複素数平面上に、中心が $a$ で半径が $r$ の円 $C$ がある。ただし、$a$ は正の実数であり、$C$ は原点を通らないものとする。円 $C$ 上の点 $z$ に対して、$w = \frac{1}{z}$ となる点 $w$ の軌跡 $C'$ を考える。 (1) $C'$ が円であることを示し、$C'$ の中心と半径を $a$ と $r$ で表せ。 (2) $C$ と $C'$ が一致するとき、$C$ の中心 $a$ が実軸上または虚軸上にあることを示せ。

幾何学複素数平面軌跡反転
2025/4/21

1. 問題の内容

複素数平面上に、中心が aa で半径が rr の円 CC がある。ただし、aa は正の実数であり、CC は原点を通らないものとする。円 CC 上の点 zz に対して、w=1zw = \frac{1}{z} となる点 ww の軌跡 CC' を考える。
(1) CC' が円であることを示し、CC' の中心と半径を aarr で表せ。
(2) CCCC' が一致するとき、CC の中心 aa が実軸上または虚軸上にあることを示せ。

2. 解き方の手順

(1)
CC の方程式は、za=r|z - a| = r であり、z0z \neq 0
w=1zw = \frac{1}{z} より、z=1wz = \frac{1}{w}。これを円 CC の方程式に代入すると、
1wa=r|\frac{1}{w} - a| = r
1aw=rw|1 - aw| = r|w|
w1a=raw|w - \frac{1}{a}| = \frac{r}{|a|}|w|
w1a2=r2a2w2|w - \frac{1}{a}|^2 = \frac{r^2}{a^2}|w|^2
(w1a)(w1a)=r2a2ww(w - \frac{1}{a})(\overline{w} - \frac{1}{a}) = \frac{r^2}{a^2}w\overline{w}
ww1a(w+w)+1a2=r2a2www\overline{w} - \frac{1}{a}(w + \overline{w}) + \frac{1}{a^2} = \frac{r^2}{a^2}w\overline{w}
(1r2a2)ww1a(w+w)+1a2=0(1 - \frac{r^2}{a^2})w\overline{w} - \frac{1}{a}(w + \overline{w}) + \frac{1}{a^2} = 0
ここで、1r2a201 - \frac{r^2}{a^2} \neq 0 なので、ara \neq r
ww1a(1r2a2)(w+w)+1a2(1r2a2)=0w\overline{w} - \frac{1}{a(1 - \frac{r^2}{a^2})}(w + \overline{w}) + \frac{1}{a^2(1 - \frac{r^2}{a^2})} = 0
wwaa2r2(w+w)+1a2r2=0w\overline{w} - \frac{a}{a^2 - r^2}(w + \overline{w}) + \frac{1}{a^2 - r^2} = 0
wwaa2r2(w+w)+(aa2r2)2=(aa2r2)21a2r2w\overline{w} - \frac{a}{a^2 - r^2}(w + \overline{w}) + (\frac{a}{a^2 - r^2})^2 = (\frac{a}{a^2 - r^2})^2 - \frac{1}{a^2 - r^2}
(waa2r2)(waa2r2)=a2(a2r2)2a2r2(a2r2)2=r2(a2r2)2(w - \frac{a}{a^2 - r^2})(\overline{w} - \frac{a}{a^2 - r^2}) = \frac{a^2}{(a^2 - r^2)^2} - \frac{a^2 - r^2}{(a^2 - r^2)^2} = \frac{r^2}{(a^2 - r^2)^2}
waa2r22=r2(a2r2)2|w - \frac{a}{a^2 - r^2}|^2 = \frac{r^2}{(a^2 - r^2)^2}
waa2r2=ra2r2|w - \frac{a}{a^2 - r^2}| = \frac{r}{|a^2 - r^2|}
これは中心 aa2r2\frac{a}{a^2 - r^2}、半径 ra2r2\frac{r}{|a^2 - r^2|} の円を表す。
(2)
CCCC' が一致するとき、円の中心と半径が一致する。
aa2r2=a\frac{a}{a^2 - r^2} = a
ra2r2=r\frac{r}{|a^2 - r^2|} = r
a2r2=1a^2 - r^2 = 1 かつ a2r2=1|a^2 - r^2| = 1
a2r2=1a^2 - r^2 = 1
r2=a21r^2 = a^2 - 1
CCCC' が一致するとき、aa は実数より、rr は実数なので、a21a^2 \ge 1
中心が実軸上にあり、aa
a=bia = bi (純虚数) の場合、zbi=r|z - bi| = r となる。
z=1wz = \frac{1}{w} より、1wbi=r|\frac{1}{w} - bi| = r
1biw=rw|1 - biw| = r|w|
w+ib=rbw|w + \frac{i}{b}| = \frac{r}{|b|}|w|
w+ib2=r2b2w2|w + \frac{i}{b}|^2 = \frac{r^2}{b^2}|w|^2
(w+ib)(wib)=r2b2ww(w + \frac{i}{b})(\overline{w} - \frac{i}{b}) = \frac{r^2}{b^2}w\overline{w}
ww+ib(ww)+1b2=r2b2www\overline{w} + \frac{i}{b}(\overline{w} - w) + \frac{1}{b^2} = \frac{r^2}{b^2}w\overline{w}
(1r2b2)ww+ib(ww)+1b2=0(1 - \frac{r^2}{b^2})w\overline{w} + \frac{i}{b}(\overline{w} - w) + \frac{1}{b^2} = 0
(1r2b2)ww2bIm(w)+1b2=0(1 - \frac{r^2}{b^2})w\overline{w} - \frac{2}{b}Im(w) + \frac{1}{b^2} = 0
CC が円 CC' に一致するためには、上記が円になる必要がある。
中心を bibi としたとき、zbi=r|z - bi| = r。CとC'が一致するためには、w+i/b=rbw|w + i/b| = \frac{r}{|b|}|w| は、zbi=r|z - bi| = r と同値である。
中心 bib2+r2=bi\frac{bi}{b^2+r^2} = bi になる必要があり、半径は rb2r2=r\frac{r}{|b^2-r^2|}=r
なのでb2+r2=1b^2+r^2 = 1かつrrが実数である

3. 最終的な答え

(1) CC' は中心 aa2r2\frac{a}{a^2 - r^2}、半径 ra2r2\frac{r}{|a^2 - r^2|} の円である。
(2) CCCC' が一致するとき、aa が実数の場合は実軸上にあり、CCの中心が純虚数の場合は虚軸上にある。したがって、CC の中心 aa は実軸上または虚軸上にある。

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