不等式 $\frac{x^2 - 1}{x} \leq 1$ を満たす実数 $x$ の範囲を求める問題です。

1. 問題の内容

不等式 $\frac{x^2 - 1}{x} \leq 1$ を満たす実数 $x$ の範囲を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、与えられた不等式を変形します。

$\frac{x^2 - 1}{x} \leq 1$

次に、両辺に $x$ を掛けますが、$x$ の符号によって不等号の向きが変わるので、$x > 0$ の場合と $x < 0$ の場合に分けて考えます。ただし、$x = 0$ は分母が0になるので除外します。

* $x > 0$ の場合

両辺に $x$ を掛けると、不等号の向きは変わらず、

$x^2 - 1 \leq x$

$x^2 - x - 1 \leq 0$

この2次不等式を解くために、2次方程式 $x^2 - x - 1 = 0$ の解を求めます。解の公式より、

$x = \frac{-(-1) \pm \sqrt{(-1)^2 - 4(1)(-1)}}{2(1)} = \frac{1 \pm \sqrt{1 + 4}}{2} = \frac{1 \pm \sqrt{5}}{2}$

したがって、$x_1 = \frac{1 - \sqrt{5}}{2}$ と $x_2 = \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$ が得られます。

2次不等式 $x^2 - x - 1 \leq 0$ の解は、$\frac{1 - \sqrt{5}}{2} \leq x \leq \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$ となります。

ただし、$x > 0$ の場合を考えているので、$\frac{1 - \sqrt{5}}{2} < 0$ であるから、$0 < x \leq \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$ となります。

* $x < 0$ の場合

両辺に $x$ を掛けると、不等号の向きが変わり、

$x^2 - 1 \geq x$

$x^2 - x - 1 \geq 0$

この2次不等式を解くために、2次方程式 $x^2 - x - 1 = 0$ の解を求めます。これは先ほど求めた通り、$x_1 = \frac{1 - \sqrt{5}}{2}$ と $x_2 = \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$ です。

2次不等式 $x^2 - x - 1 \geq 0$ の解は、$x \leq \frac{1 - \sqrt{5}}{2}$ または $x \geq \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$ となります。

ただし、$x < 0$ の場合を考えているので、$x \leq \frac{1 - \sqrt{5}}{2}$ となります。$\frac{1 + \sqrt{5}}{2} > 0$ より、$x \geq \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$ は条件を満たしません。

3. 最終的な答え

したがって、不等式 $\frac{x^2 - 1}{x} \leq 1$ を満たす $x$ の範囲は、

$x \leq \frac{1 - \sqrt{5}}{2}$ または $0 < x \leq \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$

となります。