実数 $a$ をパラメータとする2つの円 $D_1: x^2 + y^2 - 6ax + 2ay + 20a - 10 = 0$ と $D_2: x^2 + y^2 = 25$ が与えられている。以下の問いに答えよ。 (1) 円 $D_1$ は $a$ の値に関わらず通る定点を求めよ。 (2) 円 $D_1$ の中心を $P(s, t)$ とするとき、$s$ と $t$ の値を求め、$s, t$ が満たす関係式を求めよ。 (3) 円 $D_1$ の半径を求め、$D_1$ と $D_2$ が接するときの $a$ の値を求めよ。

幾何学定点半径接するパラメータ
2025/4/19

1. 問題の内容

実数 aa をパラメータとする2つの円 D1:x2+y26ax+2ay+20a10=0D_1: x^2 + y^2 - 6ax + 2ay + 20a - 10 = 0D2:x2+y2=25D_2: x^2 + y^2 = 25 が与えられている。以下の問いに答えよ。
(1) 円 D1D_1aa の値に関わらず通る定点を求めよ。
(2) 円 D1D_1 の中心を P(s,t)P(s, t) とするとき、sstt の値を求め、s,ts, t が満たす関係式を求めよ。
(3) 円 D1D_1 の半径を求め、D1D_1D2D_2 が接するときの aa の値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 円 D1D_1 の方程式を aa について整理すると、
x2+y210+a(6x+2y+20)=0x^2 + y^2 - 10 + a(-6x + 2y + 20) = 0
となる。aa の値に関わらずこの方程式が成り立つためには、
x2+y210=0x^2 + y^2 - 10 = 0 かつ 6x+2y+20=0-6x + 2y + 20 = 0
が成り立てばよい。
6x+2y+20=0-6x + 2y + 20 = 0 より、y=3x10y = 3x - 10。これを x2+y210=0x^2 + y^2 - 10 = 0 に代入すると、
x2+(3x10)210=0x^2 + (3x - 10)^2 - 10 = 0
x2+9x260x+10010=0x^2 + 9x^2 - 60x + 100 - 10 = 0
10x260x+90=010x^2 - 60x + 90 = 0
x26x+9=0x^2 - 6x + 9 = 0
(x3)2=0(x - 3)^2 = 0
よって、x=3x = 3。このとき、y=3(3)10=1y = 3(3) - 10 = -1
したがって、円 D1D_1aa の値に関わらず定点 (3,1)(3, -1) を通る。
(2) 円 D1D_1 の方程式を平方完成すると、
(x3a)2+(y+a)2=9a2+a220a+10(x - 3a)^2 + (y + a)^2 = 9a^2 + a^2 - 20a + 10
(x3a)2+(y+a)2=10a220a+10(x - 3a)^2 + (y + a)^2 = 10a^2 - 20a + 10
よって、円 D1D_1 の中心は P(3a,a)P(3a, -a) であるから、s=3a,t=as = 3a, t = -a
a=ta = -t なので、s=3(t)s = 3(-t)。したがって、s=3ts = -3t
(3) 円 D1D_1 の半径は 10a220a+10\sqrt{10a^2 - 20a + 10} である。
10a220a+10=10(a22a+1)=10(a1)210a^2 - 20a + 10 = 10(a^2 - 2a + 1) = 10(a - 1)^2
よって、半径は 10(a1)2=10a1\sqrt{10(a-1)^2} = \sqrt{10}|a-1|
D1D_1D2D_2 が接するとき、2つの円の中心間の距離は、半径の和または差に等しい。
D2D_2 の中心は (0,0)(0, 0)、半径は 55D1D_1 の中心は (3a,a)(3a, -a)、半径は 10(a1)\sqrt{10}(|a-1|)
中心間の距離は (3a0)2+(a0)2=9a2+a2=10a2=10a\sqrt{(3a - 0)^2 + (-a - 0)^2} = \sqrt{9a^2 + a^2} = \sqrt{10a^2} = \sqrt{10}|a|
接する条件は 10a=5±10a1\sqrt{10}|a| = 5 \pm \sqrt{10}|a - 1|
10a10a1=5\sqrt{10}|a| - \sqrt{10}|a - 1| = 5 または 10a+10a1=5\sqrt{10}|a| + \sqrt{10}|a - 1| = 5
aa1=510=102|a| - |a - 1| = \frac{5}{\sqrt{10}} = \frac{\sqrt{10}}{2} または a+a1=102|a| + |a - 1| = \frac{\sqrt{10}}{2}
(i) a<0a < 0 のとき、a(1a)=102-a - (1 - a) = \frac{\sqrt{10}}{2} または a+(1a)=102-a + (1 - a) = \frac{\sqrt{10}}{2}
1=102-1 = \frac{\sqrt{10}}{2} (不適) または 12a=1021 - 2a = \frac{\sqrt{10}}{2} より、2a=11022a = 1 - \frac{\sqrt{10}}{2}a=12104a = \frac{1}{2} - \frac{\sqrt{10}}{4}
(ii) 0a10 \le a \le 1 のとき、a(1a)=102a - (1 - a) = \frac{\sqrt{10}}{2} または a+(1a)=102a + (1 - a) = \frac{\sqrt{10}}{2}
2a1=1022a - 1 = \frac{\sqrt{10}}{2} より、2a=1+1022a = 1 + \frac{\sqrt{10}}{2}a=12+104a = \frac{1}{2} + \frac{\sqrt{10}}{4}1=1021 = \frac{\sqrt{10}}{2} (不適)
(iii) a>1a > 1 のとき、a(a1)=102a - (a - 1) = \frac{\sqrt{10}}{2} または a+(a1)=102a + (a - 1) = \frac{\sqrt{10}}{2}
1=1021 = \frac{\sqrt{10}}{2} (不適) または 2a1=1022a - 1 = \frac{\sqrt{10}}{2} より、2a=1+1022a = 1 + \frac{\sqrt{10}}{2}a=12+104a = \frac{1}{2} + \frac{\sqrt{10}}{4}
ただし、a+a1=102|a| + |a-1| = \frac{\sqrt{10}}{2}a=12a = \frac{1}{2} で最小値 1<1021 < \frac{\sqrt{10}}{2} なので、この範囲で解を持つ。
a=12a=\frac{1}{2}のとき, a>1a > 1を満たさないので, a+a1=102|a| + |a - 1| = \frac{\sqrt{10}}{2}を満たすaaはない。
a=12104,a=12+104a = \frac{1}{2} - \frac{\sqrt{10}}{4}, a = \frac{1}{2} + \frac{\sqrt{10}}{4}

3. 最終的な答え

(1) 定点:(3,1)(3, -1)
(2) s=3a,t=as = 3a, t = -a なので s=3a=3ts = 3a = -3t。よって、s=3ts = -3t
(3) 半径:10a1\sqrt{10}|a-1|a=12±104a = \frac{1}{2} \pm \frac{\sqrt{10}}{4}

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