数列 $\{a_n\}$ の初項から第 $n$ 項までの和を $S_n$ とします。すべての正の整数 $n$ において、$S_n = -n^3 + 10n^2 - 20n$ が成り立つとき、以下の問いに答えます。 (1) $a_1$ と $a_2$ を求めます。 (2) $a_n$ を求めます。 (3) $S_n$ の最大値を求めます。

代数学数列最大値
2025/4/10

1. 問題の内容

数列 {an}\{a_n\} の初項から第 nn 項までの和を SnS_n とします。すべての正の整数 nn において、Sn=n3+10n220nS_n = -n^3 + 10n^2 - 20n が成り立つとき、以下の問いに答えます。
(1) a1a_1a2a_2 を求めます。
(2) ana_n を求めます。
(3) SnS_n の最大値を求めます。

2. 解き方の手順

(1) a1a_1a2a_2 を求める。
a1a_1 は初項なので、S1=a1S_1 = a_1 となります。
S1=13+10(12)20(1)=1+1020=11S_1 = -1^3 + 10(1^2) - 20(1) = -1 + 10 - 20 = -11
よって、a1=11a_1 = -11 です。
a2a_2 は第2項なので、S2=a1+a2S_2 = a_1 + a_2 となります。したがって、a2=S2a1a_2 = S_2 - a_1 です。
S2=23+10(22)20(2)=8+4040=8S_2 = -2^3 + 10(2^2) - 20(2) = -8 + 40 - 40 = -8
a2=S2a1=8(11)=8+11=3a_2 = S_2 - a_1 = -8 - (-11) = -8 + 11 = 3
よって、a2=3a_2 = 3 です。
(2) ana_n を求める。
n2n \geq 2 のとき、an=SnSn1a_n = S_n - S_{n-1} です。
Sn=n3+10n220nS_n = -n^3 + 10n^2 - 20n
Sn1=(n1)3+10(n1)220(n1)S_{n-1} = -(n-1)^3 + 10(n-1)^2 - 20(n-1)
Sn1=(n33n2+3n1)+10(n22n+1)20(n1)S_{n-1} = -(n^3 - 3n^2 + 3n - 1) + 10(n^2 - 2n + 1) - 20(n-1)
Sn1=n3+3n23n+1+10n220n+1020n+20S_{n-1} = -n^3 + 3n^2 - 3n + 1 + 10n^2 - 20n + 10 - 20n + 20
Sn1=n3+13n243n+31S_{n-1} = -n^3 + 13n^2 - 43n + 31
an=SnSn1=(n3+10n220n)(n3+13n243n+31)a_n = S_n - S_{n-1} = (-n^3 + 10n^2 - 20n) - (-n^3 + 13n^2 - 43n + 31)
an=n3+10n220n+n313n2+43n31a_n = -n^3 + 10n^2 - 20n + n^3 - 13n^2 + 43n - 31
an=3n2+23n31a_n = -3n^2 + 23n - 31
n=1n = 1 のとき、a1=3(12)+23(1)31=3+2331=11a_1 = -3(1^2) + 23(1) - 31 = -3 + 23 - 31 = -11 となり、(1)の結果と一致します。
したがって、an=3n2+23n31a_n = -3n^2 + 23n - 31 はすべての nn に対して成り立ちます。
(3) SnS_n の最大値を求める。
Sn=n3+10n220nS_n = -n^3 + 10n^2 - 20n
Sn+1Sn=an+1=3(n+1)2+23(n+1)31S_{n+1} - S_n = a_{n+1} = -3(n+1)^2 + 23(n+1) - 31
an+1=3(n2+2n+1)+23n+2331=3n26n3+23n+2331a_{n+1} = -3(n^2 + 2n + 1) + 23n + 23 - 31 = -3n^2 - 6n - 3 + 23n + 23 - 31
an+1=3n2+17n11a_{n+1} = -3n^2 + 17n - 11
SnS_n が最大となるのは、Sn+1Sn=an+1>0S_{n+1} - S_n = a_{n+1} > 0 かつ Sn+2Sn+1=an+2<0S_{n+2} - S_{n+1} = a_{n+2} < 0 となるときです。
an+1=3n2+17n11>0a_{n+1} = -3n^2 + 17n - 11 > 0
3n217n+11<03n^2 - 17n + 11 < 0
n=17±1724(3)(11)2(3)=17±2891326=17±1576n = \frac{17 \pm \sqrt{17^2 - 4(3)(11)}}{2(3)} = \frac{17 \pm \sqrt{289 - 132}}{6} = \frac{17 \pm \sqrt{157}}{6}
1715761712.5364.4760.745\frac{17 - \sqrt{157}}{6} \approx \frac{17 - 12.53}{6} \approx \frac{4.47}{6} \approx 0.745
17+157617+12.53629.5364.92\frac{17 + \sqrt{157}}{6} \approx \frac{17 + 12.53}{6} \approx \frac{29.53}{6} \approx 4.92
したがって、0.745<n<4.920.745 < n < 4.92 なので、n=1,2,3,4n = 1, 2, 3, 4 のとき an+1>0a_{n+1} > 0 です。
n=5n = 5 のとき、a6=3(5)2+17(5)11=75+8511=1<0a_6 = -3(5)^2 + 17(5) - 11 = -75 + 85 - 11 = -1 < 0
したがって、n=5n = 5 のとき、SnS_n は最大となります。
S5=53+10(52)20(5)=125+250100=25S_5 = -5^3 + 10(5^2) - 20(5) = -125 + 250 - 100 = 25

3. 最終的な答え

(1) a1=11,a2=3a_1 = -11, a_2 = 3
(2) an=3n2+23n31a_n = -3n^2 + 23n - 31
(3) SnS_n の最大値は 2525

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