(1) 整数 $n$ に対して、$n^2$ が 5 の倍数ならば、$n$ は 5 の倍数であることを証明する。 (2) $\sqrt{5}$ が無理数であることを証明する。

数論整数の性質背理法対偶無理数証明
2025/4/30

1. 問題の内容

(1) 整数 nn に対して、n2n^2 が 5 の倍数ならば、nn は 5 の倍数であることを証明する。
(2) 5\sqrt{5} が無理数であることを証明する。

2. 解き方の手順

(1) 対偶を証明する。つまり、「nn が 5 の倍数でないならば、n2n^2 は 5 の倍数でない」ことを示す。
nn が 5 の倍数でないとき、nn5k+1,5k+2,5k+3,5k+45k+1, 5k+2, 5k+3, 5k+4 (kk は整数) のいずれかの形で表せる。それぞれの場合について、n2n^2 を計算し、5 の倍数でないことを示す。
(i) n=5k+1n = 5k+1 のとき、
n2=(5k+1)2=25k2+10k+1=5(5k2+2k)+1n^2 = (5k+1)^2 = 25k^2 + 10k + 1 = 5(5k^2 + 2k) + 1
5k2+2k5k^2 + 2k は整数なので、n2n^2 は 5 で割ると 1 余る。
(ii) n=5k+2n = 5k+2 のとき、
n2=(5k+2)2=25k2+20k+4=5(5k2+4k)+4n^2 = (5k+2)^2 = 25k^2 + 20k + 4 = 5(5k^2 + 4k) + 4
5k2+4k5k^2 + 4k は整数なので、n2n^2 は 5 で割ると 4 余る。
(iii) n=5k+3n = 5k+3 のとき、
n2=(5k+3)2=25k2+30k+9=5(5k2+6k+1)+4n^2 = (5k+3)^2 = 25k^2 + 30k + 9 = 5(5k^2 + 6k + 1) + 4
5k2+6k+15k^2 + 6k + 1 は整数なので、n2n^2 は 5 で割ると 4 余る。
(iv) n=5k+4n = 5k+4 のとき、
n2=(5k+4)2=25k2+40k+16=5(5k2+8k+3)+1n^2 = (5k+4)^2 = 25k^2 + 40k + 16 = 5(5k^2 + 8k + 3) + 1
5k2+8k+35k^2 + 8k + 3 は整数なので、n2n^2 は 5 で割ると 1 余る。
いずれの場合も、n2n^2 は 5 の倍数ではない。よって、対偶が示されたので、元の命題も真である。
(2) 背理法を用いる。5\sqrt{5} が有理数であると仮定すると、互いに素な整数 m,nm, n (n0n \neq 0) を用いて、5=mn\sqrt{5} = \frac{m}{n} と表せる。
両辺を 2 乗すると、
5=m2n25 = \frac{m^2}{n^2}
5n2=m25n^2 = m^2
したがって、m2m^2 は 5 の倍数である。
(1) の結果より、mm も 5 の倍数である。
m=5km = 5k (kk は整数) とおくと、
5n2=(5k)2=25k25n^2 = (5k)^2 = 25k^2
n2=5k2n^2 = 5k^2
したがって、n2n^2 は 5 の倍数である。
(1) の結果より、nn も 5 の倍数である。
これは、mmnn が互いに素であるという仮定に矛盾する。
よって、5\sqrt{5} は無理数である。

3. 最終的な答え

(1) 証明終了
(2) 証明終了

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