関数 $g(x) = |x|(e^x - 1)$ について、以下の2つの問いに答えます。 (1) $g(x)$ が $C^1$ 級関数であることを示します。 (2) $g(x)$ が $C^2$ 級関数でないことを示します。

1. 問題の内容

関数 $g(x) = |x|(e^x - 1)$ について、以下の2つの問いに答えます。

(1) $g(x)$ が $C^1$ 級関数であることを示します。

(2) $g(x)$ が $C^2$ 級関数でないことを示します。

2. 解き方の手順

(1) $g(x)$ が $C^1$ 級関数であることの証明：

$g(x)$ を絶対値記号を外して表します。

$x \geq 0$ のとき、$g(x) = x(e^x - 1)$

$x < 0$ のとき、$g(x) = -x(e^x - 1)$

$g(x)$ は $x = 0$ 以外で微分可能であることは明らかです。

$x = 0$ での微分可能性を調べます。

$g'(x)$ を計算します。

$x > 0$ のとき、$g'(x) = (e^x - 1) + x e^x = e^x(x + 1) - 1$

$x < 0$ のとき、$g'(x) = -(e^x - 1) - x e^x = -e^x(x + 1) + 1$

$x = 0$ における右側極限と左側極限を計算します。

$\lim_{x \to +0} g'(x) = \lim_{x \to +0} (e^x(x + 1) - 1) = e^0(0 + 1) - 1 = 1 - 1 = 0$

$\lim_{x \to -0} g'(x) = \lim_{x \to -0} (-e^x(x + 1) + 1) = -e^0(0 + 1) + 1 = -1 + 1 = 0$

右側極限と左側極限が一致するので、$x = 0$ で微分可能です。

$g'(0) = 0$ となります。

$g'(x)$ をまとめると、

$g'(x) = \begin{cases} e^x(x+1) - 1 & (x \geq 0) \\ -e^x(x+1) + 1 & (x < 0) \end{cases}$

$g'(x)$ の連続性を調べます。

$g'(x)$ は $x = 0$ 以外で連続であることは明らかです。

$\lim_{x \to 0} g'(x) = 0 = g'(0)$ より、$g'(x)$ は $x = 0$ でも連続です。

したがって、$g(x)$ は微分可能であり、$g'(x)$ は連続であるため、$g(x)$ は $C^1$ 級関数です。

(2) $g(x)$ が $C^2$ 級関数でないことの証明：

$g'(x)$ を微分して $g''(x)$ を計算します。

$x > 0$ のとき、$g''(x) = e^x(x + 1) + e^x = e^x(x + 2)$

$x < 0$ のとき、$g''(x) = -e^x(x + 1) - e^x = -e^x(x + 2)$

$x = 0$ における右側極限と左側極限を計算します。

$\lim_{x \to +0} g''(x) = \lim_{x \to +0} e^x(x + 2) = e^0(0 + 2) = 2$

$\lim_{x \to -0} g''(x) = \lim_{x \to -0} -e^x(x + 2) = -e^0(0 + 2) = -2$

右側極限と左側極限が一致しないので、$x = 0$ で $g''(x)$ は存在しません。

したがって、$g(x)$ は $C^2$ 級関数ではありません。

3. 最終的な答え

(1) $g(x)$ は $C^1$ 級関数である。

(2) $g(x)$ は $C^2$ 級関数ではない。