関数 $f(a) = \int_{0}^{1} |x^2 - ax| dx$ の最小値を求めよ。

解析学積分絶対値関数の最小値場合分け
2025/4/14

1. 問題の内容

関数 f(a)=01x2axdxf(a) = \int_{0}^{1} |x^2 - ax| dx の最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、x2ax|x^2 - ax| の積分を計算します。x2ax=x(xa)x^2 - ax = x(x-a) なので、x2ax=0x^2 - ax = 0 となるのは、x=0x=0x=ax=a です。積分範囲は 0x10 \le x \le 1 なので、aa の値によって場合分けを行います。
(i) a0a \le 0 のとき、0x10 \le x \le 1 において x2ax0x^2 - ax \ge 0 なので、x2ax=x2ax|x^2 - ax| = x^2 - ax となります。
f(a)=01(x2ax)dx=[x33ax22]01=13a2f(a) = \int_{0}^{1} (x^2 - ax) dx = \left[\frac{x^3}{3} - \frac{ax^2}{2}\right]_{0}^{1} = \frac{1}{3} - \frac{a}{2}
このとき、f(a)f(a)aa に関して増加関数なので、a0a \le 0 では最小値を持ちません。
(ii) 0<a<10 < a < 1 のとき、0xa0 \le x \le a では x2ax0x^2 - ax \le 0 なので、x2ax=axx2|x^2 - ax| = ax - x^2 であり、ax1a \le x \le 1 では x2ax0x^2 - ax \ge 0 なので、x2ax=x2ax|x^2 - ax| = x^2 - ax です。
\begin{align*}
f(a) &= \int_{0}^{a} (ax - x^2) dx + \int_{a}^{1} (x^2 - ax) dx \\
&= \left[\frac{ax^2}{2} - \frac{x^3}{3}\right]_{0}^{a} + \left[\frac{x^3}{3} - \frac{ax^2}{2}\right]_{a}^{1} \\
&= \left(\frac{a^3}{2} - \frac{a^3}{3}\right) + \left(\frac{1}{3} - \frac{a}{2}\right) - \left(\frac{a^3}{3} - \frac{a^3}{2}\right) \\
&= \frac{a^3}{6} + \frac{1}{3} - \frac{a}{2} + \frac{a^3}{6} = \frac{a^3}{3} - \frac{a}{2} + \frac{1}{3}
\end{align*}
f(a)=a212f'(a) = a^2 - \frac{1}{2} なので、f(a)=0f'(a) = 0 となるのは a=±12a = \pm \frac{1}{\sqrt{2}} です。0<a<10 < a < 1 より、a=12a = \frac{1}{\sqrt{2}} のみが該当します。
f(a)=2af''(a) = 2a なので、f(12)=22=2>0f''(\frac{1}{\sqrt{2}}) = \frac{2}{\sqrt{2}} = \sqrt{2} > 0 なので、a=12a = \frac{1}{\sqrt{2}} で極小値をとります。
f(12)=13(12)312(12)+13=162122+13=13262=13132=13(112)=13(122)=226f\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right) = \frac{1}{3}\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)^3 - \frac{1}{2}\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right) + \frac{1}{3} = \frac{1}{6\sqrt{2}} - \frac{1}{2\sqrt{2}} + \frac{1}{3} = \frac{1}{3} - \frac{2}{6\sqrt{2}} = \frac{1}{3} - \frac{1}{3\sqrt{2}} = \frac{1}{3}\left(1 - \frac{1}{\sqrt{2}}\right) = \frac{1}{3}\left(1 - \frac{\sqrt{2}}{2}\right) = \frac{2 - \sqrt{2}}{6}
(iii) a1a \ge 1 のとき、0x10 \le x \le 1 において x2ax0x^2 - ax \le 0 なので、x2ax=axx2|x^2 - ax| = ax - x^2 となります。
f(a)=01(axx2)dx=[ax22x33]01=a213f(a) = \int_{0}^{1} (ax - x^2) dx = \left[\frac{ax^2}{2} - \frac{x^3}{3}\right]_{0}^{1} = \frac{a}{2} - \frac{1}{3}
このとき、f(a)f(a)aa に関して増加関数なので、a1a \ge 1 では最小値を持ちません。a=1a=1 の時、f(1)=1213=16f(1) = \frac{1}{2} - \frac{1}{3} = \frac{1}{6} であり、これはf(1/2)f(1/\sqrt{2}) より大きいです。
以上より、a=12a = \frac{1}{\sqrt{2}} のときに最小値をとります。

3. 最終的な答え

226\frac{2 - \sqrt{2}}{6}

「解析学」の関連問題

画像に書かれた式と文章の意味を説明する問題です。 まず、式は次の通りです。 $\lim_{x \to a} (x-a) \cdot \lim_{x \to a} \frac{f(x) - f(a)}{...

極限微分微分可能性導関数
2025/4/15

問題文は、$ \lim_{x \to a} \frac{f(x) - f(a)}{x-a} = f'(a) $ が $f'(a)$ が極限値を持つことを意味するか、と問うています。これは微分可能性に関...

微分極限微分係数微分可能性
2025/4/15

画像に書かれた数式の意味と、それに関連する記述について解説を求める問題です。特に、極限の計算と、微分可能性との関係、そして導関数と極値の関係について問われています。

極限微分可能性導関数極値連続性
2025/4/15

画像に書かれている内容は「極限とは何ですか。」という質問です。

極限微積分
2025/4/15

「微分可能ではないとはどういうことですか」という質問です。

微分微分可能性不連続点垂直な接線
2025/4/15

画像には、関数 $f(a)$ が $x$ に依存しない定数であるとき、$\lim_{x \to a} f(a) = f(a)$ となることが書かれています。そして、この意味について質問がされています。...

極限関数定数関数lim
2025/4/15

問題は、関数 $f(a)$ が $x$ に依存しない定数であるとき、極限 $\lim_{x \to a} f(a)$ が $f(a)$ に等しくなることを述べています。

極限関数の極限定数関数
2025/4/15

関数 $f(x)$ が連続のとき、$\lim_{x \to a} f(x) = f(a)$ となることを用いると、$\lim_{x \to a} (f(x) - f(a)) = 0$ となるのはなぜか...

極限関数の連続性微積分
2025/4/15

画像に書かれている数式について考察し、その関係性を理解することが目的です。具体的には、 $\lim_{x \to a} (x-a) \cdot \frac{f(x)-f(a)}{x-a}$ が $\l...

極限微分連続性微分可能性
2025/4/15

問題は、関数 $f(x)$ に対して、極限 $\lim_{x \to a} \{ f(x) - f(a) \}$ を計算し、その結果が0になることを示す式を理解することです。示されている式は、関数 $...

極限微分可能性連続性関数の解析
2025/4/15