$a$ と $b$ は100以下の正の整数であり、$b < a$を満たす。$\frac{a+1}{b+1}$ と $\frac{a}{b}$ がともに整数となるような整数の組 $(a, b)$ の個数を求める。

数論整数の性質約数不等式代数
2025/4/12

1. 問題の内容

aabb は100以下の正の整数であり、b<ab < aを満たす。a+1b+1\frac{a+1}{b+1}ab\frac{a}{b} がともに整数となるような整数の組 (a,b)(a, b) の個数を求める。

2. 解き方の手順

ab=m\frac{a}{b} = m (m は整数)とおくと、a=bma = bm となる。
a+1b+1=n\frac{a+1}{b+1} = n (n は整数)とおくと、a+1=n(b+1)a+1 = n(b+1) となる。
a=bma = bma+1=n(b+1)a+1 = n(b+1) に代入すると、bm+1=n(b+1)bm + 1 = n(b+1) となる。
bm+1=nb+nbm + 1 = nb + n より、 bmnb=n1bm - nb = n - 1
b(mn)=n1b(m - n) = n - 1
b=n1mnb = \frac{n-1}{m-n} となる。ここで、bb は正の整数なので、n1mn\frac{n-1}{m-n} は正の整数である必要がある。
b>0b > 0 より、n1>0n-1 > 0 かつ mn>0m-n > 0 または n1<0n-1 < 0 かつ mn<0m-n < 0
n1>0n-1>0の場合、n>1n > 1 かつ m>nm > n
n1<0n-1<0の場合、n<1n < 1 かつ m<nm < nnn は整数なので、nn00 以下となる必要がある。ところがa+1b+1=n\frac{a+1}{b+1} = n であり、a,ba, b は正の整数なのでn>0n > 0。よってn1<0n-1<0の場合はありえない。
よって、n>1n > 1 かつ m>nm > n である。
b=n1mn100b = \frac{n-1}{m-n} \le 100
a=bm100a = bm \le 100 なので、mn1mn100m\frac{n-1}{m-n} \le 100
a>ba>bより、m>1m>1
b=n1mnb = \frac{n-1}{m-n} より、mn=n1bm-n = \frac{n-1}{b}
m=n+n1bm = n + \frac{n-1}{b}
a=bm=b(n+n1b)=bn+n1=n(b+1)1a = bm = b(n + \frac{n-1}{b}) = bn + n - 1 = n(b+1) - 1
a+1b+1=n\frac{a+1}{b+1} = n より、a+1=n(b+1)a+1 = n(b+1)
a=bn+n1100a = bn + n - 1 \le 100
n(b+1)101n(b+1) \le 101
b<a100b < a \le 100 なので、1b1001 \le b \le 100 。また、n>1n > 1 なので、n2n \ge 2
n=2n=2 のとき、2(b+1)1012(b+1) \le 101 より、b+150.5b+1 \le 50.5 なので、b49b \le 49
b=n1mn=1m2b = \frac{n-1}{m-n} = \frac{1}{m-2} より、m2=1bm-2 = \frac{1}{b}bb は正の整数なので、b=1b=1 であり、m=3m=3
a=bm=3a = bm = 3b<ab<aを満たしているので、(3,1)(3,1) は解である。
b=1b=1 のとき、n(1+1)101n(1+1) \le 101 より、n50.5n \le 50.5 なので、n50n \le 50
b=2b=2 のとき、n(2+1)101n(2+1) \le 101 より、n33.66...n \le 33.66... なので、n33n \le 33
b=3b=3 のとき、n(3+1)101n(3+1) \le 101 より、n25.25n \le 25.25 なので、n25n \le 25
b=n1mnb = \frac{n-1}{m-n} より、b(mn)=n1b(m-n) = n-1 なので、mn=n1bm-n = \frac{n-1}{b}
m=n+n1bm = n + \frac{n-1}{b}
mm は整数なので、n1b\frac{n-1}{b} は整数である必要がある。
n1=kbn-1 = kb (k は整数) より、n=kb+1n = kb+1
n(b+1)101n(b+1) \le 101 より、(kb+1)(b+1)101(kb+1)(b+1) \le 101
a=bm=b(n+n1b)=bn+n1=n(b+1)1=(kb+1)(b+1)1=kb2+kb+b+11=kb(b+1)a=bm= b(n + \frac{n-1}{b}) = bn + n - 1 = n(b+1) - 1 = (kb+1)(b+1) - 1 = kb^2 + kb + b + 1 - 1 = kb(b+1)
kb(b+1)100kb(b+1) \le 100
b=1b=1のとき、2k1002k \le 100 より、k50k \le 50。ただし、n=k+1>1n = k+1>1なので、k>0k>0。よって1k501 \le k \le 50。個数は50。
b=2b=2のとき、6k1006k \le 100 より、k16.66...k \le 16.66...n=2k+1>1n = 2k+1>1なので、k>0k>0。よって1k161 \le k \le 16。個数は16。
b=3b=3のとき、12k10012k \le 100 より、k8.33...k \le 8.33...n=3k+1>1n = 3k+1>1なので、k>0k>0。よって1k81 \le k \le 8。個数は8。
b=4b=4のとき、20k10020k \le 100 より、k5k \le 5n=4k+1>1n = 4k+1>1なので、k>0k>0。よって1k51 \le k \le 5。個数は5。
b=5b=5のとき、30k10030k \le 100 より、k3.33...k \le 3.33...n=5k+1>1n = 5k+1>1なので、k>0k>0。よって1k31 \le k \le 3。個数は3。
b=6b=6のとき、42k10042k \le 100 より、k2.38...k \le 2.38...n=6k+1>1n = 6k+1>1なので、k>0k>0。よって1k21 \le k \le 2。個数は2。
b=7b=7のとき、56k10056k \le 100 より、k1.78...k \le 1.78...n=7k+1>1n = 7k+1>1なので、k>0k>0。よってk=1k=1。個数は1。
b=8b=8のとき、72k10072k \le 100 より、k1.38...k \le 1.38...n=8k+1>1n = 8k+1>1なので、k>0k>0。よってk=1k=1。個数は1。
b=9b=9のとき、90k10090k \le 100 より、k1.11...k \le 1.11...n=9k+1>1n = 9k+1>1なので、k>0k>0。よってk=1k=1。個数は1。
b=10b=10のとき、110k100110k \le 100 は成り立たないので、0個。
合計は 50+16+8+5+3+2+1+1+1=8750+16+8+5+3+2+1+1+1=87

