(1) 散布図から、人口あたりの耕地面積と食料自給率の相関係数$r$の範囲を求める。 (2) 散布図から読み取れる内容として正しいものを選ぶ。 (3) 耕地面積の単位をhaからkm$^2$に変更したとき、関連する統計量の変換を計算する。具体的には、$X'/X$, $W/Z$, $V/U$を求める。ここで$X$はha単位の耕地面積の分散、$X'$はkm$^2$単位の耕地面積の分散、$Z$はha単位の耕地面積と食料自給率の共分散、$W$はkm$^2$単位の耕地面積と食料自給率の共分散、$U$はha単位の耕地面積と食料自給率の相関係数、$V$はkm$^2$単位の耕地面積と食料自給率の相関係数。 (4) 面積の単位をhaからm$^2$に変更したときの人口あたりの耕地面積を変量$x''$として、以下の文[A]~[C]の正誤を判断する。 [A] $x'$と$y$の散布図の点は右下がりの直線に沿って分布する傾向にある。 [B] $x''$と$y$の相関係数は$U$と等しい。 [C] $x''$の分散を$X''$とすると、$X''/X'$は1より小さい。
2025/4/15
1. 問題の内容
(1) 散布図から、人口あたりの耕地面積と食料自給率の相関係数の範囲を求める。
(2) 散布図から読み取れる内容として正しいものを選ぶ。
(3) 耕地面積の単位をhaからkmに変更したとき、関連する統計量の変換を計算する。具体的には、, , を求める。ここではha単位の耕地面積の分散、はkm単位の耕地面積の分散、はha単位の耕地面積と食料自給率の共分散、はkm単位の耕地面積と食料自給率の共分散、はha単位の耕地面積と食料自給率の相関係数、はkm単位の耕地面積と食料自給率の相関係数。
(4) 面積の単位をhaからmに変更したときの人口あたりの耕地面積を変量として、以下の文[A]~[C]の正誤を判断する。
[A] との散布図の点は右下がりの直線に沿って分布する傾向にある。
[B] との相関係数はと等しい。
[C] の分散をとすると、は1より小さい。
2. 解き方の手順
(1) 散布図を見ると、右上がりの傾向が見られるため、相関係数は正であり、0.7から1の範囲内にあると考えられる。
(2) 散布図から読み取ると、人口あたりの耕地面積が100ha/千人以下であり、かつ食料自給率が100%を超える都道府県が存在することがわかる。
(3)
* より、。よって、となる。分散は2乗に比例するため、。よって、。
* 共分散は面積の単位の積に比例するため、。よって、。
* 相関係数は単位に依存しないため、。よって、。
(4)
* [A] との散布図の点は右下がりの直線に沿って分布する傾向にある。これは誤り。もとのとが右上がりの相関を持っていたので、も同様にと右上がりの相関を持つ。
* [B] との相関係数はと等しい。これは正しい。相関係数は面積の単位に依存しない。
* [C] の分散をとすると、は1より小さい。これは正しい。なので、。よって、。また、だったので、。このことからわかるようには1より小さいとはならない。 となり、の値は1より大きい。
3. 最終的な答え
(1) ア: ④ 0.7 ≤ r ≤ 1
(2) イ: ① 人口あたりの耕地面積が100 ha/千人以下であり、かつ食料自給率が100%を超える都道府県がある。
(3) ウ: ⑨ 1/10000
エ: ⑥ 1/100
オ: ① 1
(4) カ: ⑤ 誤正誤