$a=b$ という条件のもとで、与えられた式変形を行い、最終的に $1=2$ という矛盾した結果が得られた。この式変形の過程(①~⑥)に誤りがあるので、誤っている変形をすべて指摘し、その理由を述べる。ただし、$a$ と $b$ は実数であり、$a \neq 0$ かつ $b \neq 0$ である。

代数学式変形等式分数除算条件
2025/5/5

1. 問題の内容

a=ba=b という条件のもとで、与えられた式変形を行い、最終的に 1=21=2 という矛盾した結果が得られた。この式変形の過程(①~⑥)に誤りがあるので、誤っている変形をすべて指摘し、その理由を述べる。ただし、aabb は実数であり、a0a \neq 0 かつ b0b \neq 0 である。

2. 解き方の手順

順番に各ステップの変形を検証します。
ステップ①: a=ba=b の両辺に bb を掛ける。
a×b=b×ba \times b = b \times b
ab=b2ab = b^2
これは正しい変形です。
ステップ②: ab=b2ab=b^2 の両辺から a2a^2 を引く。
aba2=b2a2ab - a^2 = b^2 - a^2
これも正しい変形です。
ステップ③: aba2=b2a2ab - a^2 = b^2 - a^2 の両辺を因数分解する。
a(ba)=(b+a)(ba)a(b-a) = (b+a)(b-a)
これも正しい変形です。
ステップ④: a(ba)=(b+a)(ba)a(b-a) = (b+a)(b-a) の両辺を (ba)(b-a) で割る。
ここで、与えられた条件 a=ba=b より、ba=0b-a = 0 である。
したがって、両辺を 00 で割ることは許されない。これが誤りです。
ステップ⑤: a=b+aa=b+a から a=2aa=2a は、 a=ba=b を代入したもので、正しくは a=a+a=2aa=a+a=2aとなるため正しいです。
ステップ⑥: a=2aa = 2a の両辺を aa で割る。ただし a0a \neq 0 なので、両辺を aa で割ることができる。
1=21 = 2
ステップ⑤の後であれば正しい計算です。
したがって、誤っている変形は④です。

3. 最終的な答え

誤っている変形:④
理由:a=ba=b より、ba=0b-a=0 であるため、a(ba)=(b+a)(ba)a(b-a)=(b+a)(b-a) の両辺を bab-a で割ることは、0で割ることになり許されない。

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