与えられた3つの命題について、それぞれの対偶を述べ、対偶を証明することで元の命題を証明する。 (1) $a^2$ が 2 の倍数ならば、$a$ も 2 の倍数である。 (2) $a^2 + b^2$ が 3 で割り切れるならば、$a$ も $b$ も 3 で割り切れる。 (3) 積 $ab$ が 4 の倍数ならば、$a$ または $b$ は 2 の倍数である。

1. 問題の内容

与えられた3つの命題について、それぞれの対偶を述べ、対偶を証明することで元の命題を証明する。

(1) $a^2$ が 2 の倍数ならば、$a$ も 2 の倍数である。

(2) $a^2 + b^2$ が 3 で割り切れるならば、$a$ も $b$ も 3 で割り切れる。

(3) 積 $ab$ が 4 の倍数ならば、$a$ または $b$ は 2 の倍数である。

2. 解き方の手順

(1)

* **対偶:** $a$ が 2 の倍数でないならば、$a^2$ も 2 の倍数でない。

* **証明:** $a$ が 2 の倍数でないと仮定すると、$a$ は奇数なので、$a = 2k + 1$（$k$ は整数）と表せる。

このとき、

$a^2 = (2k + 1)^2 = 4k^2 + 4k + 1 = 2(2k^2 + 2k) + 1$

これは奇数なので、$a^2$ は 2 の倍数ではない。

したがって、対偶が真なので、元の命題も真である。

(2)

* **対偶:** $a$ または $b$ が 3 で割り切れないならば、$a^2 + b^2$ は 3 で割り切れない。

* **証明:** $a$ または $b$ が 3 で割り切れないと仮定する。

* (i) $a$ のみが 3 で割り切れないとき、$a=3k \pm 1$ と表せる。（$k$ は整数）このとき、$a^2=9k^2 \pm 6k+1=3(3k^2 \pm 2k)+1 \equiv 1 \pmod{3}$

$b$ が 3 で割り切れるので、$b^2 \equiv 0 \pmod{3}$

よって、$a^2+b^2 \equiv 1+0 \equiv 1 \pmod{3}$ となり、$a^2+b^2$ は3で割り切れない。

* (ii) $a, b$ が共に 3 で割り切れないとき、$a=3k_1 \pm 1, b=3k_2 \pm 1$ と表せる。（$k_1, k_2$ は整数）

$a^2 \equiv 1 \pmod{3}, b^2 \equiv 1 \pmod{3}$ より、$a^2+b^2 \equiv 1+1 \equiv 2 \pmod{3}$ となり、$a^2+b^2$ は3で割り切れない。

したがって、対偶が真なので、元の命題も真である。

(3)

* **対偶:** $a$ も $b$ も 2 の倍数でないならば、積 $ab$ は 4 の倍数でない。

* **証明:** $a$ も $b$ も 2 の倍数でないと仮定すると、$a, b$ は奇数である。$a=2k+1, b=2l+1$（$k, l$ は整数）と表せる。

このとき、$ab = (2k+1)(2l+1) = 4kl + 2k + 2l + 1 = 2(2kl + k + l) + 1$

これは奇数なので、$ab$ は 4 の倍数ではない。したがって、対偶が真なので、元の命題も真である。

3. 最終的な答え

(1) $a^2$ が 2 の倍数ならば、$a$ も 2 の倍数である。（真）

(2) $a^2 + b^2$ が 3 で割り切れるならば、$a$ も $b$ も 3 で割り切れる。（真）

(3) 積 $ab$ が 4 の倍数ならば、$a$ または $b$ は 2 の倍数である。（真）