与えられた問題は、三角関数に関する3つの部分から構成されています。 (1) $0^\circ < \alpha < 90^\circ$ の範囲で $\cos 2\alpha = \cos 3\alpha$ を満たす $\alpha$ の値を求めます。 (2) 三角関数の加法定理と2倍角の公式を用いて、$\cos 3\theta = 4\cos^3 \theta - 3\cos \theta$ を示します。 (3) (1)で求めた $\alpha$ の値に対して、$\cos \alpha$ の値を求めます。

1. 問題の内容

与えられた問題は、三角関数に関する3つの部分から構成されています。

(1) $0^\circ < \alpha < 90^\circ$ の範囲で $\cos 2\alpha = \cos 3\alpha$ を満たす $\alpha$ の値を求めます。

(2) 三角関数の加法定理と2倍角の公式を用いて、$\cos 3\theta = 4\cos^3 \theta - 3\cos \theta$ を示します。

(3) (1)で求めた $\alpha$ の値に対して、$\cos \alpha$ の値を求めます。

2. 解き方の手順

(1) $\cos 2\alpha = \cos 3\alpha$ を満たす $\alpha$ を求めます。三角関数の性質より、

$\cos x = \cos y \iff x = \pm y + 360^\circ n$ ($n$は整数)

したがって、

$2\alpha = 3\alpha + 360^\circ n$ または $2\alpha = -3\alpha + 360^\circ n$

前者の場合、$\alpha = -360^\circ n$ となり、$0^\circ < \alpha < 90^\circ$ を満たす解は存在しません。

後者の場合、$5\alpha = 360^\circ n$ より $\alpha = 72^\circ n$ となります。

$0^\circ < \alpha < 90^\circ$ を満たすのは $n=1$ のときで、$\alpha = 72^\circ$ です。

(2) $\cos 3\theta = 4\cos^3 \theta - 3\cos \theta$ を示します。

$\cos 3\theta = \cos(2\theta + \theta)$ と考え、加法定理を用います。

$\cos(2\theta + \theta) = \cos 2\theta \cos \theta - \sin 2\theta \sin \theta$

2倍角の公式 $\cos 2\theta = 2\cos^2 \theta - 1$ および $\sin 2\theta = 2\sin \theta \cos \theta$ を代入すると、

$\cos 3\theta = (2\cos^2 \theta - 1)\cos \theta - (2\sin \theta \cos \theta)\sin \theta$

$= 2\cos^3 \theta - \cos \theta - 2\sin^2 \theta \cos \theta$

$\sin^2 \theta = 1 - \cos^2 \theta$ を代入すると、

$\cos 3\theta = 2\cos^3 \theta - \cos \theta - 2(1 - \cos^2 \theta) \cos \theta$

$= 2\cos^3 \theta - \cos \theta - 2\cos \theta + 2\cos^3 \theta$

$= 4\cos^3 \theta - 3\cos \theta$

(3) $\alpha = 72^\circ$ のとき、$\cos \alpha$ の値を求めます。

$\cos 72^\circ = \cos (2 \times 36^\circ)$ なので2倍角の公式を利用します。しかし、直接値を求めるのは難しいので、別の方法を考えます。

$\alpha = 72^\circ$ のとき、$5\alpha = 360^\circ$ なので、$3\alpha = 360^\circ - 2\alpha$ が成り立ちます。

$\cos 3\alpha = \cos(360^\circ - 2\alpha) = \cos 2\alpha$

したがって、$\cos 3\alpha = \cos 2\alpha$ が成り立ちます。(1)の条件と同じです。

(2)で示したように、$\cos 3\alpha = 4\cos^3 \alpha - 3\cos \alpha$ であり、$\cos 2\alpha = 2\cos^2 \alpha - 1$ です。

したがって、$4\cos^3 \alpha - 3\cos \alpha = 2\cos^2 \alpha - 1$

$x = \cos \alpha$ とおくと、$4x^3 - 2x^2 - 3x + 1 = 0$

$(x-1)(4x^2 + 2x - 1) = 0$

$\alpha = 72^\circ$ のとき、$\cos \alpha \neq 1$ なので、$4x^2 + 2x - 1 = 0$ を解きます。

$x = \frac{-2 \pm \sqrt{4 - 4(4)(-1)}}{8} = \frac{-2 \pm \sqrt{20}}{8} = \frac{-1 \pm \sqrt{5}}{4}$

$0^\circ < \alpha < 90^\circ$ より $\cos \alpha > 0$ なので、$\cos \alpha = \frac{-1 + \sqrt{5}}{4}$

3. 最終的な答え

(1) $\alpha = 72^\circ$

(2) $\cos 3\theta = 4\cos^3 \theta - 3\cos \theta$ (証明完了)

(3) $\cos \alpha = \frac{-1 + \sqrt{5}}{4}$