点Pから放物線 $y = x^2$ に2本の接線を引くことができ、それらの接点をA, Bとするとき、$\angle APB = \frac{\pi}{4}$ を満たしながら動く。このような点Pの軌跡を求めよ。

幾何学放物線接線軌跡微分三角関数
2025/4/29

1. 問題の内容

点Pから放物線 y=x2y = x^2 に2本の接線を引くことができ、それらの接点をA, Bとするとき、APB=π4\angle APB = \frac{\pi}{4} を満たしながら動く。このような点Pの軌跡を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、点Pの座標を (p,q)(p, q) とおく。放物線 y=x2y = x^2 上の点 (t,t2)(t, t^2) における接線の方程式は、
y=2xy' = 2x より、yx=t=2ty'|_{x=t} = 2t なので、
yt2=2t(xt)y - t^2 = 2t(x - t)
y=2txt2y = 2tx - t^2
この接線が点P(p,q)(p, q) を通るから、
q=2tpt2q = 2tp - t^2
t22pt+q=0t^2 - 2pt + q = 0
この tt に関する2次方程式は、点Pから放物線に引ける接線の接点の xx 座標を表す。問題文より、点Pから2本の接線が引けるので、この2次方程式は異なる2つの実数解を持つ。
したがって、判別式をDDとすると、
D/4=p2q>0D/4 = p^2 - q > 0
q<p2q < p^2
2つの接点の xx 座標を t1,t2t_1, t_2 とすると、t1,t2t_1, t_2t22pt+q=0t^2 - 2pt + q = 0 の解なので、解と係数の関係より、
t1+t2=2pt_1 + t_2 = 2p
t1t2=qt_1 t_2 = q
直線AP, BP の傾きをそれぞれ m1,m2m_1, m_2 とすると、
m1=t12qt1p=t122t1p+t12t1p=t1(t12p)t1p=t1(t1t1t2)t1p=t1t2t1pm_1 = \frac{t_1^2 - q}{t_1 - p} = \frac{t_1^2 - 2t_1 p + t_1^2}{t_1 - p} = \frac{t_1(t_1 - 2p)}{t_1 - p}= \frac{t_1(t_1 - t_1 - t_2)}{t_1 - p}= \frac{-t_1 t_2}{t_1 - p}
m1=qt12pt1=2pt1t12t12pt1=2pt12t12pt1=2t1(pt1)pt1=2t1m_1 = \frac{q-t_1^2}{p-t_1} = \frac{2pt_1-t_1^2-t_1^2}{p-t_1} = \frac{2pt_1-2t_1^2}{p-t_1} = \frac{2t_1(p-t_1)}{p-t_1}=2t_1
同様に、m2=2t2m_2 = 2t_2
APB=π4\angle APB = \frac{\pi}{4} より、tan(APB)=1\tan(\angle APB) = 1 であるから、
m1m21+m1m2=1\left|\frac{m_1 - m_2}{1 + m_1 m_2}\right| = 1
2t12t21+4t1t2=1\left|\frac{2t_1 - 2t_2}{1 + 4t_1 t_2}\right| = 1
2(t1t2)1+4q=1\left|\frac{2(t_1 - t_2)}{1 + 4q}\right| = 1
4(t1t2)2=(1+4q)24(t_1 - t_2)^2 = (1 + 4q)^2
4((t1+t2)24t1t2)=(1+4q)24((t_1 + t_2)^2 - 4t_1 t_2) = (1 + 4q)^2
4(4p24q)=(1+4q)24(4p^2 - 4q) = (1 + 4q)^2
16p216q=1+8q+16q216p^2 - 16q = 1 + 8q + 16q^2
16p2=16q2+24q+116p^2 = 16q^2 + 24q + 1
q2+32q+116=p2q^2 + \frac{3}{2} q + \frac{1}{16} = p^2
(q+34)2(34)2+116=p2(q + \frac{3}{4})^2 - (\frac{3}{4})^2 + \frac{1}{16} = p^2
(q+34)2p2=916116=816=12(q + \frac{3}{4})^2 - p^2 = \frac{9}{16} - \frac{1}{16} = \frac{8}{16} = \frac{1}{2}
(q+34)2p2=12(q + \frac{3}{4})^2 - p^2 = \frac{1}{2}
(y+34)2x2=12(y + \frac{3}{4})^2 - x^2 = \frac{1}{2}
(y+34)2x2=12(y + \frac{3}{4})^2 - x^2 = \frac{1}{2}
y=x2y = x^2の上に点Pが存在するため、q<p2q < p^2
(q+34)2p2=12(q + \frac{3}{4})^2 - p^2 = \frac{1}{2} より q+34>0q + \frac{3}{4} > 0 だからq>34q > -\frac{3}{4}

3. 最終的な答え

(y+34)2x2=12(y>34)(y + \frac{3}{4})^2 - x^2 = \frac{1}{2} \quad (y > -\frac{3}{4})

「幾何学」の関連問題

放物線 $y = 2x^2 - 4x + 5$ を、x軸、y軸、原点に関して、それぞれ対称移動して得られる放物線の方程式を求める。

放物線対称移動二次関数
2025/4/29

3点 $A(-1+i)$, $B(1-i)$, $C(-\sqrt{3} - \sqrt{3}i)$ を頂点とする三角形ABCはどのような三角形か。

複素数平面三角形辺の長さ正三角形
2025/4/29

(1) 2点A(-1, 0), B(3, 0) からの距離の比が1:3である点Pの軌跡を求める。 (2) 2点A(4, 0), B(0, -4) と放物線 $y = x^2$ 上の動点Qとでできる$\...

軌跡重心放物線
2025/4/29

$\triangle OAB$ において、$OA = \sqrt{10}, OB = 2, AB = 4$ である。点 $O$ から辺 $AB$ に下ろした垂線を $OH$ とする。$\vec{OA}...

ベクトル三角形内積垂線
2025/4/29

3点A($\alpha$), B($\beta$), C($\gamma$)を頂点とする$\triangle ABC$について、$\gamma=(1-i)\alpha + i\beta$が成り立つとき...

複素数平面三角形角度直角二等辺三角形
2025/4/29

立方体 $ABCD-EFGH$ において、線分 $EC$ と線分 $FC$ のなす角 $\theta$ ($0 \le \theta \le \pi$) を求めます。ただし、$\theta$ は逆三角...

空間図形ベクトル内積角度立方体
2025/4/29

ベクトル $\vec{a} = (2, 1, 0)$ と $\vec{b} = (1, 1, 1)$ が与えられたとき、以下の値を求めよ。ただし、$\vec{a}$ と $\vec{b}$ のなす角を...

ベクトル内積外積角度
2025/4/29

立方体 ABCD-EFGH において、ベクトルを利用して線分 EC と線分 FC のなす角 $\theta$ を求める。ただし、$0 \le \theta \le \pi$ とする。$\theta$ ...

ベクトル空間ベクトル内積角度立方体
2025/4/29

$0 \leq \theta < 2\pi$ のとき、以下の不等式を解きます。 $\tan \theta + \sqrt{3} \leq 0$

三角関数不等式tan角度範囲
2025/4/29

円に内接する四角形ABCDにおいて、$AB = 8$, $BC = 5$, $CD = 3$, $\angle ABC = 60^\circ$である。 (1) 対角線ACの長さを求める。 (2) 辺A...

四角形余弦定理正弦定理面積
2025/4/29