数列 $\{a_n\}$ の極限を求める問題です。与えられた漸化式と初期条件に基づいて、(1)と(2)それぞれの数列の極限を求めます。

解析学数列極限漸化式等差数列特性方程式
2025/4/22

1. 問題の内容

数列 {an}\{a_n\} の極限を求める問題です。与えられた漸化式と初期条件に基づいて、(1)と(2)それぞれの数列の極限を求めます。

2. 解き方の手順

(1)
与えられた漸化式は an+2+an=2an+1a_{n+2} + a_n = 2a_{n+1} です。これは、an+2an+1=an+1ana_{n+2} - a_{n+1} = a_{n+1} - a_n と変形できます。これは、数列 {an+1an}\{a_{n+1} - a_n\} が等差数列であることを意味します。
a2a1=21=1a_2 - a_1 = 2 - 1 = 1 なので、数列 {an+1an}\{a_{n+1} - a_n\} は初項1の等差数列です。したがって、an+1an=1a_{n+1} - a_n = 1 が成り立ちます。
これから、an+1=an+1a_{n+1} = a_n + 1 となり、数列 {an}\{a_n\} は初項 a1=1a_1 = 1、公差1の等差数列であることがわかります。
よって、an=a1+(n1)1=1+(n1)=na_n = a_1 + (n-1) \cdot 1 = 1 + (n-1) = n です。
limnan=limnn=\lim_{n \to \infty} a_n = \lim_{n \to \infty} n = \infty となります。
(2)
与えられた漸化式は 3an+25an+1+2an=03a_{n+2} - 5a_{n+1} + 2a_n = 0 です。これを 3an+2=5an+12an3a_{n+2} = 5a_{n+1} - 2a_n と変形し、an+2=53an+123ana_{n+2} = \frac{5}{3} a_{n+1} - \frac{2}{3} a_n とします。
この漸化式の特性方程式は 3x25x+2=03x^2 - 5x + 2 = 0 です。
これを解くと、(3x2)(x1)=0(3x - 2)(x - 1) = 0 より、x=1,23x = 1, \frac{2}{3} となります。
したがって、数列 {an}\{a_n\} の一般項は、an=A1n+B(23)n=A+B(23)na_n = A \cdot 1^n + B \cdot (\frac{2}{3})^n = A + B (\frac{2}{3})^n と表されます。
初期条件 a1=0a_1 = 0a2=1a_2 = 1 を代入すると、
a1=A+B23=0a_1 = A + B \cdot \frac{2}{3} = 0
a2=A+B(23)2=1a_2 = A + B \cdot (\frac{2}{3})^2 = 1
この連立方程式を解きます。
A+23B=0A + \frac{2}{3}B = 0 より、A=23BA = -\frac{2}{3}B
A+49B=1A + \frac{4}{9}B = 1 に代入すると、23B+49B=1-\frac{2}{3}B + \frac{4}{9}B = 1
69B+49B=1-\frac{6}{9}B + \frac{4}{9}B = 1
29B=1-\frac{2}{9}B = 1
B=92B = -\frac{9}{2}
A=23(92)=3A = -\frac{2}{3} (-\frac{9}{2}) = 3
したがって、an=392(23)na_n = 3 - \frac{9}{2} (\frac{2}{3})^n となります。
limnan=limn(392(23)n)=3920=3\lim_{n \to \infty} a_n = \lim_{n \to \infty} (3 - \frac{9}{2} (\frac{2}{3})^n) = 3 - \frac{9}{2} \cdot 0 = 3

3. 最終的な答え

(1) \infty
(2) 33

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