半径1の半球に外接する直円錐がある。直円錐の底面は半球の底面と同じ平面上にあるとする。直円錐の高さを$h$、底面の半径を$r$、表面積を$S$とするとき、以下の問いに答える。 (1) $S$を$h$の関数で表せ。 (2) $S$の最小値とそのときの$h$、$r$の値を求めよ。

解析学微分積分最大最小幾何
2025/3/16

1. 問題の内容

半径1の半球に外接する直円錐がある。直円錐の底面は半球の底面と同じ平面上にあるとする。直円錐の高さをhh、底面の半径をrr、表面積をSSとするとき、以下の問いに答える。
(1) SShhの関数で表せ。
(2) SSの最小値とそのときのhhrrの値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
まず、直円錐の表面積SSrrhhで表す。直円錐の表面積は、底面積と側面積の和である。底面積はπr2\pi r^2、側面積はπrr2+h2\pi r \sqrt{r^2 + h^2}なので、
S=πr2+πrr2+h2 S = \pi r^2 + \pi r \sqrt{r^2 + h^2}
次に、rrhhで表す。
半球に外接する直円錐の断面図を考えると、円錐の母線と半球が接する点がある。この点を通り、底面に平行な平面で切断すると、半径1の円と、円錐の相似な断面である円とが接する。
円錐の中心軸から接点までの距離を考えると、円錐の半径rr、高さhhと、半球の半径1を用いて、r/(h1)=1/h21r/(h-1) = 1/\sqrt{h^2-1}の関係が成り立つ(相似)。
よって、r=h21h1r = \frac{\sqrt{h^2-1}}{h-1} となる。
しかし、より簡単な方法がある。円錐の頂点、半球の中心、円錐の底面の円周上の点を結ぶ三角形を考える。これは直角三角形になるので、
r2+12=(h1)2 r^2 + 1^2 = (h-1)^2
r2=(h1)21=h22h r^2 = (h-1)^2 - 1 = h^2 - 2h
r=h22h r = \sqrt{h^2 - 2h}
ただし、h>2h>2である。
SShhで表すと、
S=π(h22h)+πh22hh22h+h2 S = \pi (h^2-2h) + \pi \sqrt{h^2-2h} \sqrt{h^2-2h+h^2}
S=π(h22h)+πh22h2h22h S = \pi (h^2-2h) + \pi \sqrt{h^2-2h} \sqrt{2h^2-2h}
S=π(h22h)+π(h22h)(2h22h) S = \pi (h^2-2h) + \pi \sqrt{(h^2-2h)(2h^2-2h)}
S=π(h22h)+π2(h22h)(h2h) S = \pi (h^2-2h) + \pi \sqrt{2(h^2-2h)(h^2-h)}
(別の解き方)
直円錐と半球が外接していることから、rrhhの関係を求める。半球の中心から円錐の側面に下ろした垂線の長さが半球の半径1に等しいことを利用する。円錐の側面は、底面の半径rrと高さhhを用いてr2+h2\sqrt{r^2+h^2}と表される。
rhr2+h2=1\frac{rh}{\sqrt{r^2+h^2}}=1
両辺を2乗して整理するとr2h2=r2+h2r^2h^2 = r^2+h^2となる。
r2=h2h21r^2 = \frac{h^2}{h^2-1}となり、r=hh21r = \frac{h}{\sqrt{h^2-1}}となる。
表面積Sは
S=πr2+πrr2+h2=πh2h21+πhh21h2h21+h2S = \pi r^2 + \pi r\sqrt{r^2+h^2} = \pi \frac{h^2}{h^2-1} + \pi \frac{h}{\sqrt{h^2-1}}\sqrt{\frac{h^2}{h^2-1} + h^2}
=πh2h21+πhh21h2+h2(h21)h21= \pi \frac{h^2}{h^2-1} + \pi \frac{h}{\sqrt{h^2-1}}\sqrt{\frac{h^2+h^2(h^2-1)}{h^2-1}}
=πh2h21+πhh21hh2h21= \pi \frac{h^2}{h^2-1} + \pi \frac{h}{\sqrt{h^2-1}}\frac{h\sqrt{h^2}}{\sqrt{h^2-1}}
=πh2h21+πh3h21= \pi \frac{h^2}{h^2-1} + \pi \frac{h^3}{h^2-1}
=πh2+h3h21=πh2(h+1)(h+1)(h1)=πh2h1= \pi \frac{h^2+h^3}{h^2-1} = \pi \frac{h^2(h+1)}{(h+1)(h-1)} = \pi \frac{h^2}{h-1}
(2)
S=πh2h1S = \pi \frac{h^2}{h-1}の最小値を求める。
dSdh=π2h(h1)h2(h1)2=π2h22hh2(h1)2=πh22h(h1)2=πh(h2)(h1)2\frac{dS}{dh} = \pi \frac{2h(h-1)-h^2}{(h-1)^2} = \pi \frac{2h^2-2h-h^2}{(h-1)^2} = \pi \frac{h^2-2h}{(h-1)^2} = \pi \frac{h(h-2)}{(h-1)^2}
dSdh=0\frac{dS}{dh} = 0となるのは、h=2h=2のときである。h>1h>1よりh=2h=2
h=2h=2のとき、r=2221=23r=\frac{2}{\sqrt{2^2-1}} = \frac{2}{\sqrt{3}}
S=π2221=4πS = \pi \frac{2^2}{2-1} = 4\pi

3. 最終的な答え

(1) S=πh2h1S = \pi \frac{h^2}{h-1}
(2) SSの最小値は4π4\pi、そのときのhhは2、rr233\frac{2\sqrt{3}}{3}

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