(1) 関数 $f(x)$ が次のように定義されているとき、$f(x)$ が $x=0$ で連続であることを $\epsilon-\delta$ 論法を用いて証明する。 $$ f(x) = \begin{cases} \sqrt{|x|} \sin\left(\frac{1}{x}\right), & x \neq 0 \\ 0, & x = 0 \end{cases} $$ (2) $I=(a, b)$、$c \in (a, b)$とする。 $I$上の関数$f(x)$が$x=c$で連続ならば、$|f(x)|$も$x=c$で連続であることを$\epsilon-\delta$論法を使って証明する。

解析学連続性ε-δ論法三角不等式関数の極限
2025/4/24

1. 問題の内容

(1) 関数 f(x)f(x) が次のように定義されているとき、f(x)f(x)x=0x=0 で連続であることを ϵδ\epsilon-\delta 論法を用いて証明する。
f(x) = \begin{cases}
\sqrt{|x|} \sin\left(\frac{1}{x}\right), & x \neq 0 \\
0, & x = 0
\end{cases}
(2) I=(a,b)I=(a, b)c(a,b)c \in (a, b)とする。 II上の関数f(x)f(x)x=cx=cで連続ならば、f(x)|f(x)|x=cx=cで連続であることをϵδ\epsilon-\delta論法を使って証明する。

2. 解き方の手順

(1) x=0x=0 で連続であることを示すには、任意の ϵ>0\epsilon > 0 に対して、ある δ>0\delta > 0 が存在し、x0<δ|x-0| < \delta ならば f(x)f(0)<ϵ|f(x)-f(0)| < \epsilon となることを示せばよい。
f(0)=0f(0) = 0 であるから、f(x)f(0)=f(x)=xsin(1x)|f(x)-f(0)| = |f(x)| = |\sqrt{|x|} \sin\left(\frac{1}{x}\right)| である。
sin(1x)1|\sin\left(\frac{1}{x}\right)| \le 1 より、
|\sqrt{|x|} \sin\left(\frac{1}{x}\right)| \le \sqrt{|x|}
ϵ>0\epsilon > 0 に対して、δ=ϵ2\delta = \epsilon^2 とおくと、x<δ|x| < \delta ならば x<δ=ϵ\sqrt{|x|} < \sqrt{\delta} = \epsilon となる。
したがって、x<δ|x| < \delta ならば f(x)f(0)x<ϵ|f(x) - f(0)| \le \sqrt{|x|} < \epsilon となるので、f(x)f(x)x=0x=0 で連続である。
(2) f(x)f(x)x=cx=c で連続であるとする。これは、任意の ϵ>0\epsilon > 0 に対して、ある δ>0\delta > 0 が存在し、xc<δ|x-c| < \delta ならば f(x)f(c)<ϵ|f(x)-f(c)| < \epsilon となることを意味する。
f(x)|f(x)|x=cx=c で連続であることを示すには、任意の ϵ>0\epsilon > 0 に対して、ある δ>0\delta > 0 が存在し、xc<δ|x-c| < \delta ならば f(x)f(c)<ϵ||f(x)|-|f(c)||<\epsilon となることを示せばよい。
三角不等式より、f(x)f(c)f(x)f(c)||f(x)|-|f(c)|| \le |f(x)-f(c)| が成り立つ。
f(x)f(x)x=cx=c で連続であるから、任意の ϵ>0\epsilon > 0 に対して、ある δ>0\delta > 0 が存在し、xc<δ|x-c| < \delta ならば f(x)f(c)<ϵ|f(x)-f(c)| < \epsilon となる。
したがって、xc<δ|x-c| < \delta ならば f(x)f(c)f(x)f(c)<ϵ||f(x)|-|f(c)|| \le |f(x)-f(c)| < \epsilon となるので、f(x)|f(x)|x=cx=c で連続である。

3. 最終的な答え

(1) f(x)f(x)x=0x=0で連続である。
(2) f(x)|f(x)|x=cx=cで連続である。

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