(1) $\sqrt{2}$ と $\sqrt{3}$ が無理数であることを示す。 (2) $p$, $q$, $\sqrt{2}p + \sqrt{3}q$ がすべて有理数であるとする。このとき、$p = q = 0$ であることを示す。

数論無理数背理法整数の性質有理数
2025/5/1

1. 問題の内容

(1) 2\sqrt{2}3\sqrt{3} が無理数であることを示す。
(2) pp, qq, 2p+3q\sqrt{2}p + \sqrt{3}q がすべて有理数であるとする。このとき、p=q=0p = q = 0 であることを示す。

2. 解き方の手順

(1) 2\sqrt{2} が無理数であることの証明:
2\sqrt{2} が有理数であると仮定する。すると、互いに素な整数 m,nm, n (ただし、n0n \neq 0) を用いて、 2=mn\sqrt{2} = \frac{m}{n} と表せる。
このとき、 2=m2n22 = \frac{m^2}{n^2} となり、m2=2n2m^2 = 2n^2 である。
したがって、m2m^2 は偶数であるから、mm も偶数である。そこで、m=2km = 2k (kk は整数) とおくと、 (2k)2=2n2(2k)^2 = 2n^2 より 4k2=2n24k^2 = 2n^2, すなわち n2=2k2n^2 = 2k^2 となる。
ゆえに、n2n^2 は偶数であるから、nn も偶数である。
これは、mmnn が互いに素であるという仮定に矛盾する。
したがって、2\sqrt{2} は無理数である。
3\sqrt{3} が無理数であることの証明:
3\sqrt{3} が有理数であると仮定する。すると、互いに素な整数 m,nm, n (ただし、n0n \neq 0) を用いて、 3=mn\sqrt{3} = \frac{m}{n} と表せる。
このとき、 3=m2n23 = \frac{m^2}{n^2} となり、m2=3n2m^2 = 3n^2 である。
したがって、m2m^2 は3の倍数であるから、mm も3の倍数である。そこで、m=3km = 3k (kk は整数) とおくと、 (3k)2=3n2(3k)^2 = 3n^2 より 9k2=3n29k^2 = 3n^2, すなわち n2=3k2n^2 = 3k^2 となる。
ゆえに、n2n^2 は3の倍数であるから、nn も3の倍数である。
これは、mmnn が互いに素であるという仮定に矛盾する。
したがって、3\sqrt{3} は無理数である。
(2) pp, qq, 2p+3q\sqrt{2}p + \sqrt{3}q がすべて有理数であるとする。
2p+3q=r\sqrt{2}p + \sqrt{3}q = r (rr は有理数) とおく。
この式の両辺を2乗すると、
(2p+3q)2=r2(\sqrt{2}p + \sqrt{3}q)^2 = r^2
2p2+26pq+3q2=r22p^2 + 2\sqrt{6}pq + 3q^2 = r^2
26pq=r22p23q22\sqrt{6}pq = r^2 - 2p^2 - 3q^2
r22p23q2r^2 - 2p^2 - 3q^2 は有理数であるから、もし pq0pq \neq 0 ならば、6\sqrt{6} は有理数となる。
しかし、6\sqrt{6} は無理数であるから、pq=0pq = 0 でなければならない。
(i) p=0p = 0 のとき、3q=r\sqrt{3}q = r である。もし、q0q \neq 0 ならば、3=rq\sqrt{3} = \frac{r}{q} となり、3\sqrt{3} は有理数となるが、これは3\sqrt{3} が無理数であることに矛盾する。したがって、q=0q = 0 でなければならない。
(ii) q=0q = 0 のとき、2p=r\sqrt{2}p = r である。もし、p0p \neq 0 ならば、2=rp\sqrt{2} = \frac{r}{p} となり、2\sqrt{2} は有理数となるが、これは2\sqrt{2} が無理数であることに矛盾する。したがって、p=0p = 0 でなければならない。
いずれの場合も p=q=0p = q = 0 となる。

3. 最終的な答え

(1) 2\sqrt{2}3\sqrt{3} は無理数である。(証明は上記参照)
(2) p=q=0p=q=0

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