3. 最終的な答え

87個

「数論」の関連問題

与えられた対数の値($\log_{10}2 = 0.3010$, $\log_{10}3 = 0.4771$, $\log_{10}7 = 0.8451$)を使って、以下の問題を解きます。 (1) $...

対数桁数剰余1の位数の性質
2025/4/14

$am = 10^n - 1$ を満たす正の整数の組 $(m, n)$ が存在する整数 $a$ の条件を求める問題です。

整数の性質約数倍数合同式
2025/4/14

整数 $x, y (y \neq 0)$ は $x^5 - 31y^5 = 1$ を満たすとする。 $A = \frac{1}{(\sqrt[5]{31} \sin \frac{\pi}{5})^4}...

不定方程式ディオファントス方程式数の性質不等式
2025/4/14

整数 $x, y$ ($y \neq 0$) は $x^5 - 31y^5 = 1$ を満たすとする。$A = \frac{1}{( \sqrt[5]{31} \sin \frac{\pi}{5})^...

ディオファントス方程式近似平均値の定理不等式
2025/4/14

問題は、「2つの奇数の積は、奇数である」という命題が正しいことを証明することです。

整数の性質奇数証明
2025/4/14

(1) * $142_{(6)}$ を10進法で表す。 * $10.101_{(2)}$ を10進法の小数で表す。 * $138$ を3進法で表す。 (2) * $2^{50}$ を7...

進数変換合同式剰余
2025/4/14

7で割ると2余り、9で割ると6余るような4桁の自然数のうち、最小のものを求める。

合同式中国剰余定理整数問題
2025/4/14

与えられた数63と90を素因数分解せよ。

素因数分解整数の性質約数
2025/4/13

集合 $C$ が与えられており、$C = \{3n + 1 \mid n = 0, 1, 2, 3, \dots\}$ と定義されています。つまり、$n$ が 0 以上の整数全体を動くとき、$3n +...

集合整数の性質数列
2025/4/13

$\sqrt{2}$ が無理数であることを用いて、$1 + 3\sqrt{2}$ が無理数であることを証明する。

無理数有理数背理法代数的数
2025/4/13