与えられた積分の計算と、積分結果に絶対値記号が付く理由を説明する問題です。積分は $\int \frac{1}{x(x+1)} dx$ です。

解析学積分部分分数分解対数関数絶対値
2025/4/24

1. 問題の内容

与えられた積分の計算と、積分結果に絶対値記号が付く理由を説明する問題です。積分は 1x(x+1)dx\int \frac{1}{x(x+1)} dx です。

2. 解き方の手順

まず、被積分関数を部分分数分解します。
1x(x+1)=Ax+Bx+1\frac{1}{x(x+1)} = \frac{A}{x} + \frac{B}{x+1}
両辺に x(x+1)x(x+1) をかけると、
1=A(x+1)+Bx1 = A(x+1) + Bx
x=0x = 0 のとき、1=A(0+1)+B(0)1 = A(0+1) + B(0) より A=1A = 1
x=1x = -1 のとき、1=A(1+1)+B(1)1 = A(-1+1) + B(-1) より B=1B = -1
したがって、
1x(x+1)=1x1x+1\frac{1}{x(x+1)} = \frac{1}{x} - \frac{1}{x+1}
積分を計算します。
1x(x+1)dx=(1x1x+1)dx=1xdx1x+1dx\int \frac{1}{x(x+1)} dx = \int \left(\frac{1}{x} - \frac{1}{x+1}\right) dx = \int \frac{1}{x} dx - \int \frac{1}{x+1} dx
1xdx=logx+C1\int \frac{1}{x} dx = \log |x| + C_1
1x+1dx=logx+1+C2\int \frac{1}{x+1} dx = \log |x+1| + C_2
したがって、
1x(x+1)dx=logxlogx+1+C\int \frac{1}{x(x+1)} dx = \log |x| - \log |x+1| + C
対数の性質を用いて、
logxlogx+1=logxx+1\log |x| - \log |x+1| = \log \left| \frac{x}{x+1} \right|
したがって、
1x(x+1)dx=logxx+1+C\int \frac{1}{x(x+1)} dx = \log \left| \frac{x}{x+1} \right| + C
絶対値記号 | \cdot | が付く理由は、対数関数 log(u)\log(u) の定義域が u>0u > 0 であるためです。つまり、xxx+1x+1 が負の値を取る場合でも、log\log の引数が正になるように、絶対値記号を付けます。

3. 最終的な答え

1x(x+1)dx=logxx+1+C\int \frac{1}{x(x+1)} dx = \log \left| \frac{x}{x+1} \right| + C

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