与えられた実数 $a$ に対して、方程式 $2\cos^2\theta - \sin\theta = a$ (1) が $0 \le \theta < 2\pi$ の範囲で異なる4つの解を持つような $a$ の値の範囲を求めよ。また、(1) が $0 \le \theta < 2\pi$ の範囲で異なる3つの解を持つような $a$ の値を求めよ。

代数学三角関数方程式解の個数二次方程式
2025/4/11

1. 問題の内容

与えられた実数 aa に対して、方程式 2cos2θsinθ=a2\cos^2\theta - \sin\theta = a (1) が 0θ<2π0 \le \theta < 2\pi の範囲で異なる4つの解を持つような aa の値の範囲を求めよ。また、(1) が 0θ<2π0 \le \theta < 2\pi の範囲で異なる3つの解を持つような aa の値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、与えられた式を sinθ\sin\theta で表すことを試みる。cos2θ=1sin2θ\cos^2\theta = 1 - \sin^2\theta であるから、式(1)は
2(1sin2θ)sinθ=a2(1-\sin^2\theta) - \sin\theta = a
22sin2θsinθ=a2 - 2\sin^2\theta - \sin\theta = a
2sin2θ+sinθ2+a=02\sin^2\theta + \sin\theta - 2 + a = 0
ここで、x=sinθx = \sin\theta とおくと、1x1-1 \le x \le 1 である。このとき、方程式は
2x2+x2+a=02x^2 + x - 2 + a = 0
となる。これを f(x)=2x2+x2+af(x) = 2x^2 + x - 2 + a とおく。
(1) 0θ<2π0 \le \theta < 2\pi で異なる4つの解を持つとき:
1<x<1-1 < x < 1 の範囲で、f(x)=0f(x) = 0 が異なる2つの解を持つ必要がある。なぜなら、sinθ=x\sin\theta = x1<x<1-1 < x < 1 に対して2つの θ\theta の解を持ち、 x=±1x = \pm 1 に対して一つの θ\theta の解を持つからである。したがって、f(x)=0f(x) = 0 の2つの解を α,β\alpha, \beta とすると、1<α<β<1-1 < \alpha < \beta < 1 でなければならない。
f(x)=2x2+x2+a=0f(x) = 2x^2 + x - 2 + a = 0
x=1±14(2)(2+a)4=1±18(2+a)4=1±178a4x = \frac{-1 \pm \sqrt{1 - 4(2)(-2+a)}}{4} = \frac{-1 \pm \sqrt{1 - 8(-2+a)}}{4} = \frac{-1 \pm \sqrt{17 - 8a}}{4}
判別式を DD とすると、D=178a>0D = 17 - 8a > 0 でなければならない。よって、a<178a < \frac{17}{8}
また、軸は x=14x = -\frac{1}{4} であり、 1<14<1-1 < -\frac{1}{4} < 1 は満たされる。
f(1)>0f(-1) > 0 かつ f(1)>0f(1) > 0 でなければならない。
f(1)=2(1)2+(1)2+a=212+a=a1>0f(-1) = 2(-1)^2 + (-1) - 2 + a = 2 - 1 - 2 + a = a - 1 > 0 より a>1a > 1
f(1)=2(1)2+12+a=2+12+a=a+1>0f(1) = 2(1)^2 + 1 - 2 + a = 2 + 1 - 2 + a = a + 1 > 0 より a>1a > -1
したがって、1<a<1781 < a < \frac{17}{8}
(2) 0θ<2π0 \le \theta < 2\pi で異なる3つの解を持つとき:
f(x)=0f(x) = 0 の解の少なくとも一つが x=±1x = \pm 1 でなければならない。
(i) x=1x = 1 が解のとき: f(1)=2(1)2+12+a=1+a=0f(1) = 2(1)^2 + 1 - 2 + a = 1 + a = 0 より a=1a = -1
このとき、2x2+x3=0(2x+3)(x1)=02x^2 + x - 3 = 0 \Rightarrow (2x+3)(x-1)=0 より、x=1,32x = 1, -\frac{3}{2}32-\frac{3}{2} は範囲外なので、x=1x=1 のみ。このときは θ=π2\theta = \frac{\pi}{2} 一つのみなので不適。
(ii) x=1x = -1 が解のとき: f(1)=2(1)2+(1)2+a=1+a=0f(-1) = 2(-1)^2 + (-1) - 2 + a = -1 + a = 0 より a=1a = 1
このとき、2x2+x1=0(2x1)(x+1)=02x^2 + x - 1 = 0 \Rightarrow (2x-1)(x+1)=0 より、x=1,12x = -1, \frac{1}{2}
x=1x=-1 より θ=3π2\theta = \frac{3\pi}{2}x=12x = \frac{1}{2} より θ=π6,5π6\theta = \frac{\pi}{6}, \frac{5\pi}{6} 。よって、3つの解を持つ。
(iii) 1<x<1-1 < x < 1 に重解を持つ場合: 判別式 D=178a=0D = 17 - 8a = 0 より a=178a = \frac{17}{8}2x2+x2+178=02x^2 + x - 2 + \frac{17}{8} = 0 より 16x2+8x+1=016x^2 + 8x + 1 = 0, x=14x = -\frac{1}{4} これは 1<x<1-1 < x < 1 を満たすので、 sinθ=14\sin\theta = -\frac{1}{4} は 2 つの解をもつ。x=±1x=\pm1に解を持たないため、異なる解の個数は2。
以上より、 a=1a = 1

3. 最終的な答え

異なる4つの解をもつような aa の値の範囲: 1<a<1781 < a < \frac{17}{8}
異なる3つの解をもつような aa の値: a=1a = 1

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