$e^x > 1 + \frac{x}{1!} + \frac{x^2}{2!} + \cdots + \frac{x^n}{n!}$ ($x > 0$) が0以上の整数nについて成り立つことを、数学的帰納法で示す問題の一部が示されています。 特に、画像には数学的帰納法のステップで、n=kの場合に不等式が成り立つと仮定し、n=k+1の場合を示す部分が含まれています。質問は「なぜ $x \geq 0$ となり等号がつくのですか」とあります。

解析学数学的帰納法不等式指数関数微分導関数増加関数
2025/4/9

1. 問題の内容

ex>1+x1!+x22!++xnn!e^x > 1 + \frac{x}{1!} + \frac{x^2}{2!} + \cdots + \frac{x^n}{n!} (x>0x > 0) が0以上の整数nについて成り立つことを、数学的帰納法で示す問題の一部が示されています。
特に、画像には数学的帰納法のステップで、n=kの場合に不等式が成り立つと仮定し、n=k+1の場合を示す部分が含まれています。質問は「なぜ x0x \geq 0 となり等号がつくのですか」とあります。

2. 解き方の手順

画像に示された内容から、関数 fk(x)=ex(1+x1!+x22!++xkk!)f_k(x) = e^x - (1 + \frac{x}{1!} + \frac{x^2}{2!} + \cdots + \frac{x^k}{k!}) を定義しています。
帰納法の仮定から、fk(x)>0f_k(x) > 0 (x>0x > 0) が成り立ちます。
次に、fk+1(x)=ex(1+x1!+x22!++xkk!+xk+1(k+1)!)f_{k+1}(x) = e^x - (1 + \frac{x}{1!} + \frac{x^2}{2!} + \cdots + \frac{x^k}{k!} + \frac{x^{k+1}}{(k+1)!}) を定義します。
fk+1(x)f_{k+1}(x) の導関数は fk+1(x)=ex(1+x1!+x22!++xkk!)=fk(x)f'_{k+1}(x) = e^x - (1 + \frac{x}{1!} + \frac{x^2}{2!} + \cdots + \frac{x^k}{k!}) = f_k(x) となります。
したがって、fk+1(x)=fk(x)>0f'_{k+1}(x) = f_k(x) > 0 (x>0x > 0) です。
これにより、x>0x > 0 において fk+1(x)f_{k+1}(x) は増加関数であることがわかります。
fk+1(0)f_{k+1}(0) を計算すると、fk+1(0)=e0(1+0+0++0)=11=0f_{k+1}(0) = e^0 - (1 + 0 + 0 + \cdots + 0) = 1 - 1 = 0 となります。
fk+1(x)f_{k+1}(x)x>0x > 0 において増加関数であり、fk+1(0)=0f_{k+1}(0) = 0 であることから、x0x \geq 0 において fk+1(x)0f_{k+1}(x) \geq 0 であることが言えます。
画像内でx0x \geq 0 となっている理由は、初期値fk+1(0)=0f_{k+1}(0) = 0を考慮しているためです。

3. 最終的な答え

fk+1(x)=fk(x)>0f'_{k+1}(x) = f_k(x) > 0 (x>0x > 0) であり、fk+1(0)=0f_{k+1}(0) = 0 なので、x0x \geq 0 の範囲で fk+1(x)f_{k+1}(x) が増加し、fk+1(x)0f_{k+1}(x) \geq 0 となるため、x0x \geq 0 となり、等号がつきます。

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