両側からの微分係数を調べることは同じではありません。微分可能性を調べるには、左右の微分係数が一致していることを確認する必要があります。極限の一致は連続性の条件であり、微分可能性の必要条件ではありますが、十分条件ではありません。