三角形ABCにおいて、辺BCを1:2に内分する点をDとする。このとき、等式 $2AB^2 + AC^2 = 3(AD^2 + 2BD^2)$ が成り立つことを証明する。

幾何学三角形ベクトル座標平面内分距離
2025/5/2

1. 問題の内容

三角形ABCにおいて、辺BCを1:2に内分する点をDとする。このとき、等式 2AB2+AC2=3(AD2+2BD2)2AB^2 + AC^2 = 3(AD^2 + 2BD^2) が成り立つことを証明する。

2. 解き方の手順

座標平面上に三角形ABCを配置し、各頂点の座標を定める。
点B, Cの座標をそれぞれ B(bb, 0), C(cc, 0) とし、点Aの座標を A(xx, yy) とする。
点Dは辺BCを1:2に内分するので、点Dの座標は
D=2B+C1+2=2(b,0)+(c,0)3=(2b+c3,0)D = \frac{2B + C}{1+2} = \frac{2(b,0)+(c,0)}{3} = (\frac{2b+c}{3},0)
となる。
次に、問題の等式に含まれる各辺の長さを座標を用いて表す。
AB2=(xb)2+y2=x22bx+b2+y2AB^2 = (x-b)^2 + y^2 = x^2 - 2bx + b^2 + y^2
AC2=(xc)2+y2=x22cx+c2+y2AC^2 = (x-c)^2 + y^2 = x^2 - 2cx + c^2 + y^2
AD2=(x2b+c3)2+y2=x22(2b+c)3x+(2b+c3)2+y2AD^2 = (x-\frac{2b+c}{3})^2 + y^2 = x^2 - \frac{2(2b+c)}{3}x + (\frac{2b+c}{3})^2 + y^2
BD2=(b2b+c3)2+02=(bc3)2=(bc)29BD^2 = (b-\frac{2b+c}{3})^2 + 0^2 = (\frac{b-c}{3})^2 = \frac{(b-c)^2}{9}
次に、与えられた等式の左辺を計算する。
2AB2+AC2=2(x22bx+b2+y2)+(x22cx+c2+y2)=3x24bx2cx+2b2+c2+3y22AB^2 + AC^2 = 2(x^2 - 2bx + b^2 + y^2) + (x^2 - 2cx + c^2 + y^2) = 3x^2 - 4bx - 2cx + 2b^2 + c^2 + 3y^2
次に、与えられた等式の右辺を計算する。
3(AD2+2BD2)=3((x2b+c3)2+y2+2(bc3)2)=3(x22(2b+c)3x+(2b+c)29+y2+2(bc)29)=3x22(2b+c)x+(4b2+4bc+c2)+2(b22bc+c2)3+3y2=3x2(4b+2c)x+6b24bc+3c23+3y2=3x24bx2cx+2b243bc+c2+3y23(AD^2 + 2BD^2) = 3((x-\frac{2b+c}{3})^2 + y^2 + 2(\frac{b-c}{3})^2) = 3(x^2 - \frac{2(2b+c)}{3}x + \frac{(2b+c)^2}{9} + y^2 + \frac{2(b-c)^2}{9}) = 3x^2 - 2(2b+c)x + \frac{(4b^2+4bc+c^2) + 2(b^2-2bc+c^2)}{3} + 3y^2 = 3x^2 - (4b+2c)x + \frac{6b^2-4bc+3c^2}{3} + 3y^2=3x^2 - 4bx - 2cx + 2b^2 - \frac{4}{3}bc + c^2 + 3y^2
6b24bc+3c23=2b243bc+c2\frac{6b^2 -4bc+3c^2}{3} = 2b^2 - \frac{4}{3}bc +c^2  
D(2b+c3,0)D(\frac{2b+c}{3},0) だから
BD2=(b2b+c3)2=(bc3)2=b22bc+c29BD^2 = (b-\frac{2b+c}{3})^2 = (\frac{b-c}{3})^2 = \frac{b^2-2bc+c^2}{9}
したがって
3(AD2+2BD2)=3((x2b+c3)2+y2+2(bc)29)=3x22(2b+c)x+(2b+c)23+3y2+23(bc)2=3x24bx2cx+4b2+4bc+c2+2b24bc+2c23+3y2=3x24bx2cx+6b2+3c23+3y2=3x24bx2cx+2b2+c2+3y23(AD^2 + 2BD^2) = 3((x-\frac{2b+c}{3})^2 + y^2 + 2\frac{(b-c)^2}{9}) = 3x^2 - 2(2b+c)x + \frac{(2b+c)^2}{3} + 3y^2 + \frac{2}{3}(b-c)^2 = 3x^2-4bx-2cx + \frac{4b^2+4bc+c^2+2b^2-4bc+2c^2}{3} + 3y^2 = 3x^2-4bx-2cx + \frac{6b^2+3c^2}{3} + 3y^2=3x^2-4bx-2cx+2b^2+c^2+3y^2
ゆえに
2AB2+AC2=3(AD2+2BD2)2AB^2 + AC^2 = 3(AD^2 + 2BD^2)

3. 最終的な答え

2AB2+AC2=3(AD2+2BD2)2AB^2 + AC^2 = 3(AD^2 + 2BD^2) が成り立つ。

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