(1) -20℃の氷90gを120℃の水蒸気にするのに必要なエネルギーをkJ単位で求める。 (2) 温度変化とエネルギーの関係図を求める。

応用数学熱力学エネルギー計算相変化熱量
2025/4/30

1. 問題の内容

(1) -20℃の氷90gを120℃の水蒸気にするのに必要なエネルギーをkJ単位で求める。
(2) 温度変化とエネルギーの関係図を求める。

2. 解き方の手順

(1) 必要なエネルギーを求める
まず、-20℃の氷を0℃にするのに必要なエネルギーQ1Q_1を計算します。
Q1=mciceΔTQ_1 = m \cdot c_{ice} \cdot \Delta T
ここで、m=90gm = 90g, cice=2.0J/(gK)c_{ice} = 2.0 J/(g \cdot K), ΔT=0(20)=20K\Delta T = 0 - (-20) = 20 K
Q1=902.020=3600J=3.6kJQ_1 = 90 \cdot 2.0 \cdot 20 = 3600 J = 3.6 kJ
次に、0℃の氷を融解させるのに必要なエネルギーQ2Q_2を計算します。
氷の融解熱は6.0 kJ/molなので、90gの氷(90/18 = 5mol)を融解させるには
Q2=nΔHfusQ_2 = n \cdot \Delta H_{fus}
ここで、n=5moln = 5 mol, ΔHfus=6.0kJ/mol\Delta H_{fus} = 6.0 kJ/mol
Q2=56.0=30kJQ_2 = 5 \cdot 6.0 = 30 kJ
次に、0℃の水を100℃にするのに必要なエネルギーQ3Q_3を計算します。
Q3=mcwaterΔTQ_3 = m \cdot c_{water} \cdot \Delta T
ここで、m=90gm = 90g, cwater=4.2J/(gK)c_{water} = 4.2 J/(g \cdot K), ΔT=1000=100K\Delta T = 100 - 0 = 100 K
Q3=904.2100=37800J=37.8kJQ_3 = 90 \cdot 4.2 \cdot 100 = 37800 J = 37.8 kJ
次に、100℃の水を蒸発させるのに必要なエネルギーQ4Q_4を計算します。
水の蒸発熱は41 kJ/molなので、90gの水(90/18 = 5mol)を蒸発させるには
Q4=nΔHvapQ_4 = n \cdot \Delta H_{vap}
ここで、n=5moln = 5 mol, ΔHvap=41kJ/mol\Delta H_{vap} = 41 kJ/mol
Q4=541=205kJQ_4 = 5 \cdot 41 = 205 kJ
次に、100℃の水蒸気を120℃にするのに必要なエネルギーQ5Q_5を計算します。
Q5=mcsteamΔTQ_5 = m \cdot c_{steam} \cdot \Delta T
ここで、m=90gm = 90g, csteam=2.1J/(gK)c_{steam} = 2.1 J/(g \cdot K), ΔT=120100=20K\Delta T = 120 - 100 = 20 K
Q5=902.120=3780J=3.78kJQ_5 = 90 \cdot 2.1 \cdot 20 = 3780 J = 3.78 kJ
したがって、合計のエネルギーQQ
Q=Q1+Q2+Q3+Q4+Q5=3.6+30+37.8+205+3.78=280.18kJQ = Q_1 + Q_2 + Q_3 + Q_4 + Q_5 = 3.6 + 30 + 37.8 + 205 + 3.78 = 280.18 kJ
(2) 温度変化とエネルギーの関係図
横軸にエネルギー(kJ)、縦軸に温度(℃)をとります。
-20℃から0℃まで、直線的に温度上昇 (3.6kJ)
0℃で融解(水平な直線、30kJ消費)
0℃から100℃まで、直線的に温度上昇 (37.8kJ)
100℃で蒸発(水平な直線、205kJ消費)
100℃から120℃まで、直線的に温度上昇 (3.78kJ)

3. 最終的な答え

(1) 280.18 kJ
(2) (上記参照)

「応用数学」の関連問題

質量0.20 kgの物体がx軸上を運動しており、時刻 $t$ における位置 $x(t)$ が $x(t) = 3.0t^2 - 36t$ [m] で与えられています。 (1) 時刻 $t$ における物...

力学運動微分速度加速度
2025/4/30

質量 $m$ の小球が、時刻 $t=0$ に地表のある点から初速度 $v_0$、角度 $\theta$ で斜方投射される。小球には粘性抵抗 $-km\vec{v}$ が働く。 (a) 小球の運動方程式...

微分方程式運動空気抵抗斜方投射力学
2025/4/30

-20℃の氷90gを加熱し、120℃の水蒸気にするまでの温度変化のグラフを作成し、その全過程で必要なエネルギーを計算する問題です。また、温度変化とエネルギーの関係を図示する問題です。与えられた定数は、...

熱力学エネルギー計算比熱状態変化グラフ
2025/4/30

-20℃の氷90gを加熱して120℃の水蒸気にするために必要な総エネルギーを求めます。 また、温度変化とエネルギーの関係を図で表すことを考えます。

熱力学熱量計算グラフ
2025/4/30

x軸上を等加速度直線運動する物体が、時刻 $t = 0$ s に原点を正の向きに $12$ m/s で通過し、時刻 $t = 8.0$ s に負の向きに $4.0$ m/s になった。以下の問いに答え...

力学等加速度直線運動運動方程式物理
2025/4/30

自動車に振動数 $f_0$ [Hz] のサイレンを乗せ、半径 $r$ [m] の円周上を一定の速さ $v$ [m/s] で左回りに走らせる。円の外側の点 P に人が立ち、音速を $V$ [m/s] と...

ドップラー効果音波円運動物理
2025/4/30

振動数 $f_0$ [Hz] のサイレンを乗せた自動車が、点Oを中心とする半径 $r$ [m] の円周上を一定の速さ $v$ [m/s] で左回りに走っています。円の外側の点Pに人が立ち、音速を $V...

ドップラー効果音波円運動物理
2025/4/30

この問題は、損益分岐点売上高を計算する問題です。問題1.1と問題1.2で与えられた売上高、変動費、固定費、経常利益のデータを用いて、固定費、総費用、傾き、損益分岐点売上高を計算します。

損益分岐点費用計算傾き利益売上高
2025/4/30

ある温泉の浴槽に給湯口A、Bと排水口がある。給湯口Aだけで満水にするのに30分、給湯口Bだけで満水にするのに60分かかる。給湯口AとBを同時に使うと15分で満水になる。満水の状態で給湯口を閉じたとき、...

文章題割合方程式
2025/4/30

問題は、損益分析における数値を計算し、損益分岐点売上高を求めることです。与えられた情報から、固定費、総費用、変動費率を計算し、最後に損益分岐点売上高を計算します。

損益分岐点損益分析費用計算売上高変動費固定費
2025/4/30