袋の中に0, 1, 2, 3と書かれたカードがそれぞれ1枚ずつ入っている。袋から1枚のカードを取り出し、数字を確認して元に戻すことを繰り返す。$k$回目に取り出したカードに書かれた数を$a_k$とする。$S_n$を$S_n = a_1 a_2 \dots a_{n-1} + a_n$ ($n = 2, 3, 4, \dots$)と定義する。 (1) $S_2 = 0$となる確率、$S_2 = 2$となる確率をそれぞれ求めよ。 (2) $S_4 = 0$となる確率、$S_4 = 2$となる確率をそれぞれ求めよ。 (3) $n$を3以上の整数とする。$S_n = 6$となる確率を求めよ。

確率論・統計学確率確率分布漸化式
2025/5/5

1. 問題の内容

袋の中に0, 1, 2, 3と書かれたカードがそれぞれ1枚ずつ入っている。袋から1枚のカードを取り出し、数字を確認して元に戻すことを繰り返す。kk回目に取り出したカードに書かれた数をaka_kとする。SnS_nSn=a1a2an1+anS_n = a_1 a_2 \dots a_{n-1} + a_n (n=2,3,4,n = 2, 3, 4, \dots)と定義する。
(1) S2=0S_2 = 0となる確率、S2=2S_2 = 2となる確率をそれぞれ求めよ。
(2) S4=0S_4 = 0となる確率、S4=2S_4 = 2となる確率をそれぞれ求めよ。
(3) nnを3以上の整数とする。Sn=6S_n = 6となる確率を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
S2=a1+a2S_2 = a_1 + a_2である。
S2=0S_2 = 0となるのは、a1=0a_1 = 0かつa2=0a_2 = 0のときのみである。
a1=0a_1 = 0となる確率は14\frac{1}{4}であり、a2=0a_2 = 0となる確率も14\frac{1}{4}である。
したがって、S2=0S_2 = 0となる確率は14×14=116\frac{1}{4} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{16}である。
S2=2S_2 = 2となるのは、(a1,a2)=(0,2),(1,2),(2,2),(3,2)(a_1, a_2) = (0, 2), (1, 2), (2, 2), (3, 2)の場合である。
a1=0a_1 = 0のときa2=2a_2 = 2であり、a1=1a_1 = 1のときa2=1a_2 = 1, a1=2a_1 = 2のときa2=0a_2 = 0である。
a1=0a_1 = 0かつa2=2a_2=2, つまり(a1,a2)=(0,2)(a_1,a_2) = (0, 2)となる確率は14×14=116\frac{1}{4} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{16}
a1=1a_1 = 1かつa2=1a_2=1, つまり(a1,a2)=(1,1)(a_1,a_2) = (1, 1)となる確率は14×14=116\frac{1}{4} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{16}
a1=2a_1 = 2かつa2=0a_2=0, つまり(a1,a2)=(2,0)(a_1,a_2) = (2, 0)となる確率は14×14=116\frac{1}{4} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{16}
S2=a1+a2=2S_2 = a_1 + a_2=2となる確率は116+116+116=316\frac{1}{16}+\frac{1}{16}+\frac{1}{16} = \frac{3}{16}である。
(2)
S4=a1a2a3+a4S_4 = a_1 a_2 a_3 + a_4である。
S4=0S_4 = 0となるのは、a1a2a3=0a_1 a_2 a_3 = 0かつa4=0a_4 = 0のときである。
a1a2a3=0a_1 a_2 a_3 = 0となるのは、a1,a2,a3a_1, a_2, a_3のうち少なくとも一つが0のときである。
a10,a20,a30a_1 \ne 0, a_2 \ne 0, a_3 \ne 0となる確率は34×34×34=2764\frac{3}{4} \times \frac{3}{4} \times \frac{3}{4} = \frac{27}{64}である。
したがって、a1a2a3=0a_1 a_2 a_3 = 0となる確率は12764=37641 - \frac{27}{64} = \frac{37}{64}である。
a4=0a_4 = 0となる確率は14\frac{1}{4}である。
したがって、S4=0S_4 = 0となる確率は3764×14=37256\frac{37}{64} \times \frac{1}{4} = \frac{37}{256}である。
S4=2S_4 = 2となるのは、a1a2a3+a4=2a_1 a_2 a_3 + a_4 = 2となる場合である。
a1a2a3=0a_1 a_2 a_3 = 0のとき、a4=2a_4 = 2。この確率は3764×14=37256\frac{37}{64} \times \frac{1}{4} = \frac{37}{256}
a1a2a3=1a_1 a_2 a_3 = 1のとき、a4=1a_4 = 1a1a2a3=1a_1 a_2 a_3 = 1となるのは、a1=a2=a3=1a_1 = a_2 = a_3 = 1のときのみ。確率は14×14×14=164\frac{1}{4} \times \frac{1}{4} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{64}。よって確率は164×14=1256\frac{1}{64} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{256}
a1a2a3=2a_1 a_2 a_3 = 2のとき、a4=0a_4 = 0a1a2a3=2a_1 a_2 a_3 = 2となるのは、1×1×2,1×2×1,2×1×11 \times 1 \times 2, 1 \times 2 \times 1, 2 \times 1 \times 1つまり、(1,1,2)(1, 1, 2)の順列3通り。確率は3×14×14×14=3643 \times \frac{1}{4} \times \frac{1}{4} \times \frac{1}{4} = \frac{3}{64}。よって確率は364×14=3256\frac{3}{64} \times \frac{1}{4} = \frac{3}{256}
