楕円 $C_1: \frac{x^2}{9} + \frac{y^2}{5} = 1$ の焦点を $F, F'$ とする。ただし、$F$ の $x$ 座標は正とする。正の実数 $m$ に対し、2直線 $y = mx, y = -mx$ を漸近線にもち、2点 $F, F'$ を焦点とする双曲線を $C_2$ とする。第1象限にある $C_1$ と $C_2$ の交点を $P$ とする。 (1) $C_2$ の方程式を $m$ を用いて表せ。 (2) 線分 $FP$ および線分 $F'P$ の長さを $m$ を用いて表せ。 (3) $\angle F'PF = 60^\circ$ となる $m$ の値を求めよ。

幾何学楕円双曲線焦点漸近線余弦定理
2025/4/27

1. 問題の内容

楕円 C1:x29+y25=1C_1: \frac{x^2}{9} + \frac{y^2}{5} = 1 の焦点を F,FF, F' とする。ただし、FFxx 座標は正とする。正の実数 mm に対し、2直線 y=mx,y=mxy = mx, y = -mx を漸近線にもち、2点 F,FF, F' を焦点とする双曲線を C2C_2 とする。第1象限にある C1C_1C2C_2 の交点を PP とする。
(1) C2C_2 の方程式を mm を用いて表せ。
(2) 線分 FPFP および線分 FPF'P の長さを mm を用いて表せ。
(3) FPF=60\angle F'PF = 60^\circ となる mm の値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
まず、楕円 C1:x29+y25=1C_1: \frac{x^2}{9} + \frac{y^2}{5} = 1 の焦点を求める。a2=9,b2=5a^2 = 9, b^2 = 5 より、c2=a2b2=95=4c^2 = a^2 - b^2 = 9 - 5 = 4。よって、c=2c = 2 なので、焦点は F(2,0),F(2,0)F(2, 0), F'(-2, 0) となる。
次に、双曲線 C2C_2 の方程式を求める。C2C_2y=±mxy = \pm mx を漸近線に持つので、x2a2y2b2=1\frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = 1 とおくと、ba=m\frac{b}{a} = m より、b=amb = am。また、F(2,0)F(2, 0) が焦点なので、a2+b2=4a^2 + b^2 = 4。したがって、a2+(am)2=4a^2 + (am)^2 = 4。よって、a2(1+m2)=4a^2(1 + m^2) = 4 より、a2=41+m2a^2 = \frac{4}{1 + m^2}
このとき、b2=4a2=441+m2=4m21+m2b^2 = 4 - a^2 = 4 - \frac{4}{1 + m^2} = \frac{4m^2}{1 + m^2}。したがって、双曲線 C2C_2 の方程式は
x241+m2y24m21+m2=1\frac{x^2}{\frac{4}{1+m^2}} - \frac{y^2}{\frac{4m^2}{1+m^2}} = 1
(1+m2)x24(1+m2)y24m2=1\frac{(1+m^2)x^2}{4} - \frac{(1+m^2)y^2}{4m^2} = 1
(1+m2)x21+m2m2y2=4(1+m^2)x^2 - \frac{1+m^2}{m^2} y^2 = 4
x241+m2y24m21+m2=1\frac{x^2}{\frac{4}{1+m^2}} - \frac{y^2}{\frac{4m^2}{1+m^2}} = 1
(1+m2)x24(1+m2)y24m2=1\frac{(1+m^2) x^2}{4} - \frac{(1+m^2) y^2}{4m^2} = 1.
よって,C2C_2 の方程式は x241+m2y24m21+m2=1\frac{x^2}{\frac{4}{1+m^2}} - \frac{y^2}{\frac{4m^2}{1+m^2}} = 1 である。
(2)
C1C_1 上の点を P(x,y)P(x, y) とすると、楕円の定義より、FP+FP=2a=2×3=6FP + F'P = 2a = 2 \times 3 = 6。また、C2C_2 上の点なので、双曲線の定義より、FPFP=2a=241+m2=41+m2|FP - F'P| = 2a = 2 \sqrt{\frac{4}{1+m^2}} = \frac{4}{\sqrt{1+m^2}}
FP>0,FP>0FP > 0, F'P > 0 であるから、FP+FP=6FP + F'P = 6FPFP=41+m2F'P - FP = \frac{4}{\sqrt{1+m^2}} を連立すると、
2FP=6+41+m22F'P = 6 + \frac{4}{\sqrt{1+m^2}} より、FP=3+21+m2F'P = 3 + \frac{2}{\sqrt{1+m^2}}
2FP=641+m22FP = 6 - \frac{4}{\sqrt{1+m^2}} より、FP=321+m2FP = 3 - \frac{2}{\sqrt{1+m^2}}
(3)
FPF=60\angle F'PF = 60^\circ より、余弦定理を用いると、
FF2=FP2+FP22FPFPcos60F'F^2 = FP^2 + F'P^2 - 2 FP \cdot F'P \cos 60^\circ
42=(321+m2)2+(3+21+m2)22(321+m2)(3+21+m2)124^2 = \left(3 - \frac{2}{\sqrt{1+m^2}}\right)^2 + \left(3 + \frac{2}{\sqrt{1+m^2}}\right)^2 - 2 \left(3 - \frac{2}{\sqrt{1+m^2}}\right) \left(3 + \frac{2}{\sqrt{1+m^2}}\right) \frac{1}{2}
16=9121+m2+41+m2+9+121+m2+41+m2(941+m2)16 = 9 - \frac{12}{\sqrt{1+m^2}} + \frac{4}{1+m^2} + 9 + \frac{12}{\sqrt{1+m^2}} + \frac{4}{1+m^2} - \left(9 - \frac{4}{1+m^2}\right)
16=18+81+m29+41+m2=9+121+m216 = 18 + \frac{8}{1+m^2} - 9 + \frac{4}{1+m^2} = 9 + \frac{12}{1+m^2}
7=121+m27 = \frac{12}{1+m^2}
7(1+m2)=127(1 + m^2) = 12
7m2=57m^2 = 5
m2=57m^2 = \frac{5}{7}
m=57=357m = \sqrt{\frac{5}{7}} = \frac{\sqrt{35}}{7}

3. 最終的な答え

(1) C2C_2 の方程式: (1+m2)x24(1+m2)y24m2=1\frac{(1+m^2) x^2}{4} - \frac{(1+m^2) y^2}{4m^2} = 1
(2) FP=321+m2FP = 3 - \frac{2}{\sqrt{1+m^2}}, FP=3+21+m2F'P = 3 + \frac{2}{\sqrt{1+m^2}}
(3) m=357m = \frac{\sqrt{35}}{7}

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