80人の学生にアンケートを行ったところ、スポーツ番組が好きな人は60人、クイズ番組が好きな人は40人だった。ニュース番組が好きな人は70人いるとする。スポーツ番組、クイズ番組、ニュース番組のいずれも好きな人の人数を$y$人とする時、$y$の最小値を求める。

確率論・統計学集合包除原理最小値
2025/4/29

1. 問題の内容

80人の学生にアンケートを行ったところ、スポーツ番組が好きな人は60人、クイズ番組が好きな人は40人だった。ニュース番組が好きな人は70人いるとする。スポーツ番組、クイズ番組、ニュース番組のいずれも好きな人の人数をyy人とする時、yyの最小値を求める。

2. 解き方の手順

まず、スポーツ番組、クイズ番組、ニュース番組をそれぞれAA, BB, CCとします。
それぞれの好きな人の人数をn(A)=60n(A)=60, n(B)=40n(B)=40, n(C)=70n(C)=70とします。
また、全体集合をUUとし、n(U)=80n(U)=80とします。
yyAA, BB, CCの少なくとも一つが好きな人の人数なので、y=n(ABC)y=n(A \cup B \cup C)となります。
yyの最小値を求めるためには、ABCA \cup B \cup Cに含まれない人の数を最大にする必要があります。つまり、ABCA \cup B \cup Cの補集合に含まれる人数を最大にする。
包除原理より、
n(ABC)=n(A)+n(B)+n(C)n(AB)n(BC)n(CA)+n(ABC)n(A \cup B \cup C) = n(A) + n(B) + n(C) - n(A \cap B) - n(B \cap C) - n(C \cap A) + n(A \cap B \cap C)
y=60+40+70n(AB)n(BC)n(CA)+n(ABC)=170n(AB)n(BC)n(CA)+n(ABC)y = 60 + 40 + 70 - n(A \cap B) - n(B \cap C) - n(C \cap A) + n(A \cap B \cap C) = 170 - n(A \cap B) - n(B \cap C) - n(C \cap A) + n(A \cap B \cap C)
ここで、n(ABC)n(U)=80n(A \cup B \cup C) \leq n(U) = 80です。
また、n(ABC)=n(U)n((ABC)c)n(A \cup B \cup C) = n(U) - n((A \cup B \cup C)^c)
n((ABC)c)n((A \cup B \cup C)^c)を最大にするということは、n(ABC)n(A \cup B \cup C)を最小にするということ。
ABCUA \cup B \cup C \subseteq Uより、n(ABC)n(U)=80n(A \cup B \cup C) \leq n(U) = 80
n(ABC)n(A)+n(B)+n(C)n(U)n(U)=60+40+708080=10n(A \cup B \cup C) \geq n(A) + n(B) + n(C) - n(U) - n(U) = 60+40+70 - 80 - 80 = 10
また、n(ABC)=n(A)+n(B)+n(C)n(AB)n(AC)n(BC)+n(ABC)n(A \cup B \cup C) = n(A) + n(B) + n(C) - n(A \cap B) - n(A \cap C) - n(B \cap C) + n(A \cap B \cap C)
y=n(ABC)y = n(A \cup B \cup C)の最小値を求める。
n(A)+n(B)+n(C)=60+40+70=170n(A) + n(B) + n(C) = 60+40+70 = 170
ABCUA \cup B \cup C \subseteq Uより、y80y \leq 80
また、ABCA \cup B \cup CはA, B, Cを全て含むので、大きい方の数を足した方が小さくなる。
n(A)+n(B)>n(U)n(A) + n(B) > n(U)なので、少なくともn(AB)n(A \cap B)が存在する。
n(AB)n(A)+n(B)n(U)=60+4080=20n(A \cap B) \geq n(A) + n(B) - n(U) = 60 + 40 - 80 = 20
同様に、n(AC)60+7080=50n(A \cap C) \geq 60+70-80 = 50, n(BC)40+7080=30n(B \cap C) \geq 40+70-80 = 30
n(ABC)60+40+70(n(AB)+n(AC)+n(BC))+0=170(n(AB)+n(AC)+n(BC))n(A \cup B \cup C) \geq 60+40+70 - (n(A \cap B)+n(A \cap C)+n(B \cap C)) + 0 = 170 - (n(A \cap B)+n(A \cap C)+n(B \cap C))
n(ABC)n(A \cup B \cup C)が最小になるのは、n(A),n(B),n(C)n(A), n(B), n(C)が極力重なっているとき。
つまり、n(ABC)n(A \cup B \cup C)の最小値は、3つの和が80を超えない最大の数。
60+40+70=17060 + 40 + 70 = 170
17080=90170 - 80 = 90
n(AB)+n(BC)+n(AC)n(ABC)n(A \cap B) + n(B \cap C) + n(A \cap C) - n(A \cap B \cap C)を最大にする。
n(ABC)80n(A \cup B \cup C) \leq 80
n(ABC)70n(A \cup B \cup C) \geq 70
8060=2080-60=20, 8040=4080-40=40, 8070=1080-70=10.
y=80(8060)(8040)(8070)=80(20+40+10)=8070=10y=80-(80-60)-(80-40)-(80-70)= 80-(20+40+10) =80-70=10
80(20+40+10)=1080-(20+40+10)=10

3. 最終的な答え

70

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