3つの問題があります。 (1) $a > 1$ のとき、$C_1$ と $C_2$ が原点以外でも交点を持つことを増減表を用いて示してください。ただし、原点は交点の1つです。ヒント: 逆関数は元の関数に対し、$y = x$ に関して対称となります。 (2) $C_1$ と $C_2$ の原点以外の交点の $x$ 座標を $t > 0$ とするとき、$a \to \infty$ のとき、$t$ はどの値に近づくか答えてください。 (3) $C_1$ と $C_2$ に囲まれる領域の面積を $S_a$ とするとき、$\lim_{a \to \infty} S_a$ を求めてください。ヒント: $\lim_{x \to +0} x^2 \log x = 0$ であることを用いてください。

解析学関数のグラフ逆関数積分極限増減表
2025/4/30

1. 問題の内容

3つの問題があります。
(1) a>1a > 1 のとき、C1C_1C2C_2 が原点以外でも交点を持つことを増減表を用いて示してください。ただし、原点は交点の1つです。ヒント: 逆関数は元の関数に対し、y=xy = x に関して対称となります。
(2) C1C_1C2C_2 の原点以外の交点の xx 座標を t>0t > 0 とするとき、aa \to \infty のとき、tt はどの値に近づくか答えてください。
(3) C1C_1C2C_2 に囲まれる領域の面積を SaS_a とするとき、limaSa\lim_{a \to \infty} S_a を求めてください。ヒント: limx+0x2logx=0\lim_{x \to +0} x^2 \log x = 0 であることを用いてください。

2. 解き方の手順

(1)
C1C_1 の関数を y=f(x)y=f(x) とします。C2C_2C1C_1 の逆関数なので、y=xy=x に関して対称です。
f(x)=axxlogxf(x) = ax - x \log x と置くと、f(0)=0f(0)=0 であるから原点を通ります。
f(x)=alogx1f'(x) = a - \log x - 1
f(x)=1/x<0f''(x) = -1/x < 0 ( for x>0x > 0)
f(x)=0f'(x) = 0 となる xx の値を x0x_0 とすると、x0=ea1x_0 = e^{a-1}.
x>0x>0 における f(x)f'(x) の増減表は次の通りです。
| x | 0 | ... | ea1e^{a-1} | ... | \infty |
| :---- | :--------- | :------- | :-------- | :------- | :------- |
| f'(x) | \infty | + | 0 | - | -\infty |
| f(x) | 0 | \nearrow | 最大 | \searrow | |
f(x)f(x)x=ea1x=e^{a-1} で最大値 f(ea1)=aea1ea1log(ea1)=aea1ea1(a1)=ea1>0f(e^{a-1}) = ae^{a-1} - e^{a-1} \log(e^{a-1}) = ae^{a-1} - e^{a-1}(a-1) = e^{a-1} > 0 を取ります。
f(x)f(x) のグラフは、x=0x=0f(x)=alogx1f'(x) = a - \log x - 1 \to \infty なので、xx 軸に垂直な接線を持ち、単調増加で始まります。その後、x=ea1x = e^{a-1} にて極大値を持ち、xx \to \infty-\infty に向かいます。
y=f(x)y=f(x)y=xy=x の交点は、f(x)=xf(x) = x, すなわち、axxlogx=xax - x \log x = x を満たします。これは、x(a1logx)=0x(a-1 - \log x) = 0 と変形でき、x=0x=0 または a1logx=0a-1 - \log x = 0 となります。
x=0x=0 は原点を示しています。
a1logx=0a-1 - \log x = 0 より、x=ea1x = e^{a-1} です。
したがって、x>0x > 0 において交点 x=ea1x = e^{a-1} が存在します。
(2)
C1C_1C2C_2 の原点以外の交点の xx 座標を t>0t > 0 とすると、f(t)=tf(t) = t が成り立ちます。すなわち、attlogt=tat - t \log t = t です。したがって、t(a1logt)=0t(a-1-\log t) = 0 です。t>0t>0 より、a1logt=0a-1-\log t = 0 となります。これより、t=ea1t = e^{a-1} となります。
aa \to \infty のとき、t=ea1t = e^{a-1} \to \infty となります。
(3)
Sa=20t(xf(x))dx=20t(x(axxlogx))dx=20t(xax+xlogx)dx=20tx(1a+logx)dxS_a = 2 \int_0^t (x - f(x)) dx = 2 \int_0^t (x - (ax - x \log x)) dx = 2 \int_0^t (x - ax + x \log x) dx = 2 \int_0^t x(1 - a + \log x) dx
=2[(1a)x22+x22logxx24]0t=2[x24+(1a)x22+x22logx]0t=[x22+(1a)x2+x2logx]0t= 2 \left[ (1-a)\frac{x^2}{2} + \frac{x^2}{2}\log x - \frac{x^2}{4} \right]_0^t = 2 \left[ \frac{x^2}{4} + (1-a)\frac{x^2}{2} + \frac{x^2}{2}\log x \right]_0^t = \left[ \frac{x^2}{2} + (1-a)x^2 + x^2 \log x \right]_0^t
Sa=t22+(1a)t2+t2logtlimx+0(x2/2+(1a)x2+x2logx)S_a = \frac{t^2}{2} + (1-a)t^2 + t^2 \log t - \lim_{x \to +0} (x^2/2 + (1-a)x^2 + x^2 \log x)
limx+0x2logx=0\lim_{x \to +0} x^2 \log x = 0 なので
Sa=t22+(1a)t2+t2logt=t22+(1a)t2+t2(a1)=t22S_a = \frac{t^2}{2} + (1-a)t^2 + t^2 \log t = \frac{t^2}{2} + (1-a)t^2 + t^2 (a-1) = \frac{t^2}{2}
t=ea1t = e^{a-1} より
Sa=e2(a1)2S_a = \frac{e^{2(a-1)}}{2}
limaSa=limae2(a1)2=\lim_{a \to \infty} S_a = \lim_{a \to \infty} \frac{e^{2(a-1)}}{2} = \infty

3. 最終的な答え

(1) 上記の通り
(2) \infty
(3) \infty

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