1. 問題の内容
箱ひげ図から情報を読み取り、いくつかの統計的な問題を解く。
2. 解き方の手順
(1) 1回目の小テストの箱ひげ図から、中央値(メジアン)と第3四分位数を読み取る。
- 中央値は箱の中央の線なので、8点。
- 第3四分位数は箱の右端なので、16点。
(2) 箱ひげ図から読み取れる内容として、次の①~④のうち正しいものを選択する。
- ① 1回目の小テストと2回目の小テストの四分位範囲は等しい。 四分位範囲は箱の幅なので、1回目の四分位範囲は約16-4=12点、2回目の四分位範囲は約14-6=8点となり、等しくない。
- ② 3回の小テストのいずれも、上位1/3に入るすべての生徒が18点以上の得点である。箱ひげ図の上端は最大値を示し、3回目の小テストの最大値は20点なので、誤り。
- ③ 3回の小テストのいずれも、上位2/3に入るすべての生徒が10点以上の得点である。箱ひげ図の下端は最小値を示し、1回目の小テストの最小値は0点なので、誤り。
- ④ ある生徒は3回の小テストですべて20点をとっている。 箱ひげ図の上端は最大値を示し、2回目の小テストの最大値は16点なので、誤り。
- ⑤ 3回目の小テストで、14点をとった生徒がいる。 3回目の小テストの中央値は12点なので、誤り。
(3) このクラスに転校してきた1人の生徒が3回目の小テストを受けたところ、得点が16点であり、これは15人の得点の平均値に等しかった。3回目のもとの15人の得点についてのデータをA、転校してきた生徒の得点を含めた16人の得点についてのデータをBとする。このとき、データAとデータBについて述べた次の(i)~(iii)の三つの文がある。
- (i) データAの中央値はデータBの中央値以上である。 3回目の箱ひげ図を見ると、中央値は12点であり、16点を追加すると中央値は増加または変わらないので、誤り。
- (ii) データAの分散とデータBの分散は等しい。 平均値は変わらず、追加された16点はデータAの中央値とほぼ同じであるため、データAの分散とデータBの分散はほぼ等しいので、正しい。
- (iii) データAの平均値とデータBの平均値は等しい。 問題文より、正しい。
よって、(ii)と(iii)が正しい。
(4) 各回の15人の生徒のデータにおいて、次の得点を外れ値とする。
- 「(第1四分位数)-1.5×(四分位範囲)」 以下のすべての値
- 「(第3四分位数)+1.5×(四分位範囲)」以上のすべての値
3回の小テストで少なくとも1回外れ値の得点であった生徒は?
3. 最終的な答え
(1) アイ: 8, ウエ: 16
(2) オ: 答えなし
(3) カ: 答えなし
(4) キ: ①
(5) ク: ②