数列 $\{a_n\}$ が $a_1 = 1$, $a_2 = 2$, $a_{n+2} + 4a_{n+1} + 4a_n = 0$ で定義されている。 (1) 数列 $\{a_{n+1} - \alpha a_n\}$ が等比数列となるような定数 $\alpha$ の値を求める。 (2) 数列 $\{a_n\}$ の一般項を求める。

1. 問題の内容

数列 $\{a_n\}$ が $a_1 = 1$, $a_2 = 2$, $a_{n+2} + 4a_{n+1} + 4a_n = 0$ で定義されている。

(1) 数列 $\{a_{n+1} - \alpha a_n\}$ が等比数列となるような定数 $\alpha$ の値を求める。

(2) 数列 $\{a_n\}$ の一般項を求める。

2. 解き方の手順

(1)

$a_{n+2} + 4a_{n+1} + 4a_n = 0$ より、

$a_{n+2} - \alpha a_{n+1} = \beta (a_{n+1} - \alpha a_n)$ となる $\alpha, \beta$ を考える。

$a_{n+2} = (\alpha + \beta)a_{n+1} - \alpha\beta a_n$

与式と係数を比較して、

$\alpha + \beta = -4$, $-\alpha\beta = 4$

$\alpha + \beta = -4$ より、 $\beta = -4-\alpha$

$-\alpha(-4-\alpha) = 4$

$4\alpha + \alpha^2 = 4$

$\alpha^2 + 4\alpha - 4 = 0$

$\alpha = \frac{-4 \pm \sqrt{16+16}}{2} = \frac{-4 \pm \sqrt{32}}{2} = \frac{-4 \pm 4\sqrt{2}}{2} = -2 \pm 2\sqrt{2}$

したがって、数列 $\{a_{n+1} - \alpha a_n\}$ が等比数列となるような定数 $\alpha$ の値は $\alpha = -2 \pm 2\sqrt{2}$ である。しかし、問題文から $\alpha$ は1つの値に定まるはずなので、数列 $\{a_{n+1} - \alpha a_n\}$ が等比数列となるとき、特性方程式を解く。

$x^2+4x+4 = 0$

$(x+2)^2 = 0$

$x = -2$ (重解)

$\alpha = -2$ とすると、

$a_{n+2} + 4a_{n+1} + 4a_n = 0$

$a_{n+2} + 2a_{n+1} = -2(a_{n+1} + 2a_n)$

したがって、数列 $\{a_{n+1} + 2a_n\}$ は公比 $-2$ の等比数列。

$a_2 + 2a_1 = 2 + 2(1) = 4$ なので、

$a_{n+1} + 2a_n = 4(-2)^{n-1}$

(2)

$a_{n+1} + 2a_n = 4(-2)^{n-1}$

$\frac{a_{n+1}}{(-2)^{n+1}} + \frac{2a_n}{(-2)^{n+1}} = \frac{4(-2)^{n-1}}{(-2)^{n+1}}$

$\frac{a_{n+1}}{(-2)^{n+1}} - \frac{a_n}{(-2)^{n}} = \frac{4(-2)^{n-1}}{(-2)^{n+1}} = -\frac{4}{4} = -1$

$b_n = \frac{a_n}{(-2)^n}$ とおくと、

$b_{n+1} - b_n = -1$

数列 $\{b_n\}$ は初項 $b_1 = \frac{a_1}{(-2)^1} = \frac{1}{-2} = -\frac{1}{2}$、公差 $-1$ の等差数列。

$b_n = -\frac{1}{2} + (n-1)(-1) = -\frac{1}{2} - n + 1 = \frac{1}{2} - n = \frac{1-2n}{2}$

$b_n = \frac{a_n}{(-2)^n}$ より、

$a_n = b_n (-2)^n = \frac{1-2n}{2} (-2)^n = (1-2n) (-2)^{n-1}$

3. 最終的な答え

(1) $\alpha = -2$

(2) $a_n = (1-2n)(-2)^{n-1}$