この問題は、関数が「十分大きいところで狭義単調増加」であることの定義に基づき、与えられた関数に対してそれが成り立つかどうかを判定するものです。具体的には、以下の3つの問いに答える必要があります。 (1) 関数 $y=f(x)$ が「十分大きいところで狭義単調増加」であることを論理式で表す。 (2) 関数 $y=f(x)$ が「十分大きいところで狭義単調増加」でないことを論理式で表す(ただし、最終的な答えに否定は入らない形にする)。 (3) 具体的な関数 $f(x)$ が与えられたときに、「十分大きいところで狭義単調増加」であるかどうかを判定し、その根拠を述べる。 ここで、$f(x)$は以下のように定義されています。 $f(x) = \begin{cases} 2025x & \text{if } x \text{ is an integer} \\ x^2 & \text{if } x \text{ is not an integer} \end{cases}$

解析学単調増加関数の定義論理式不等式
2025/4/28

1. 問題の内容

この問題は、関数が「十分大きいところで狭義単調増加」であることの定義に基づき、与えられた関数に対してそれが成り立つかどうかを判定するものです。具体的には、以下の3つの問いに答える必要があります。
(1) 関数 y=f(x)y=f(x) が「十分大きいところで狭義単調増加」であることを論理式で表す。
(2) 関数 y=f(x)y=f(x) が「十分大きいところで狭義単調増加」でないことを論理式で表す(ただし、最終的な答えに否定は入らない形にする)。
(3) 具体的な関数 f(x)f(x) が与えられたときに、「十分大きいところで狭義単調増加」であるかどうかを判定し、その根拠を述べる。
ここで、f(x)f(x)は以下のように定義されています。
f(x)={2025xif x is an integerx2if x is not an integerf(x) = \begin{cases} 2025x & \text{if } x \text{ is an integer} \\ x^2 & \text{if } x \text{ is not an integer} \end{cases}

2. 解き方の手順

(1) 「十分大きいところで狭義単調増加」の定義を論理式で表します。定義より、ある実数 CC が存在して、Cx1<x2C \leq x_1 < x_2 を満たす任意の実数 x1,x2x_1, x_2 に対して f(x1)<f(x2)f(x_1) < f(x_2) が成り立つことを表せばよいです。
(2) 「十分大きいところで狭義単調増加」でないことを論理式で表します。これは、(1)の否定をとればよいですが、最終的な答えに否定が入らないようにする必要があります。
(3) 与えられた関数 f(x)f(x) が「十分大きいところで狭義単調増加」であるかを判定します。これは、xx が整数の場合と整数でない場合に分けて考え、十分大きい xx に対して、f(x)f(x) が単調増加であるかどうかを調べます。

3. 最終的な答え

(1) 関数 y=f(x)y=f(x) が「十分大きいところで狭義単調増加」であることの論理式:
CR,x1,x2R,(Cx1<x2    f(x1)<f(x2))\exists C \in \mathbb{R}, \forall x_1, x_2 \in \mathbb{R}, (C \leq x_1 < x_2 \implies f(x_1) < f(x_2))
(2) 関数 y=f(x)y=f(x) が「十分大きいところで狭義単調増加」でないことの論理式:
CR,x1,x2R,(Cx1<x2f(x1)f(x2))\forall C \in \mathbb{R}, \exists x_1, x_2 \in \mathbb{R}, (C \leq x_1 < x_2 \land f(x_1) \geq f(x_2))
(3) 関数 f(x)f(x) が「十分大きいところで狭義単調増加」であるかの判定:
f(x)={2025xif x is an integerx2if x is not an integerf(x) = \begin{cases} 2025x & \text{if } x \text{ is an integer} \\ x^2 & \text{if } x \text{ is not an integer} \end{cases}
結論:関数f(x)f(x)は「十分大きいところで狭義単調増加」ではありません。
根拠:
ある任意の整数 NN を考えます。区間 [N,N+1][N, N+1] を考えます。
x1=Nx_1 = N, x2=N+0.5x_2 = N + 0.5 とすると、 x1,x2[N,N+1]x_1, x_2 \in [N, N+1] であり、x1<x2x_1 < x_2 が成り立ちます。
f(x1)=f(N)=2025Nf(x_1) = f(N) = 2025N です。
f(x2)=f(N+0.5)=(N+0.5)2=N2+N+0.25f(x_2) = f(N+0.5) = (N+0.5)^2 = N^2 + N + 0.25 です。
十分大きいNNに対して、2025N<N2+N+0.252025N < N^2 + N + 0.25 が成り立つかどうかを調べます。
これは、N22024N+0.25>0N^2 - 2024N + 0.25 > 0 と同値です。
NN が十分大きいとき、N2N^22024N2024N よりも大きくなるため、この不等式は成り立ちます。
例えば、N>2024N > 2024 ならば、N2>2024NN^2 > 2024N より N22024N>0N^2 - 2024N > 0 となります。
しかし、今度は、x1=N+0.5x_1=N+0.5, x2=N+1x_2=N+1とすると、x1<x2x_1<x_2であり、
f(x1)=(N+0.5)2=N2+N+0.25f(x_1)=(N+0.5)^2=N^2+N+0.25
f(x2)=2025(N+1)=2025N+2025f(x_2)=2025(N+1)=2025N+2025
今度は十分大きいNNで、f(x1)>f(x2)f(x_1) > f(x_2)となる可能性がある。
実際に、N=1000000N=1000000とすると、
f(x1)=(1000000+0.5)2=1012+106+0.251012f(x_1) = (1000000+0.5)^2 = 10^{12} + 10^6 + 0.25 \approx 10^{12}
f(x2)=2025(1000000+1)=2025000000+20252.025×109f(x_2) = 2025(1000000+1) = 2025000000+2025 \approx 2.025 \times 10^{9}
この場合、f(x1)>f(x2)f(x_1) > f(x_2)
したがって、いくら大きな CC を取っても、C<x1<x2C < x_1 < x_2 かつ f(x1)>f(x2)f(x_1) > f(x_2) となる x1,x2x_1, x_2 が存在するので、「十分大きいところで狭義単調増加」ではありません。

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