(1) $a \geq 0, b \geq 0$ のとき、$5\sqrt{a+b} \geq 3\sqrt{a} + 4\sqrt{b}$ を証明し、等号成立条件を求める。 (2) $a>b>0$ のとき、$\sqrt{a-b} > \sqrt{a} - \sqrt{b}$ を証明する。

1. 問題の内容

(1) $a \geq 0, b \geq 0$ のとき、$5\sqrt{a+b} \geq 3\sqrt{a} + 4\sqrt{b}$ を証明し、等号成立条件を求める。

(2) $a>b>0$ のとき、$\sqrt{a-b} > \sqrt{a} - \sqrt{b}$ を証明する。

2. 解き方の手順

(1)

両辺が0以上なので、2乗して比較する。

$(5\sqrt{a+b})^2 - (3\sqrt{a} + 4\sqrt{b})^2 = 25(a+b) - (9a + 24\sqrt{ab} + 16b) = 16a + 9b - 24\sqrt{ab}$

この式を$(\alpha \sqrt{a} - \beta \sqrt{b})^2$ の形にしたい。

$16a + 9b - 24\sqrt{ab} = (4\sqrt{a} - 3\sqrt{b})^2 = 16a - 24\sqrt{ab} + 9b \geq 0$

したがって、$(5\sqrt{a+b})^2 \geq (3\sqrt{a} + 4\sqrt{b})^2$ である。

両辺とも0以上なので、$5\sqrt{a+b} \geq 3\sqrt{a} + 4\sqrt{b}$ が成り立つ。

等号が成り立つのは、$4\sqrt{a} = 3\sqrt{b}$ すなわち、$16a = 9b$ のとき。

(2)

$\sqrt{a-b} > \sqrt{a} - \sqrt{b}$ を証明する。

$a>b>0$ であるから、$\sqrt{a-b}$ および $\sqrt{a}$ と $\sqrt{b}$ が定義できる。

$\sqrt{a} - \sqrt{b} > 0$ であることを示す。

$a>b>0$ より $a > b$ であり、 $\sqrt{a} > \sqrt{b} > 0$ なので、 $\sqrt{a} - \sqrt{b} > 0$ である。

両辺を2乗して比較する。

$(\sqrt{a-b})^2 - (\sqrt{a} - \sqrt{b})^2 = (a-b) - (a - 2\sqrt{ab} + b) = 2\sqrt{ab} - 2b = 2(\sqrt{ab} - b) = 2\sqrt{b}(\sqrt{a} - \sqrt{b}) > 0$

($\sqrt{b} > 0$ であり、$\sqrt{a} > \sqrt{b}$ であるため。)

したがって、$(\sqrt{a-b})^2 > (\sqrt{a} - \sqrt{b})^2$ である。

両辺とも0以上なので、$\sqrt{a-b} > \sqrt{a} - \sqrt{b}$ が成り立つ。

3. 最終的な答え

(1) $5\sqrt{a+b} \geq 3\sqrt{a} + 4\sqrt{b}$ が成立し、等号成立条件は $16a=9b$ のとき。

(2) $\sqrt{a-b} > \sqrt{a} - \sqrt{b}$ が成立する。