問題は以下の3つの命題の対偶を述べ、対偶を証明するというものです。 (1) $a^2$ が 2 の倍数ならば、$a$ も 2 の倍数である。 (2) $a^2 + b^2$ が 3 で割り切れるならば、$a$、$b$ はともに 3 で割り切れる。 (3) 積 $ab$ が 4 の倍数ならば、$a$ または $b$ は 2 の倍数である。

数論命題対偶整数の性質合同式倍数割り算
2025/4/29

1. 問題の内容

問題は以下の3つの命題の対偶を述べ、対偶を証明するというものです。
(1) a2a^2 が 2 の倍数ならば、aa も 2 の倍数である。
(2) a2+b2a^2 + b^2 が 3 で割り切れるならば、aabb はともに 3 で割り切れる。
(3) 積 abab が 4 の倍数ならば、aa または bb は 2 の倍数である。

2. 解き方の手順

(1)
対偶: aa が 2 の倍数でないならば、a2a^2 は 2 の倍数でない。
証明: aa が 2 の倍数でないとき、aa は奇数なので、a=2k+1a = 2k + 1 (k は整数) と表せる。
このとき、a2=(2k+1)2=4k2+4k+1=2(2k2+2k)+1a^2 = (2k + 1)^2 = 4k^2 + 4k + 1 = 2(2k^2 + 2k) + 1 となり、a2a^2 も奇数である。
したがって、a2a^2 は 2 の倍数ではない。
(2)
対偶: aa または bb が 3 で割り切れないならば、a2+b2a^2 + b^2 は 3 で割り切れない。
証明: aa または bb が 3 で割り切れないとき、以下のパターンが考えられます。
* a1(mod3)a \equiv 1 \pmod{3} または a2(mod3)a \equiv 2 \pmod{3}
* b1(mod3)b \equiv 1 \pmod{3} または b2(mod3)b \equiv 2 \pmod{3}
剰余類で場合分けして考えます。
* a1(mod3)a \equiv 1 \pmod{3} かつ b1(mod3)b \equiv 1 \pmod{3} のとき、a2+b212+122(mod3)a^2 + b^2 \equiv 1^2 + 1^2 \equiv 2 \pmod{3}
* a1(mod3)a \equiv 1 \pmod{3} かつ b2(mod3)b \equiv 2 \pmod{3} のとき、a2+b212+221+452(mod3)a^2 + b^2 \equiv 1^2 + 2^2 \equiv 1 + 4 \equiv 5 \equiv 2 \pmod{3}
* a2(mod3)a \equiv 2 \pmod{3} かつ b1(mod3)b \equiv 1 \pmod{3} のとき、a2+b222+124+152(mod3)a^2 + b^2 \equiv 2^2 + 1^2 \equiv 4 + 1 \equiv 5 \equiv 2 \pmod{3}
* a2(mod3)a \equiv 2 \pmod{3} かつ b2(mod3)b \equiv 2 \pmod{3} のとき、a2+b222+224+482(mod3)a^2 + b^2 \equiv 2^2 + 2^2 \equiv 4 + 4 \equiv 8 \equiv 2 \pmod{3}
いずれの場合も、a2+b2a^2 + b^2 は 3 で割り切れません。
(3)
対偶: aabb も 2 の倍数でないならば、積 abab は 4 の倍数ではない。
証明: aabb も 2 の倍数でないとき、aabb はともに奇数なので、a=2k+1a = 2k + 1b=2l+1b = 2l + 1 (k, l は整数) と表せる。
このとき、ab=(2k+1)(2l+1)=4kl+2k+2l+1=2(2kl+k+l)+1ab = (2k + 1)(2l + 1) = 4kl + 2k + 2l + 1 = 2(2kl + k + l) + 1 となり、abab も奇数である。
したがって、abab は 2 の倍数ではないので、4 の倍数でもない。

3. 最終的な答え

(1)
対偶: aa が 2 の倍数でないならば、a2a^2 は 2 の倍数でない。
(証明は上記参照)
(2)
対偶: aa または bb が 3 で割り切れないならば、a2+b2a^2 + b^2 は 3 で割り切れない。
(証明は上記参照)
(3)
対偶: aabb も 2 の倍数でないならば、積 abab は 4 の倍数ではない。
(証明は上記参照)

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