S4=2S_4=2となる確率は37256+1256+3256=41256\frac{37}{256}+\frac{1}{256}+\frac{3}{256} = \frac{41}{256}
(3)
Sn=a1a2an1+an=6S_n = a_1 a_2 \dots a_{n-1} + a_n = 6
a1a2an1=6ana_1 a_2 \dots a_{n-1} = 6 - a_n
ana_nは0, 1, 2, 3のいずれかの値を取るので、6an6 - a_nは3, 4, 5, 6のいずれかの値を取る。
a1,,an1a_1, \dots, a_{n-1}は0, 1, 2, 3のいずれかの値を取るので、a1a2an1a_1 a_2 \dots a_{n-1}の値域を考える。
a1a2an1a_1 a_2 \dots a_{n-1}は整数なので、6an6 - a_nも整数である。
an=0a_n=0のとき、a1a2an1=6a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 6
an=1a_n=1のとき、a1a2an1=5a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 5
an=2a_n=2のとき、a1a2an1=4a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 4
an=3a_n=3のとき、a1a2an1=3a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 3
a1a2an1=6a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 6となるのは、n=2n=2のときa1=6a_1=6となることはないので、ai3a_i \le 3よりn12n-1 \ge 2が必要。
n1=2n-1=2ならa1a2=6a_1a_2 = 6となり(a1,a2)=(2,3),(3,2)(a_1, a_2) = (2,3), (3,2)の2通り。
n1=3n-1=3ならa1a2a3=6a_1a_2a_3 = 6となり(a1,a2,a3)=(1,2,3)(a_1, a_2, a_3) = (1,2,3)の並び替え。3!=63!=6通り。
a1a2an1=5a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 5となるのは、n=2n=2のときa1=5a_1=5となることはないので、ai3a_i \le 3よりn12n-1 \ge 2が必要。
n1=2n-1=2ならa1a2=5a_1a_2 = 5となり(a1,a2)=(5,1),(1,5)(a_1, a_2) = (5,1), (1,5)となることはない。
a1a2an1=4a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 4となるのは、(1,1,1,1,)=4(1,1,1,1, \dots) = 4
a1a2an1=3a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 3となるのは、ai3a_i \le 3
Sn=6S_n = 6となる確率を計算する。
n=3n = 3の場合
S3=a1a2+a3=6S_3 = a_1 a_2 + a_3 = 6
a3=0,a1a2=6(2,3),(3,2)a_3 = 0, a_1 a_2 = 6 \rightarrow (2, 3), (3, 2)の2通り
a3=1,a1a2=5a_3 = 1, a_1 a_2 = 5 (なし)
a3=2,a1a2=4(1,4),(4,1),(2,2)a_3 = 2, a_1 a_2 = 4 \rightarrow (1, 4), (4, 1), (2, 2) (2, 2)のみ
a3=3,a1a2=3(1,3),(3,1)a_3 = 3, a_1 a_2 = 3 \rightarrow (1, 3), (3, 1)
S3=6S_3 = 6となる確率は24214+14214+24214=564\frac{2}{4^2}\frac{1}{4} + \frac{1}{4^2}\frac{1}{4} + \frac{2}{4^2}\frac{1}{4} = \frac{5}{64}
a1a2an1=i,an=6ia_1 a_2 \dots a_{n-1} = i, a_n = 6-iとなる確率の合計を求める。
n=3n = 3以上の整数とする。Sn=6S_n = 6となる確率を求める。
Sn=a1a2an1+an=6S_n = a_1 a_2 \dots a_{n-1} + a_n = 6
ここでai{0,1,2,3}a_i \in \{0, 1, 2, 3\}なので、a1a2an16a_1 a_2 \dots a_{n-1} \le 6を満たすana_nを見つける。
an=0a_n = 0のとき、a1a2an1=6a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 6
an=1a_n = 1のとき、a1a2an1=5a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 5
an=2a_n = 2のとき、a1a2an1=4a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 4
an=3a_n = 3のとき、a1a2an1=3a_1 a_2 \dots a_{n-1} = 3
したがって、p(a1a2an1=6)+p(a1a2an1=5)+p(a1a2an1=4)+p(a1a2an1=3)4\frac{p(a_1a_2\dots a_{n-1}=6)+p(a_1a_2\dots a_{n-1}=5)+p(a_1a_2\dots a_{n-1}=4)+p(a_1a_2\dots a_{n-1}=3)}{4}が答えとなる

3. 最終的な答え

(1) S2=0S_2 = 0となる確率は116\frac{1}{16}S2=2S_2 = 2となる確率は316\frac{3}{16}
(2) S4=0S_4 = 0となる確率は37256\frac{37}{256}S4=2S_4 = 2となる確率は41256\frac{41}{256}
(3) Sn=6S_n = 6となる確率は、 n=3n = 3のとき564\frac{5}{64}

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