関数 $g(x) = |x|(e^x - 1)$ について、$x=0$ における微分可能性を調べる問題です。2つの方法が提示されており、それぞれの方法で$x=0$における微分可能性が示されています。最後に、提示された2つの方法に意味の違いがあるかどうか問われています。

解析学微分可能性絶対値関数極限導関数
2025/4/9

1. 問題の内容

関数 g(x)=x(ex1)g(x) = |x|(e^x - 1) について、x=0x=0 における微分可能性を調べる問題です。2つの方法が提示されており、それぞれの方法でx=0x=0における微分可能性が示されています。最後に、提示された2つの方法に意味の違いがあるかどうか問われています。

2. 解き方の手順

(i) g(x)g'(x)を計算する方法
まず、x>0x>0 のとき、g(x)=x(ex1)g(x) = x(e^x - 1) なので、
g(x)=ex1+xex=ex(x+1)1g'(x) = e^x - 1 + x e^x = e^x(x+1) - 1
x<0x<0 のとき、g(x)=x(ex1)g(x) = -x(e^x - 1) なので、
g(x)=(ex1)xex=ex(x+1)+1g'(x) = -(e^x - 1) - x e^x = -e^x(x+1) + 1
それぞれの片側極限を計算します。
limx+0g(x)=limx+0(ex(x+1)1)=e0(0+1)1=11=0\lim_{x\to +0} g'(x) = \lim_{x\to +0} (e^x(x+1) - 1) = e^0(0+1) - 1 = 1 - 1 = 0
limx0g(x)=limx0(ex(x+1)+1)=e0(0+1)+1=1+1=0\lim_{x\to -0} g'(x) = \lim_{x\to -0} (-e^x(x+1) + 1) = -e^0(0+1) + 1 = -1 + 1 = 0
右側極限と左側極限が一致するので、x=0x=0 で微分可能です。
(ii) 微分係数の定義を使う方法
g(0)=0g(0) = 0 であることに注意します。
g(0)=limh0g(h)g(0)h=limh0h(eh1)hg'(0) = \lim_{h\to 0} \frac{g(h) - g(0)}{h} = \lim_{h\to 0} \frac{|h|(e^h - 1)}{h}
ここで、h+0h \to +0 のとき、h=h|h| = h なので、
limh+0h(eh1)h=limh+0(eh1)=e01=11=0\lim_{h\to +0} \frac{h(e^h - 1)}{h} = \lim_{h\to +0} (e^h - 1) = e^0 - 1 = 1 - 1 = 0
h0h \to -0 のとき、h=h|h| = -h なので、
limh0h(eh1)h=limh0(eh1)=(e01)=(11)=0\lim_{h\to -0} \frac{-h(e^h - 1)}{h} = \lim_{h\to -0} -(e^h - 1) = -(e^0 - 1) = -(1 - 1) = 0
右側極限と左側極限が一致するので、x=0x=0 で微分可能です。
2つの方法の違いについて:
方法(i)は、まず x0x\neq 0 での導関数を計算し、その極限を求める方法です。これは、導関数が存在することを仮定して進める方法です。
方法(ii)は、微分係数の定義に直接当てはめて極限を求める方法です。こちらは、そもそも微分可能かどうかを定義に基づいて直接確認する方法です。

3. 最終的な答え

2つの方法はどちらも x=0x=0 における微分可能性を示していますが、方法(i)は導関数が存在することを仮定して極限を計算するのに対し、方法(ii)は定義に基づいて直接微分可能性を確認するという意味で、本質的に異なります。
答え: 2つの方法には意味の違いがあります。

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