全体集合$U$を有理数$x$で、$0 < x < 10$を満たすものとする。 部分集合$A$、$B$、$C$を以下のように定義する。 $A = \{x | x \in U かつ xは整数\}$ $B = \{x | x \in U かつ 3xは整数\}$ $C = \{x | x \in U かつ \sqrt{3}xは整数\}$ (1) $B$の要素のうち、最小のものと最大のものを求める。 (2) 次の(I), (II), (III)の正誤の組み合わせとして正しいものを選択肢から選ぶ。 (I) $\sqrt{3} \in \overline{A}$ (II) $\frac{4}{3} \in B$ (III) $A \cap \overline{B} = \emptyset$ (3) $A \cap C$の要素を一つ挙げ、$B \cap C$の要素のうち、小さい方から2番目のものを求める。

数論集合有理数整数の性質根号
2025/4/29

1. 問題の内容

全体集合UUを有理数xxで、0<x<100 < x < 10を満たすものとする。
部分集合AABBCCを以下のように定義する。
A={xxUかつxは整数}A = \{x | x \in U かつ xは整数\}
B={xxUかつ3xは整数}B = \{x | x \in U かつ 3xは整数\}
C={xxUかつ3xは整数}C = \{x | x \in U かつ \sqrt{3}xは整数\}
(1) BBの要素のうち、最小のものと最大のものを求める。
(2) 次の(I), (II), (III)の正誤の組み合わせとして正しいものを選択肢から選ぶ。
(I) 3A\sqrt{3} \in \overline{A}
(II) 43B\frac{4}{3} \in B
(III) AB=A \cap \overline{B} = \emptyset
(3) ACA \cap Cの要素を一つ挙げ、BCB \cap Cの要素のうち、小さい方から2番目のものを求める。

2. 解き方の手順

(1) BBの要素は、3x3xが整数となるような有理数xxで、0<x<100 < x < 10を満たすものである。
3x=13x = 1 のとき x=13x = \frac{1}{3}であり、これが最小の要素となる。
3x=293x = 29 のとき x=293=923x = \frac{29}{3} = 9\frac{2}{3}であり、3x=303x = 30とするとx=10x = 10となり0<x<100 < x < 10を満たさない。よってx=293x = \frac{29}{3}が最大の要素となる。
(2) (I) 3\sqrt{3}は無理数なので、AAの要素ではない。よって3A\sqrt{3} \in \overline{A}は正しい。
(II) 43B\frac{4}{3} \in Bとは、3×43=43 \times \frac{4}{3} = 4 が整数なので、BBの要素である。正しい。
(III) AB=A \cap \overline{B} = \emptysetとは、AAの要素で、BBの要素でないものが存在しないということである。
AAの要素は1,2,3,4,5,6,7,8,91, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9である。
BBの要素は13,23,1,43,53,2,,263,283,923=293\frac{1}{3}, \frac{2}{3}, 1, \frac{4}{3}, \frac{5}{3}, 2, \dots, \frac{26}{3}, \frac{28}{3}, 9\frac{2}{3} = \frac{29}{3}である。
AAの要素でBBの要素でもあるものは、3x3xが整数となるときなので、x=1,2,3,4,5,6,7,8,9x = 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9であれば、3x3xも整数である。
3x3xが整数になるためには、xxが整数のときx=1,2,3,4,5,6,7,8,9x = 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9である必要がある。
xxが整数のとき、3x3xは整数となるので、xBx \in Bである。
つまり、AAの要素は全てBBの要素でもあるので、AB=A \cap \overline{B} = \emptysetは正しい。
(I) 正、(II) 正、(III) 正なので、選択肢0が正しい。
(3) xACx \in A \cap Cとは、xxが整数かつ3x\sqrt{3}xが整数となる有理数である。
xxが整数のとき、3x\sqrt{3}xが整数になるためには、x=0x = 0しかありえない。しかし、0<x<100 < x < 10を満たす必要があるため、x=0x = 0は不適である。
CCの要素は3x\sqrt{3}xが整数となる有理数xxであるので、x=n3=n33x = \frac{n}{\sqrt{3}} = \frac{n\sqrt{3}}{3} (nは整数)と表せる。xUx \in Uより0<x<100 < x < 10である必要があるので、0<n33<100 < \frac{n\sqrt{3}}{3} < 10である。
xxが整数となるためには、n=0n = 0しかない。しかしn=0n=0とするとx=0x = 0となるので、AC=A \cap C = \emptysetである。
BCB \cap Cの要素は、3x3x3x\sqrt{3}xがともに整数となる有理数xxである。
3x=m3x = m (mmは整数) と 3x=n\sqrt{3}x = n (nnは整数) とする。
x=m3=n3x = \frac{m}{3} = \frac{n}{\sqrt{3}} なので、3m=3n\sqrt{3} m = 3nである。
m=n3m = n \sqrt{3}となるので、mmnnが整数であるためには、m=n=0m = n = 0である必要がある。
m=n=0m = n = 0のとき、x=0x = 0となり、x>0x > 0に反する。
x=k3x = k \sqrt{3} (kは有理数)とする。
BBの要素は3k33k\sqrt{3}が整数なので、k=p3k = \frac{p}{\sqrt{3}} (pは整数)となる。x=px = pとなる。
CCの要素は3k3=3k\sqrt{3}k\sqrt{3} = 3kが整数なので、k=q3k = \frac{q}{3} (qは整数)となる。x=q33x = \frac{q\sqrt{3}}{3}となる。
BCB \cap Cの要素は、x=p=q33x = p = \frac{q\sqrt{3}}{3}なので、p=0p = 0かつq=0q = 0となる。
x=0x = 0となり、x>0x > 0に反する。
よって、BCB \cap Cには要素が存在しない。

3. 最終的な答え

カ:1
キ:3
クケ:29
コ:3
サ:0
シ:なし (A∩C は空集合)
ス:存在しない
セ:B∩Cにも要素は存在しない

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